イギリス公衆衛生週報 感染症トピックス
2017年12月08日

Vol. 11 / No. 44

2016年の英国における人畜共通感染症の概要報告書

UK zoonoses overview report for 2016

今週Public Health Englandから発表されたZoonoses Overview Report UK 2016は、2016年に全国から報告されたヒト及び動物の人畜共通感染症に関するデータをまとめたものである。
この報告書には、ヒト及び動物の感染例、公衆保健に対する影響の問題に関する注目すべき文献が掲載されている。その文献の一つは、英国国内で感染したCorynebacterium ulcerans感染例を検証したもので、ジフテリア様の症状を惹起するこの病原菌は英国において重要であると指摘している。2011年から2016年にかけて、ジフテリア例22例のうち、11例がC. ulceransによるものであり、全例でペットとの接触を認めた。C. ulceransは先進国においてヒトに対する新興感染症と考えられている。感染例の管理を効果的に行うためには、動物及びヒトの保健機関が共同で行う必要がある。
もう一本の主要文献は「オウムを飼育している家族に発症したオウム病」というもので、動物及びヒトの保健機関が緊密に連携をとってアウトブレーク調査を行う必要があった事例に関するものである。オウム病は主にトリの感染症で、Chlamydia psittaciという細菌の感染によるものである。同じ家族の3人(しかし、別世帯)が罹患し、臨床的にオウム病と診断された。1例はC. psittaci感染が確定診断された。この事例の管理中にいくつかの問題が発生し、これを受けて、Human Animal Infections and Risk Surveillance(HAIRS)グループはオウム病感染事例の調査に関する国のガイドラインを作成中である。
ヒト及び動物の感染症に関する詳細な情報は、いくつかのグループの病原体ごとに示されており、さらに詳しい情報が得られるリンクが貼ってある。この報告書には、ヒト及び動物の様々な人畜共通感染症をリストアップした表も掲載している。過去のデータのなかには、データクリーニングを行いアップデートしたものがある。イングランド、ウェールズ、スコットランド及び北アイルランドにおけるヒト及び動物のデータは個別の図表で報告している。
Zoonoses Overview Report UK 2016は、過去の人畜共通感染症の年次報告書と併せて、PHEウェブサイトのZoonoses: UKAnnual Reportsウェブページにアップされている。この報告書の作成は、PHE National Infection Service’s Emerging Infections and Zoonoses sectionが13の他の組織(Defra、FSA、保健省及びAPHA、スコットランド政府、HPS、SRUC及びFSS、Agri Food and Biosciences Institute、Public Health Agency of Northern Ireland及びDAERA、ウェールズ政府及び PHW)と共同で行われた。