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【医師監修】インフルエンザウイルスの大きさはどのくらい?マスクで予防できるのか解説

2022.11.28| 感染症・消毒

インフルエンザの予防対策としてマスクをつけることは多いです。しかし、インフルエンザウイルスの大きさがマスクのフィルターの目よりも小さいならば、すり抜けてしまうでしょう。

今回は、実際にインフルエンザウイルスの大きさはどの程度なのか、マスクのフィルターの目の大きさと比較しながら解説します。また、マスクが予防対策として有効なのか、マスク以外にどのような方法でインフルエンザを予防できるのかについても解説するので、ぜひご覧ください。

インフルエンザウイルスの大きさはどのくらい?

インフルエンザウイルスはおおよそ100nm(ナノメートル)です。ナノメートルとは1㎜の1,000,000分の1の単位なので、おおよそ0.0001㎜とも表現できます。

肉眼で見える限界の大きさは0.2㎜と言われていますので、インフルエンザウイルスは目に見えない微小な大きさであることが分かります。

インフルエンザウイルスとマスクのフィルターの目はどちらが大きい?

一般的な不織布マスクのフィルターの目はおよそ5㎛ (マイクロメートル)です。1㎛=1,000㎚なので、マスクのフィルターの目は5,000㎚とも表現できます。

一方、インフルエンザウイルスは直径約0.1㎛=100㎚なので、マスクのフィルターの目よりも非常に小さいです。空気中に浮遊しているインフルエンザウイルスならば、マスクのフィルターの目の方が大きいので、すり抜けて入り込む可能性があるでしょう。

しかし、インフルエンザウイルスを保有している人の咳やくしゃみによる「飛沫感染」は、マスクである程度予防することができます。

飛沫にはインフルエンザウイルスだけでなく水分などが含まれています。そのため、飛沫粒子の直径は5㎛以上と大きく、マスクのフィルターの目に入り込むことは難しいからです。

特に人が多い場所は、インフルエンザに感染している人も多いと考えられます。飛沫感染を防ぐためにも、マスクを着用して出かけるようにしましょう。

インフルエンザを予防するためにはマスクを!

浮遊しているインフルエンザウイルスをマスクで完全に避けることはできませんが、飛沫感染はマスクである程度予防することができます。

また、インフルエンザにかかっているときは、マスクを着用することで、周囲の人々を感染から守ることができます。

ただし、インフルエンザは、飛沫により感染するとは限りません。インフルエンザウイルスに触れた手で食事をしたり顔を触ったりすることで感染する「接触感染」の可能性もあるので、日頃から注意することが必要です。

マスク以外の予防方法

マスクもインフルエンザの予防に効果的ですが、それ以外の方法もあります。ここからは、インフルエンザの流行時期を乗り切るために実施したい、予防方法について見ていきましょう。

予防接種をする

インフルエンザワクチンを接種することで、ある程度、感染を防ぐことができます。ワクチンはその年の流行に合わせてつくられているので、毎年、流行前に接種するようにしましょう。

ワクチンの接種により完全に感染が防げるわけではありませんが、接種すると、感染しても重症化が防げる傾向があります。

人混みを避ける

人が多い場所は、インフルエンザに感染している可能性がある人も多くいるため、感染リスクは高くなります。インフルエンザの流行時期は、不要不急の外出は避け、人が多く集まる場所にはできるだけ行かないようにしましょう。

手洗いうがいをする

接触感染を予防するためにも、こまめに手洗いをすることが大切です。外出から戻ったときや食事前、調理前は石鹸を使って丁寧に手を洗いましょう。ウイルスによってはアルコール消毒で感染力を失うものもあります。手指をこまめに消毒もして、清潔な状態を保ちましょう。

また、うがいをすることもインフルエンザ予防の1つの方法です。外出から戻ったときはうがいをし、喉に付着したインフルエンザウイルスが体内に入り込まないようにしましょう。

換気をする

室内にインフルエンザウイルスが浮遊している可能性もあります。2~3時間に1度は換気をして、インフルエンザウイルスを外に出すようにしましょう。

マスクは予防に効果的!流行時期は着用しましょう

インフルエンザウイルスよりもマスクのフィルターの目のほうが大きいです。しかし、インフルエンザウイルスが付着した咳やくしゃみなどの飛沫粒子よりはマスクのフィルターの目のほうが小さいため、マスクを着用することで飛沫感染を防ぐことができるかもしれません。

インフルエンザが流行している時期はマスクを着用し、感染リスクを下げるようにしましょう。

中島医師よりコメント

インフルエンザウイルスの粒子はマスクのフィルターの目よりも小さいですが、マスクは飛沫感染を予防することができます。相手に感染させない、自分を感染させないためにもマスクは必要です。同時に手洗い、うがい、免疫力を上げることも必要です。

監修者

医師:中島由美

金沢医科大学医学部を卒業後、大学病院で小児科、市中病院で内科医として勤務。皮膚科、美容皮膚科でも研鑽を積み、2018年クリスタル医科歯科クリニックにて内科、アレルギー科、美容皮膚科を開設。内科院長として勤務。

 

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