知って得する! 腸活コラム 知って得する! 腸活コラム

VOL.118 整腸剤は便秘に効果がある?便秘薬との違いをわかりやすく解説

「お通じが少ない」「便が硬くてお腹がスッキリしない…」など、お腹の症状がある便秘。実は、便秘が長く続くと、自律神経や血流に悪影響を及ぼし、めまいや食欲不振、肌荒れまで引き起こす場合もあります。

しかし、「便秘薬はクセになりそうで抵抗がある」と考える方も多いでしょう。そこで、今回はビフィズス菌などのさまざまな菌を配合し、腸内環境を良い方向へサポートする「整腸剤」について詳しく解説します。

整腸剤と便秘薬の違い、整腸剤に期待できる効果や便秘薬の正しい知識についても紹介するので、便秘に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

便秘の主な症状

便秘に明確な定義はなく、排便が少ないだけが便秘ではありません。排便回数以外にも、便秘の症状はさまざまです。

まずは、便秘の主な症状を紹介するので、当てはまるものがあるかチェックしてみましょう。

  • 長時間排便がない(一般的に3~4日以上)
  • 排便があってもお腹がすっきりしない
  • 便が硬くて排便が困難
  • 毎日排便があっても、量が少なく残便感がある

上記のような症状がある方は、便秘の可能性が高いため、便秘解消を目指す対策が必要です。

整腸剤は腸内環境を整えるお薬

整腸剤は、腸内環境を良い方向へサポートするお薬です。整腸剤によって配合されている菌の種類はさまざまですが、主にビフィズス菌、乳酸菌、納豆菌、酪酸菌、糖化菌といった人間の腸に由来する菌が含まれています。

整腸剤に含まれる菌はそれぞれ悪玉菌が生息しにくい環境にする、排便を促すぜん動運動を促進するなど、さまざまな働きをしてくれます。

私たちの腸内に存在する約1,000種類もの腸内細菌は、大きく分類すると「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」の3つ。

善玉菌が優位になると腸内環境は良くなりますが、悪玉菌が優位になると腸内環境が悪化して便秘になりやすくなります。日和見菌は優位になっているほうの菌の味方をするため、腸内環境は善玉菌が優位になるようにしていかなければいけません。

整腸剤は便秘にも効果が期待できる?

整腸剤は腸内環境を整えてくれるため、継続的に服用することで便秘解消効果が期待できます。そのため短期間かつ直接的に便秘を改善する効果は得られません。

腸内環境には個人差があるため、継続して服用しても効果が感じられない場合もあります。継続して整腸剤を服用しても便秘が改善しない場合は、ほかの菌が配合されている整腸剤も検討してみるのも良いでしょう。

腸内環境は便秘を引き起こす原因の1つと言われています。整腸剤を飲んで腸内環境が整えば、便秘解消効果が期待できるので、ご自身に合った整腸剤を見つけていきましょう。

整腸剤と便秘薬の違い

整腸剤は腸内環境を整えるお薬で、便秘薬は腸や便に作用して、便秘解消効果が期待できる薬なので、成分も作用するところも違います。

先述したように、整腸剤の成分は人間の腸由来の菌です。一方、便秘薬は種類によって異なりますが、便のカサを増したり、腸のぜん動運動を促したりする成分によって、排便が促進されます。

しかし、便秘薬のなかには、習慣になりづらいものもあります。以下で、便秘薬の主な種類を簡単に解説します。

非刺激性便秘薬

非刺激性の便秘薬は、便に作用して排便を促す便秘薬。腸に作用しないため、腹痛が起きにくく習慣性が低いのが特徴です。

代表的な非刺激性便秘薬は、酸化マグネシウムを使ったものです。酸化マグネシウムは腸で吸収されにくい成分で、腸内の水分を便に集めて、便のカサと水分を増やし排便されやすい状態を作ります。

酸化マグネシウムを使った便秘薬は、5歳以上の子どもや高齢者、妊婦や授乳中の方でも服用可能な優しいお薬です。

刺激性便秘薬

刺激性の便秘薬は、直接小腸や大腸に作用して、ぜん動運動を促す便秘薬です。

直接腸に作用する刺激性便秘薬は、お腹が痛くなる可能性があり、習慣性もあるため長期間に渡り服用することはできません。

整腸剤に頼りすぎない!手軽にできる便秘解消を目指す方法

便秘解消を目指すなら、食事や運動などの生活習慣を見直すことも大切です。整腸剤や便秘薬だけに頼らず、便秘に悩まなくていい体をめざしましょう。

ここからは、日常で手軽に取り入れられる便秘解消方法を紹介します。

水分をこまめに摂る

便秘解消を目指すために必要な水分量は1日2リットルと言われています。

水分を十分に摂取すると、便の水分量が増えてやわらかくなるため、スムーズな排便につながります。日頃から、「今日は何リットルの水を摂取したか」を意識してみてください。

水分は、水や白湯でこまめに摂取するのが望ましいです。一気に水分を摂ると、尿として排出されてしまいます。

また、利尿作用のあるお茶やコーヒーも水分補給には適していません。尿として水分が排出されてしまうため、かえって体の水分が不足してしまう可能性もあります。

食生活を見直す

スムーズな排便には、食物繊維や適度な脂質が欠かせません。忙しくて食事をコンビニで済ませている方、外食が多い方は栄養バランスが偏っている可能性があります。

外食やコンビニを利用するときも丼物やパスタを避けて、なるべく野菜も摂るようにしましょう。食事は、お肉や魚、野菜、海藻などをバランス良く摂るようにしてください。

便秘を解消したい方に、とくに意識してほしいのが食物繊維です。食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。

水溶性食物繊維は便をやわらかくし、不溶性食物繊維は腸のぜん動運動を促す働きがあると言われており、便秘解消に必須の栄養素です。

食物繊維は野菜や海藻類に豊富に含まれているので、毎日の食事に海藻サラダをプラスするのもおすすめです。

規則正しい生活を心がける

規則正しい生活を送ると、排便のリズムや自律神経を整える効果が期待できます。毎日なるべく同じ時間に1日3食を摂り、同じ時間帯に就寝することを心がけてください。

生活のリズムが整ってくると、排便のリズムも徐々に整っていくと言われています。

朝食を摂ると便意が起きやすくなります。朝食は必ず摂るようにして、食後は便意がなくてもゆっくりトイレに行く時間を設けてみてください。

適度に運動する

運動不足になると、排便を促すぜん動運動が低下する傾向があるため、運動不足も便秘の原因の1つと言われています。

体を動かすと血行が良くなり、ぜん動運動も活発になると言われているので、運動をすることで便秘解消につながる可能性があります。

運動が苦手な方や運動不足を自覚している方は、買い物や通勤のときに少し多く歩くなど、ご自身ができる範囲から始めてみると良いでしょう。

整腸剤で腸内環境を整えて便秘を解消しよう

整腸剤はビフィズス菌や乳酸菌など、さまざまな菌が含まれているお薬です。腸内環境を整えることで、便秘解消効果が期待できますが、即効性はありません。

一方、便秘薬は便や腸に作用し、排便を促します。整腸剤と便秘薬では、配合されているものや作用するところが異なりますので、その点を踏まえてご自身に合ったものを選ぶようにしてください。

整腸剤や便秘薬を服用する際は用法用量を守り、体調に異変を感じる、便秘の症状に変化がないなどの場合は、早めに医療機関に相談してください。 また、便秘に悩んでいる場合、食事や運動などの生活習慣を見直すことも大切です、整腸剤や便秘薬に頼りきらず、生活習慣を見直して便秘に悩まなくていい体を目指しましょう。

酸化マグネシウムは非刺激性 酸化マグネシウムは非刺激性
POINT 1 お腹が痛くなるにくい。 POINT 1 お腹が痛くなるにくい。
POINT 2 クセになりにくい。 POINT 2 クセになりにくい。