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VOL.35 【医師監修】産後は便秘になりやすい!? その原因と解消方法とは

一般的に、妊娠中は便秘になりやすいとよくいわれますが、実は産後の女性も便秘になりやすいことをご存じでしょうか?今回は、産後の女性の便秘事情と、便秘になってしまった時の対処法について紹介します。

産後は便秘になりやすい! その原因は?

出産を終えた女性の体は、出産時の痛みやダメージが残っていることに加え、急激に妊娠前の状態へ戻ろうとするため、様々な不調が起こるものです。また、赤ちゃんが生まれると生活が大きく変化するので、精神的にも不安定になりがち。そのような状況が続くことで、便秘になってしまう人は少なくないようです。
それでは、具体的には何が原因で便秘になってしまうのでしょうか。まずは考えられる主な原因を5つ紹介します。

・骨盤底筋の衰え
骨盤底筋とは、肛門挙筋や会陰横筋をはじめとした骨盤の下部にある筋肉の総称で、子宮や膀胱、腸といった骨盤内にある臓器を支えるとともに、尿道や肛門を締めたりゆるめたりするなどして排尿や排便をコントロールする役割を持っています。妊娠時にはこの骨盤底筋が子宮を支え続けることで伸びてしまうので、産後の排便時に便を押し出す力が弱まるなどして便秘になる可能性があるようです。
・会陰切開の傷
赤ちゃんが母親の産道を通って生まれる際、膣と肛門の間にある「会陰」が裂ける可能性があることから、裂傷を防いでお産をスムーズにするために、医師によってあらかじめ会陰を切開しておくことがあります。この時の傷は出産後にしっかりと縫合されますが、「排便でいきむと傷口が再び裂けてしまうのでは……」と不安に思う人が少なくないようです。そうした不安から、排便時に十分な腹圧がかけられなかったり、便意自体を我慢してしまったりして、便秘になることがあります。
・水分不足
赤ちゃんを母乳で育てている人は、水分不足が原因で便秘になる可能性があります。母乳は母親の血液から作られており、血液は細胞成分と血漿(けっしょう)と呼ばれる液体成分でできています。この血漿成分の約90%は水分であるため、赤ちゃんに母乳を与え続けていると母体の水分量が低下してしまうのです。そうして体内の水分量が減ると、腸の水分も不足するため、腸は便に含まれる水分を吸収します。水分を吸収された便は硬くなるため、排便しにくくなるだけでなく、切れ痔の原因となって便秘を悪化させる可能性が考えられます。
・自律神経の乱れ
腸の動きは自律神経によってコントロールされています。自律神経には交感神経と副交感神経があり、副交感神経が優位になると腸の動きは活発になるといわれています。一般的に、副交感神経が優位になるのはリラックスしている時だとされていますが、出産後は慣れない育児に追われてストレスを溜めてしまいがち。加えて、妊娠中に多く分泌されていた女性ホルモンが急激に減ることで、自律神経が乱れやすくなります。そのため、腸の動きが弱まって、便秘になる可能性があるようです。
・直腸瘤
女性の直腸は膣の後方に位置していますが、出産によって直腸と腟の間の壁や骨盤底筋が伸びてゆるんでしまうと、直腸が膣側へせり出して膨張する「直腸瘤(ちょくちょうりゅう)」を起こすことがあります。この直腸瘤の中に溜まった便は排出されにくく、頑固な便秘となってしまうことがあるようです。

産後の便秘はどのくらい続く?

産後の便秘期間には個人差がありますが、一般的に「産褥(さんじょく)期」や「産後の肥立ち」と呼ばれる産後約6〜8週間は、腸の動きが低下しやすいと考えられています。したがって、この期間に2、3日ほどの便秘になることは珍しくないでしょう。
便秘は、体力と食習慣、排便習慣が戻れば解消される場合が多いため、産後約6〜8週間はしっかりと体を休めて、食習慣と排便習慣を改善していけば、徐々に快方に向かっていくはずです。

産後の便秘、解消方法は?

便秘の解消するためには、体力と食習慣、排便習慣を戻すことが大切です。ここでは、具体的な解消法を4つ紹介します。

・体を休める
妊娠・出産を終えた母体は、大きなダメージを受けています。その上、産後は育児でストレスが溜まりがち。その疲れた体をまずは休めることが大切です。ゆっくりリラックスする時間は取りにくいと思いますが、家族や周囲の人の協力を得ながら、睡眠時間や休息時間を確保しましょう。そうすることで、自律神経が整い、便秘の改善が期待できます。
・水分を多めにとる
先述した通り、体内の水分量が減ると便は硬く出にくくなってしまいます。そのため、水分摂取は便秘解消の基本です。特に赤ちゃんに母乳を与えている場合は、多めに摂取することを心がけてください。1日2~2.5ℓを目安に、少なくとも2ℓは摂取するようにしましょう。
・食物繊維を含む食品をとる
食物繊維は、人間の消化管で分解(消化)されることなく大腸へ達する成分で、腸内の善玉菌のエサとなって善玉菌を増やしたり、便の材料となってカサを増すことで腸の動きを促したりする作用があります。そのため、食物繊維が豊富なごぼうやブロッコリー、納豆、おから、しいたけ、ひじきなど、野菜や海藻類を積極的に取るのがオススメです。
・落ち着いてトイレに座る習慣を作る
赤ちゃんの世話をしていると、なかなか目を離すことができず、落ち着いてトイレに座る時間が取れないという人は少なくありません。しかし、そうやって便意を我慢していると、便秘が慢性化してしまう恐れがあります。
便秘を解消するためには、毎日決まった時間にトイレに座り、排便に挑むことが大切です。最初は便が出なくても、続けていくことで排便習慣が整い、便が出やすくなるはずです。

産後の便秘で、病院は行った方がいい? 薬は?

食生活の改善などによる解消法を試してみても効果がない場合には、市販薬を服用するのも一つの手です。ただし、授乳中の場合は、薬の成分が母乳に移行して赤ちゃんが下痢を引き起こすケースもあるので、必ず薬剤師に相談するようにしてください。
また、日常生活に支障をきたしたり、腹痛や出血をともなったりする便秘の場合には、医療機関を受診するのが良いでしょう。その際、一般的には内科や胃腸内科を受診しますが、出産後すぐであれば出産した産婦人科でも薬を処方してもらえることがあるようです。

まとめ

産後の女性は、体調の変化やストレスなどによって便秘になる可能性が高いようです。便秘が疑われる人は、今回紹介した解消法を試してみてください。より早く解消したい場合は、即効性が期待できる薬の服用を検討してみるのも良いでしょう。ただし、授乳中の人は薬局で薬剤師に相談したり、医療機関を受診するようにしてくださいね。

木村医師よりコメント
赤ちゃんが生まれると、それまでの生活のリズムとまったく異なる生活を強いられ、産後ですから身体の回復もままなりません。生活リズムが乱れるだけでも便秘になりますし、ホルモンバランスが不安定で、骨盤底筋群も弱まり、出産による傷の痛みといった物理的な要因まで関わってきます。生活習慣を整えるよう努めるだけでなく、薬なども併用することで無理せず体調管理をしてください。
監修者

医師・木村眞樹子
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科として在勤中。内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。総合内科専門医。循環器内科専門医。日本睡眠学会専門医。ビジョントレーニング指導者1級資格。

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