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VOL.39 【医師監修】便秘と不眠の関係性とは? 原因や解消法を知ろう

なかなか寝付けなかったり、眠りが浅くて夜中に起きたり、朝早く目が覚めてしまったり……。このようにぐっすり熟睡できない状態を「不眠」といい、不眠が続くと、睡眠不足から体調を崩し、病気を引き起こすこともあります。健康的な生活を送るためにも不眠を解消したいものですが、その際注目したいのが、不眠と便秘の関係性です。一見つながりがないように思える両者ですが、その原因や解消法には、深いつながりがあるようです。そこで今回は、便秘と不眠の関係性について解説します。

不眠を引き起こす要因とは

●睡眠のメカニズム
人間には夜になると眠くなり、朝がくると目が覚めるという睡眠のリズムが備わっています。このリズムに影響するもののひとつが、ホルモンの分泌です。というのも、夜になると「睡眠ホルモン」と呼ばれる脳内物質・メラトニンの分泌量が増えていきます。メラトニンの分泌量が増えると、脈拍・体温・血圧が低下し、身体は活動モードから休息モードへと切り替わり、深い眠りにつくと考えられています。そして朝がくるにつれて、メラトニンの分泌量は減少し、次第に身体は覚醒します。このように睡眠のリズムは、メラトニンの分泌量によってコントロールされています。このリズムが乱れると不眠が引き起こされますが、その要因は何なのでしょうか。詳しくみていきましょう。
●腸内環境が悪化し、メラトニンの不足を起こす
先に述べた通り、メラトニンは睡眠リズムに大きな影響を与えていますが、このメラトニンを作り出すのが、神経伝達物質であるセロトニンです。セロトニンは、牛乳やバナナなどに含まれる必須アミノ酸が小腸で分解されて生成されるもので、腸で生成されたセロトニンは、血液を介して脳に供給されると、その後メラトニンに変化します。つまり、メラトニンを分泌させるには、その原料であるセロトニンが必須で、さらにそれには腸がしっかりと機能していることが必要なのです。しかし腸内環境が乱れ、腸の働きが悪いと、セロトニンの生成が滞り、メラトニンも不足するため、不眠を招いてしまうのです。
●ストレスなどによる、自律神経の乱れ
不眠を引き起こすもうひとつの要因には、自律神経の乱れがあります。自律神経とは、命を維持するため、自分の意思とは関係なく、刺激や情報に反応して生理機能を調整する神経のことで、内臓を動かしたり、血液を循環させたり、脈拍を上げたり、さまざまな身体の機能をコントロールしています。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つがあります
  • ・交感神経…
    主に、仕事や家事、勉強、運動などにより、頭や体がフル稼働している日中の活動時に働きます。交感神経が優位に働くことで、心拍数が増え、筋肉は固くなり、刺激や情報にすぐに反応できる臨戦態勢が整えられます。
  • ・副交感神経…
    主に夜、休息時に働きます。副交感神経が優位に働くことで、心拍数や血圧が低下し、眠りにつく準備が整えられます。また胃腸などの消化器官は活発になり、栄養の消化・吸収、便の排出が促されます。
この2つの神経の優位性が状況に応じて入れ替わることで、生理機能のバランスが保たれています。ところが、現代人はストレスや緊張を感じやすい環境にあることから、このバランスが崩れることが少なくありません。それにより、夜になっても交感神経が優位になりやすく、不眠が引き起こされるのです。

便秘と不眠の関係性

不眠を引き起こす要因には、腸内環境の悪化と自律神経の乱れがあることが分かりましたが、実はこれらは便秘を引き起こす要因でもあります。腸内環境が乱れると、腸の働きが悪くなります。それにより便意を催しにくくなったり、便を排出しようとする腸のぜん動運動がスムーズに行われにくくなったりし、便秘が引き起こされるのです。また、自律神経の働きも便秘に大きく関係します。排便は、副交感神経が優位に働くことでスムーズに行われます。しかし、自律神経が乱れて副交感神経の働きが鈍くなると、排便が滞り、便秘になってしまうのです。
便秘の時に、体のだるさや日中の眠気を感じる人がいます。その際、便秘がそうした不調を引き起こしていると思われがちですが、実はそうではなく、便秘と睡眠には共通する要因があるのです。

共通の原因を解消し、便秘も不眠も改善

不眠を引き起こす原因と、便秘を引き起こす原因には、共通するものがあることが分かりました。1つは腸内環境の悪化、もう1つは自律神経の乱れです。共通の原因を解消すれば、不眠も便秘もすっきり解決できそうです。それぞれの解消法を知って、健やかな生活を目指しましょう。

●腸内環境の整え方
腸内環境を整えるには、2つのポイントがあります。1つは、食生活を改善し、善玉菌を増やすこと。もう1つは、働きが鈍くなった腸を刺激し、溜まった便を出すことです。それぞれにアプローチした以下の方法を実践し、腸内環境を整えましょう。
  1. ①食生活を改善し、善玉菌を活性化
    腸内環境を整えるために大切なのは、腸内細菌のバランスです。腸内細菌には、腸の働きを促す善玉菌と、腸の働きを阻害する悪玉菌がいますが、腸がしっかり機能するには、悪玉菌よりも善玉菌が多い状態が理想的と考えられています。しかし、肉や菓子類ばかりを食べるなど、偏った食生活を送っていると、悪玉菌を増やす動物性脂肪や油分、糖分を多く摂取することになってしまいます。善玉菌を増やす乳酸菌や、オリゴ糖などが含まれた食品を意識して、1日3食、規則正しく食べることを心がけましょう。
  2. ②適度な運動とマッサージで腸を刺激
    腸がしっかり働くことで、摂取した栄養の吸収・消化が活発になり、良好な腸内環境が保たれます。しかし、不規則な生活や精神的ストレスを受けると、腸の働きが悪くなることが分かっています。腸の働きが悪くなれば便の排出も滞るため、腸内に悪玉菌が増え、腸内環境が悪化してしまいます。排便を促すよう、入浴後にお腹をマッサージしたり、適度に運動したりして腸に刺激を与えましょう。
●自律神経の整え方
自律神経を整えるポイントは、働きが鈍くなりがちな副交感神経を刺激し、交感神経からの切り替えをスムーズにすることです。次の3つの方法が効果的といわれているので、試してみましょう。
  1. ①複式呼吸をする
    副交感神経を働かせるには、1対2の割合で息を吸って吐く、ヨガの呼吸法が有効といわれます。5秒かけて鼻から息を吸い、10秒かけて口から息を吐きましょう。息を吐く時、口をすぼめて、腹の底から息を出すことを意識して行うのがポイントです。これを朝・昼・夜の1日3回、1回につき5分行うとよいでしょう。
  2. ②ぬるま湯に浸かる
    交感神経が優位になっていると、体は緊張状態にあり、血流も悪くなっています。しかし、ぬるま湯に浸かって血流を促すと、体温がゆっくり上昇し、副交感神経が優位になります。なお、シャワーでは、お湯を浴びている部分は温かく感じますが、血流を促す効果は得られません。40℃程度のぬるま湯にゆっくり浸かりましょう。
  3. ③好きな香りや音楽でリラックス
    副交感神経を働かせるには、リラックスすることが大切です。好きな音楽を聴いたり、アロマを焚いて香りを楽しんだりして、リラックスできる時間を設けましょう。ぬるま湯に浸かる際に、アロマオイルを入れたり、音楽をかけたりして入浴時間を楽しむのもいいですね。

まとめ

一見、関わりがないように思える不眠と便秘。しかしどちらも、腸内環境と自律神経に左右されるため、予防法や解消法に通ずるものがあります。今回紹介した内容を参考に、日ごろの食事内容や運動量を見直し、腸内環境を整えましょう。また、不眠も便秘も、自律神経のうち副交感神経の働きが重要です。ストレスを受けやすい環境にある現代人は交感神経が優位になりやすいので、副交感神経の働きを優位にする方法を生活に取り入れるのもオススメです。

木村医師よりコメント
睡眠外来では、最低6時間以上の睡眠を確保するようにお話ししています。また、睡眠時間だけでなく睡眠の質も大切です。質の高い睡眠をしっかり取ることで日中の生活の質を確保できるだけでなく、健康的な身体を維持することにもつながります。排便コントロールは健康のバロメータであると同時に、健康を維持するためにも大切です。身体の機能はすべてつながっているので、1日の時間の1/4以上を占める睡眠時間を大切にしましょう。
監修者

医師・木村眞樹子
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科として在勤中。内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。総合内科専門医。循環器内科専門医。日本睡眠学会専門医。ビジョントレーニング指導者1級資格。

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