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VOL.42 【医師監修】便秘解消にオススメ! 「酢」パワーで健康なカラダに

昔から、健康によい調味料として知られている「酢」。近年の研究でさまざまな効能が解明されていますが、その1つに便秘の解消効果があります。それでは一体、酢のどのような成分が便秘を解消してくれるのでしょうか。今回は、酢に秘められたパワーや、オススメのレシピを紹介します。

便秘解消に効果を発揮!「酢」のパワーとは

●酢の主成分“酢酸”が便通を促す
酢は「酢酸」とよばれる酸を主成分とします。酢酸は、お酢独特の酸味や、ツンと鼻を刺す刺激臭の元となっていますが、この酸味や刺激臭は胃酸の分泌を促します。分泌された胃酸は腸を刺激するため、便を排出するぜんどう運動が活発になるといわれています。また、酢酸には胃腸の消化機能を活性化する作用もあるため、食べたものの消化を促すことでも便秘の解消にアプローチしてくれます。

●バラエティー豊かな酢の種類
酢は、原料によってさまざまな種類があります。いずれも主成分は酢酸なので、便秘解消効果は期待できますが、それぞれに香りや風味、味わいが異なります。中には酢酸以外にも便秘の解消に効果が期待できる成分を含むものもあります。以下に種類ごとの特徴を紹介するので、酢を選ぶ際の参考にしましょう。

・りんご酢
りんごが主原料。善玉菌を増やす作用のある水溶性食物繊維・アップルペクチンが豊富。

・黒酢
玄米が主原料。強いうまみ、独特の香りが特徴的。腸を刺激するクエン酸を含む。

・穀物酢
大麦や小麦、米、トウモロコシなどの穀物が原料。軽みのあるさわやかな香りが特徴的。

・米酢
精製した米が主原料。穏やかな酸味が特徴的。米のみで作られたものを純米酢という。アミノ酸やビタミン、ミネラルが豊富。

・ワインビネガー
ブドウ果汁が主原料。製造法が異なる赤と白の2種類があり、赤は風味が重厚、白はキリッとしまりのある淡泊な酸味が特徴的。

・バルサミコ酢
ブドウ果汁が主原料。ブドウ果汁を煮詰めて熟成させたもので、ワインのような芳醇な香りや、深いコクと酸味が特徴的。ポリフェノールが豊富。

便秘解消に効果的な「酢」レシピ

酢の種類ごとの特徴を踏まえて好みの酢が選べたとしても、酢をそのまま飲み続けるのはなかなか難しいものです。そこでオススメしたいのが、ひと手間加えた簡単な酢レシピです。飲み方や食べ方のバリエーションが増えることで、飽きることなく継続でき、頑固な便秘もすっきり解消できそうです。いずれも、一度に大量に摂取するのでなく、毎日コツコツ継続することが成功の秘訣。ぜひ挑戦してみてください。

●いちご酢
<材料>
・穀物酢 500ml
・イチゴ 250g
・氷砂糖 250g

<作り方>

  1. ①イチゴのへたを切り取る。
  2. ②保存容器にイチゴと氷砂糖を入れ、穀物酢を注ぐ。
  3. ③保存容器を閉め、軽く振って中身をなじませ、1~2日冷蔵庫で寝かせる。

<食べ方のポイント>
イチゴには食物繊維の一種であるペクチンが含まれているため、整腸作用があるといわれています。摂取量の目安は、1日大さじ1杯程度。そのまま飲むほか、炭酸水や牛乳で割るのもオススメ。

●バナナ酢
<材料>
・黒酢 200ml
・バナナ 1本(100g)
・黒砂糖(粉状) 100g

<作り方>

  1. ①バナナの皮をむき、厚さ1㎝程度の半月切りにする。
  2. ②切ったバナナと黒砂糖を耐熱容器に入れ、ラップをかけずに電子レンジ(500w)で40秒加熱する。
  3. ③加熱したものを保存容器に移し、黒酢を注いで冷蔵庫で1日寝かせる。

<食べ方のポイント>
バナナは善玉菌を増やす水溶性食物繊維とオリゴ糖が豊富で、腸内環境を整える効果が期待できます。大さじ1杯程度を水や炭酸水、牛乳などで割って飲んだり、ヨーグルトに混ぜたりして食べましょう。

●キャベツ酢
<材料>(1人分)
・穀物酢 500ml
・キャベツ 1/8個
・昆布 45g
・塩・コショウ 適量

<作り方>

  • ①保存容器に穀物酢500mlと昆布45gを入れて、1時間寝かせて昆布酢を作る。
  • ②キャベツ全量を幅1㎝、長さ3㎝程度にざく切りする。
  • ③キャベツをボールに移し、適量の昆布酢をかけて、キャベツ全体に行き渡るように混ぜる。
  • ④塩・コショウで味を調える。

<食べ方のポイント>
キャベツには便通を促す食物繊維が豊富なので、酢と組み合わせることでより高い便秘解消効果が期待できます。サラダの代わりに食べましょう。

●酢納豆
<材料>(1人分)
・リンゴ酢 小さじ1
・納豆 1パック

<作り方>

  1. 納豆にリンゴ酢小さじ1を入れ、しっかり混ぜる。付属のタレは使わない。

<食べ方のポイント>
納豆には善玉菌の1つである納豆菌が含まれています。1日1パックを目安に、副菜の1品としてそのまま食べましょう。酢は好みのものでよいですが、リンゴ酢には整腸作用のある食物繊維が含まれているためオススメです。

●酢たまねぎ
<材料>(1人分)
・穀物酢 大さじ5
・たまねぎ 中1個
・はちみつ 大さじ2
・塩 少々

<作り方>

  1. ①たまねぎの皮をむき、薄くスライスして15分程度、そのまま置いておく。この時、水にはさらさない。
  2. ②保存容器にたまねぎを入れ、その上から穀物酢大さじ5、はちみつ大さじ2、塩少々をふりかける。
  3. ③冷蔵庫で2、3日寝かせる。

<食べ方のポイント>
たまねぎには水溶性食物繊維が豊富で、便通を促す効果が期待できます。1日50g程度を目安に、トマトやキャベツなどと一緒にサラダにしたり、ワカメとあえて酢のものにしたりして食べましょう。

健康に欠かせない「酢」の効能

酢は便秘解消以外にも、さまざまな効能があるといわれています。以下に、代表的なものを紹介します。

・内臓脂肪を減少
内臓脂肪とは、内臓の周りについた脂肪のことです。これが過剰に溜まると、高脂血症や高血圧などの生活習慣病を引き起こす可能性があります。酢には脂肪の合成を抑制するとともに、すでに蓄えられた内臓脂肪の燃焼を促す働きがあると考えられているため、毎日摂取することで、生活習慣病の予防・改善にも役立つとされています。

・高血圧抑制
酢には血圧を上昇させるホルモンを穏やかに抑制する働きがあるため、毎日継続して摂取することで、高血圧の改善が期待できます。また、高血圧の要因の1つに、塩分の摂り過ぎがありますが、酢の酸味は塩味を引き立てるため、酢を料理に使用することで減塩にもつながり、高血圧の予防になります。

・ガン抑制
黒酢のエキスには、ガン細胞の増殖を抑制する働きがあるといわれています。

・食欲増進
酢の酸味には唾液の分泌を促し、食欲を増進させる効果があると考えられています。疲れや夏バテなどで食欲が減退している時には、酢を使った料理がオススメです。

・血中脂質低下
酢には高い血中脂質を低下させる働きがあると考えられています。血中脂質が高い状態が続くと動脈硬化が引き起こされ、心筋梗塞や狭心症などの発症リスクが高くなるため、酢を毎日摂取することで、こうした疾患の予防にもつながると期待されています。

・疲労回復
酢は糖と一緒に摂取することで、活動時に必要なエネルギーを素早く補給する働きがあります。活発に体を動かすと筋肉疲労が起こりますが、この際に、酢と糖を一緒に摂取することで、疲労からの回復が早くなると考えられています。また、酢には血行促進作用もあるため、眼精疲労や肩こりの軽減も期待できます。

・二日酔いの軽減
酢には肝臓の働きを促す効果が期待できます。お酒を飲む際に酢を使った料理を食べることで、肝臓でのアルコールの分解が促進されることから、翌日の二日酔いが軽減されると考えられています。

・美肌効果
美肌づくりには、肌のハリやツヤを保ち、シミやシワを防いでくれるビタミンCの摂取が効果的といわれています。酢はビタミンCを破壊する酵素の働きを抑制するため、ビタミンCと一緒に摂取することで、より高い美肌効果が得られると考えられています。

まとめ

便秘の解消をはじめ、酢にはさまざまな効能が期待できることがわかりました。ただし、その恩恵にあやかるには、継続して摂取することが大切です。今回紹介したレシピを参考に、食べ方や飲み方を工夫して、毎日コツコツ摂取しましょう。


木村医師よりコメント
身体にいいとわかっている食材でも、なかなか続けるのは難しいものです。酢は便秘の解消だけでなく、うれしい効能がたくさんあります。今回ご紹介したレシピを参考に、好みの風味の酢を探してみてはいかがでしょう?医食同源という言葉があるように、バランスのとれた食事を摂ると、健康な身体を作ることができます。おいしいものを食べて飲んで、病気にならない強い身体を作ってください。
監修者

医師・木村眞樹子
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科として在勤中。内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。総合内科専門医。循環器内科専門医。日本睡眠学会専門医。ビジョントレーニング指導者1級資格。

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