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VOL.45 【医師監修】便秘になったら梅干しが効果的? オススメの食べ方を紹介

日本人の食卓に欠かせない梅干しは、古くは薬として用いられており、その優れた効果から“医者いらず”と呼ばれていました。1粒にさまざまな効能が秘められていますが、その1つとして、便秘の解消も期待できるようです。そこで今回は、梅干しがどのように便秘解消に効果を発揮するのか、その成分や食べ方について解説します。

便秘解消に効果が期待できる梅干しの成分と働き

梅干しには便秘解消に効果のある、さまざまな成分が含まれています。まずはどの成分が、どのような効果を発揮してくれるのか、詳しくみていきましょう。

・クエン酸
梅干しの酸味成分であるクエン酸は、腸の働きを阻害する悪玉菌の増殖を抑える作用や、腸を刺激し、便を排出させるぜんどう運動を促す働きがあります。
・カテキン酸
抗菌・滅菌作用をもつカテキン酸には、悪玉菌などの増殖を抑える働きがあると考えられています。これにより腸内環境が整えられるので、腸を活発に働かせる効果が期待できます。
・植物性乳酸菌
梅干しに含まれる植物性乳酸菌は、腸の活動をよくする善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やす働きがあります。胃酸に強く、生きたままの状態で腸まで届く成分であるため、より優れた整腸作用が期待できます。
・マグネシウム
マグネシウムは一緒に摂取した食べ物が腸に届いて便になる時、腸管から水分を吸収して便の水分量を増やし、排出しやすい柔らかな状態へ整えてくれる働きがあります。しかも、水分を含んでカサを増した便は、腸を刺激してぜんどう運動を促すため、より排便がスムーズに行われると考えられています。

上述の通り梅干しは、便秘解消に効果が期待できるさまざまな成分をまとめて摂取できる食品です。特に、腸のぜんどう運動を促すクエン酸が豊富で、少量の摂取でも高い効果が得られると考えられています。摂取量の目安としては、大粒の梅干しならば1日1、2個程度で十分です。ただし即効性はないため、毎日継続して摂取しましょう。
なお、便秘が続き、できるだけ早くすっきりさせたい人には、梅干しと便秘の解消に有効といわれる食品を一緒に摂取する食べ方がオススメです。続いてその方法やポイントを紹介するので、ぜひ実践してみてください。

便秘解消に効果てきめん!梅干しの食べ方は?

便秘の解消に優れた効果を発揮すると注目を集めているのが、「梅流し」と「梅干し×ヨーグルト」です。それぞれの特徴と、作り方や食べ方などについて解説します。

●梅流し
梅流しとは、大根と梅干しを煮て、煮汁ごと残さず食べることで胃腸の働きを促す食事療法です。そもそも大根には、便を柔らかくする水分をはじめ、便のカサを増す食物繊維、胃腸の働きを助ける消化酵素、善玉菌を増やすビタミンCが含まれており、便秘解消に効果が期待できる食材として知られています。こうした2つの食材を組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
<材料>(1人分)
・大根1/2本
・梅干し(中ぐらいの大きさ)2、3個
・だし用昆布15g
・水1.5L
<作り方>
  1. 昆布の表面についた汚れを、固く絞った布巾で拭き取る。
  2. 保存容器に昆布と水を入れ、冷蔵庫で半日寝かせる。時間のない時は30分程度でもOK。
  3. 昆布と水を鍋に移して中火にかける。煮立つ前に昆布を取り出す。
  4. 大根の皮をむき、厚さ2センチ程度の輪切りにする。
  5. ③の鍋に大根を入れ、柔らかくなるまで中火で煮る。
  6. 大根に竹串がすっと入る程度に柔らかくなったら、梅干しの実をほぐしながら入れ、さらに5分煮る。
<食べ方>
  1. 煮汁を大き目の茶わんいっぱいに入れ、ゆっくり飲み干す。
  2. 大根と梅干しを食べつつ、煮汁を飲む。
  3. 鍋が空になるまで①②を繰り返す。大根は、好みでみそを付けて食べてもよい。
<食べる時の注意点>
梅流しの効果を最大限得るには、空腹のタイミングで行うことがポイントです。夕食を抜いた翌朝の朝食や、朝食・昼食をいつも通りに食べた日の夕食の代わりに梅流しを行うとよいでしょう。効果の早い人では、食べている最中から便意を催します。また梅流しを行った日は、1日のうちに何度も便意を催すため、予定のない日にゆっくり行いましょう。
●ヨーグルト+梅干し
発酵食品には、善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やす作用のある乳酸菌が豊富に含まれているため、腸内環境を整える効果が期待できます。さらに梅干しには、悪玉菌の増殖を抑えるクエン酸も豊富に含まれているため、ヨーグルトと一緒に摂取することで善玉菌の働きをより活発にしてくれます。
<材料>(1人分)
・プレーンヨーグルト 100g
・梅干し(中ぐらいの大きさ)2、3個
・はちみつ 大さじ1
<作り方>
  1. ヨーグルトに梅干し、はちみつを入れる。
  2. 梅干しをつぶしながら、はちみつと一緒に混ぜ合わせる。
<食べ方>
梅干しとヨーグルトの組み合わせが口に合わない場合は、青梅と氷砂糖を一緒に漬けた梅シロップでも代用できます。この場合、甘みは十分にあるため、はちみつはいりません。適量をヨーグルトに混ぜて食べましょう。

便秘以外にも効果を発揮! 梅干しの力

梅干しには便秘解消以外にも、さまざまな効果があることがわかっています。梅干しの力を知れば知るほど、毎日食べたくなるはず。代表的な効果は以下の通りです。この機会に理解を深め、梅干しの健康促進パワーをフル活用しましょう。

・抗酸化作用
人間は生きているだけで、体内に活性酸素が発生します。活性酸素の量が過剰に増えると、がんや生活習慣病といった、さまざまな病気のリスクが高まります。これらの病気を防ぐには、活性酸素を抑制する「抗酸化力」が必要ですが、梅干しにはこの活性酸素の除去・抑制に働くポリフェノールやクエン酸が含まれているため、摂取することで抗酸化作用が得られると考えられています。
・動脈硬化予防
血液の流れが悪くなると血管が詰まったり、硬くなったりします。これを動脈硬化といい、動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる疾患を引き起こすリスクが高まります。動脈硬化の原因となる物質には乳酸やコレステロールがありますが、梅干しに含まれるクエン酸には、これらの排出を促す働きがあると考えられているため、動脈硬化予防に有効といわれています。
・食中毒予防
梅干しには、抗菌・滅菌作用のあるカテキン酸が含まれており、食中毒を引き起こすサルモネラ菌や黄色ブドウ球菌などの細菌を抑制する働きがあります。
・骨粗しょう症の予防
梅干しに含まれるマグネシウムは、カルシウムの吸収を促す働きがあります。乳製品や小魚などカルシウムを豊富に含む食べ物と一緒に梅干しを摂取することで、カルシウムの吸収率を高め、骨を強くしてくれると考えられています。
・血液サラサラ
梅干しを加熱すると、ムメフラールという物質が発生します。この物質は血液をサラサラにする作用があるため、血管の詰まりを解消して、脳梗塞や心筋梗塞といった疾患の予防に効果が期待できます。
・鎮痛効果
梅干しには、解熱鎮痛薬であるアスピリンと同様の効能をもつ成分が含まれているため、鎮痛効果が期待できます。この効果は梅干しの匂い成分に含まれているため、頭痛の際は梅ぼしの香りを嗅ぐと痛みが緩和されると考えられています。

まとめ

身近な食べ物である梅干しを摂取することで、便秘の解消が期待できることがわかりました。気が向いたときにぱくっと食べられる手軽さもうれしいですよね。今回紹介した梅流しや、ヨーグルトと組み合わせた食べ方は、ほかの食品の便秘解消効果もプラスされ、より高い効果が期待できます。ぜひ一度試してみてくださいね。

木村医師よりコメント
日本でよく知られる代表的な伝統的保存食「梅干し」。断食後の回復食として梅流しを行う方法も知られています。便を出しやすくするため、普段でも便秘の解消に役立つかもしれません。毎食何個も食べることはお勧めできませんが、梅干しには身体に良い影響があることも確かです。
減塩に漬物は向きませんが、以前とくらべて塩分量が少ないものも増えています。日々の献立に取り入れてはいかがでしょうか。
監修者

医師・木村眞樹子
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科として在勤中。内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。総合内科専門医。循環器内科専門医。日本睡眠学会専門医。ビジョントレーニング指導者1級資格。

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