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VOL.61 【医師監修】血糖値高めは便秘の一因になる?おすすめ食品と改善方法も解説

血糖値が上がると、便秘や下痢を繰り返すことがあります。この記事では、血糖値が上がる仕組みをはじめ、血糖値を上げにくい食品や、血糖値の改善方法などについて解説します。

血糖値が上がる仕組みは?

私たちは食物から栄養を摂り生命を維持しています。食物の中で、ご飯やパン・果物などの炭水化物は、体を動かすエネルギー源となります。

炭水化物はそのほとんどが消化によってブドウ糖となり、小腸から吸収されて血液の中に入るため、食後は血液中のブドウ糖の量(血糖値)は高くなり、運動した時は筋肉でブドウ糖が使われるため血糖値は下がります。健康な人は血糖値が上がると、その変化を膵臓が感知してインスリンというホルモンを分泌し、血糖値は適度な範囲にコントロールされています。

血糖値が上がると糖尿病や便秘のリスクも

インスリンの分泌や働きに障害があると、血液中のブドウ糖濃度が高い状態(高血糖)が続き、糖尿病にかかりやすくなります。

血液中に増えすぎたブドウ糖は、やがて脂肪分などと結びついて血管の内壁に付着し、血液を流れにくくしたり、血管を詰まらせたりする原因になります。進行すると、全身の血管はさらに傷ついて、腎症や動脈硬化などさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。

また、高血糖の状態が続くと、ブドウ糖がうまく利用されずに別の物質に変えられ、自律神経が障害され、胃のもたれ、頑固な便秘、下痢、立ちくらみ、尿の出が悪い、勃起障害(ED)などの症状が出ることもあります。大腸に腫瘍があれば、便秘や下痢を繰り返すことがあります。

血糖値を上げにくくする&便秘解消には食物繊維がおすすめ

タンパク質、糖質、脂質などは胃、十二指腸、小腸を通過する過程で消化・吸収されていきますが、食物繊維は消化されないまま通過し、大腸に送り込まれます。

したがって、食べた物に食物繊維が豊富に含まれていると、便のカサが増えることになります。食物繊維自体の量に加えて、食物繊維が保水性を持つため、水分も保たれるからです。カサが多いことで腸が刺激され、大腸の蠕動運動が活発になり、スムーズな排便につながります。また、食物繊維は食後の急激な血糖値の上昇を抑制する効果にも期待できます。

血糖値に影響を与える食べ物は?

糖尿病予防のために、まず心掛けたいのは食べすぎないことです。食べすぎるとインスリンが大量のブドウ糖を処理しきれず、血糖値が下がりにくくなります。

1日の適正な摂取エネルギーは活動量や運動量によっても違いますが、中高年の場合、男性は2,000kcal、女性は1,600kcalが目安です。また糖質、タンパク質、脂質をバランス良く摂ることも大切。特に脂質はインスリンの働きを妨げるので、摂りすぎは禁物です。下記で血糖値に影響を与えると考えられる食べ物を紹介します。

●血糖値を上げやすくする食品
お菓子や果物、ジュース、ジャム、菓子パンなどには砂糖が多く含まれており、血糖を急激に上昇させます。これらも血糖値が高い方には好ましくない食品です。できるだけ摂らないようにしましょう。甘味が必要な場合には人工甘味料を用いると良いです。
また、アルコールには食欲増進作用があり、自己抑制ができなくなるため、つい食べすぎ、飲みすぎになります。血糖のコントロールを乱す原因になるため、飲みすぎないようにしましょう。
●血糖値を上げにくい食品
穀物や野菜には食物繊維が多く含まれ、食物の消化吸収をゆっくりとさせる効果があります。同じ穀物類でも消化吸収が早いものと遅いものがあります。白米や白い食パンの糖分は早く吸収されますが、玄米や麦ごはんのように食物繊維が多いと、その食物の糖分の吸収が遅くなり、血糖値の急激な上昇を抑えられます。
野菜、海藻、きのこ類は血糖値を下げる働きだけでなく、空腹感を抑える効果もあるので、うまく活用しましょう。

便秘の解消方法

便秘の治療は食事や運動、排便習慣を見直して、改善するのが基本となります。食事は血糖値の上昇も防ぐ効果が期待できるため、便秘にも有効とされる食物繊維を意識的に摂取するように心掛け、朝食は必ず摂るようにしましょう。

また、適度な運動はストレスの解消や腸の蠕動運動を高めるのに役立ちます。排便は適切な姿勢で行い、便意を我慢しないことも大切です。

これらの生活習慣で十分な効果が得られない場合には、薬による治療が行われることもあります。最も使われるのは「酸化マグネシウム」です。便の水分を増やし、便を軟らかくすることで、排便しやすくする薬です。

血糖値が原因の便秘には食物繊維!規則正しい生活も心がけよう

血糖値が高いと、便秘だけでなくさまざまな症状を引き起こす可能性があります。食べ物に注意し、血糖値を上げないようにすることが大切です。また便秘が気になる場合は、食物繊維と水分を意識的に摂り、規則正しい生活と適度な運動などを心がけましょう。

工藤医師よりコメント
血糖値が高めで、かつ便秘もち…そんな方は是非積極的に食物繊維が豊富な食事を意識してみて下さい。食後の急激な血糖の上昇が抑えられ、便秘も同時に解消されます。
監修者

医師:工藤孝文
内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。
現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科で地域医療に力を注いでいる
専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。
テレビ・ラジオなどのメディアでは、ジャンルを問わず様々な医療の最新情報を発信している。
NHK「ガッテン!」では、2018年度の最高視聴率を獲得した。
著書は15万部突破のベストセラー「やせる出汁」をはじめ、50冊以上に及ぶ。
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。

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