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VOL.62 【医師監修】便秘解消に期待できるマッサージやツボ押しを紹介

長年、便秘に悩む人の多くは、腸の働きが鈍くなっています。そこで、便秘を解消するには体の外から腸を刺激して、その働きを活発にする方法が最も近道です。ここでは即効的な効果が期待できるマッサージやツボ押しについて紹介します。

便秘解消をめざせるマッサージ

マッサージはいつでも簡単にできる効果的な方法です。特にお腹のマッサージは、直接、腸を刺激して蠕動運動を促し、便意を起こさせてくれます。便秘解消を目指せるマッサージの手順を下記で詳しく紹介します。

マッサージはどれも簡単なものばかりですが、内臓に働きかけるものなので、注意が必要な場合があります。腰が悪い人、お腹に腫瘍や動脈瘤などの病気がある人、あるいは妊娠中の女性は悪影響を及ぼす恐れがあります。このような人は、必ず主治医に相談してください。

●直接腸を刺激して便秘解消をめざす!腸もみマッサージ
お腹をもむマッサージは、便秘解消に有効でしょう。次のような「腸もみマッサージ」は、いつでもどこでも行えて良い方法です。

両手の指を開き、腰をつかむようにしてウエストの両脇に当てます。お腹に当たる側の指でやや強めに押しながら、手を上下に少しずつ移動させます。これを5往復ほど繰り返します。

次に、両方の手の指を揃え、おへそから3cmほど左横に当てます。そこから、おへその右横まで、浅い「U」の字を描くように指先で押していきます。これを3周ほど繰り返します。

●座ってできる簡単マッサージ
座ってできる簡単なマッサージは、デスクワークの少しの休憩時間でもできます。大腸のS状結腸のある所を上からマッサージすると、便秘解消が期待できます。

まず、左の腰骨を探して下さい。骨が出っ張った所がありますが、それが腰骨です。この腰骨よりもやや内側で、さらに下に下がった所に、S状結腸があります。左の下腹部を指で揃えて、押しながら探ってみて下さい。便秘をしていると、この部分が少し硬くなっているので、指で探っていくとすぐにわかります。

位置が確認できたら、マッサージをしていきましょう。S状結腸の所に左手の指を揃え、指と手の平が直角になるように曲げておきます。その上から、同じように右手も重ねておきます。指の先に力を入れて、10回程度押します。

ここから、今度は少し斜め下の方へ、強く押しながら、下がってみましょう。その位置から、逆に強く押しながら元に戻ります。これを10回ほど往復します。

●便秘に悩みがちな妊婦さんや高齢者でもできる「の」の字マッサージ
腸の流れにそって「の」の字にマッサージを行います。両手を重ねて下腹部に置き、圧をかけるようにやや強めに押します。

「の」の字を描くように時計回りのマッサージをすると効果的なのは、腸の蠕動運動を促すことができるからです。反対回りだと腸の動きと逆行してしまうため効果的ではありません。右下脇腹を出発点にあばら骨の下を通り、左下脇腹というルートをイメージしましょう。

マッサージをする際には、腸が冷えないように服の上からか、肌に直に当てるなら手を温めてから行いましょう。

便秘の方におすすめの就寝前ストレッチ

続いてご紹介するのは、就寝前にできるストレッチの方法です。

まずは立ったまま両手を頭上に上げ、手のひらをあわせます。ゆっくり3秒で息を吸いながら、左に傾け、わき腹をストレッチさせます。9秒で吐きながら、わきが伸びるように右に傾きます。これを繰り返します。

目安は3分。まずは何も考えず、わかめの気持ちになって横にゆらゆらと体を動かしてみて下さい。寝る前に心身ともにリラックスさせることで、腸のリズムが正常化するといわれています。

マッサージができないときは、便秘解消が期待できるツボ押し

東洋医学では、人の体には体の情報が現れるポイントが存在していると考え、その場所をツボと呼びます。ツボはいろいろな神経が交わる場所にあり、刺激することでツボとつながっている器官の不調を改善することができると考えられています。以下では、便秘解消に効果があると言われているツボを紹介します。

●手のひらのツボ
親指と人差し指の間の「合谷(ごうこく)」、手首の「神門(しんもん)」は、いずれも便意を起こさせる効果のあるツボです。息を吐きながら力を加えると効果が増します。

合谷は、人差し指の付け根の関節と手首の関節の中間で、人差し指の側面にあります。

神門は、手首の太いすじのある所で小指側の側面。骨とすじの間の窪みの所で、押すと痛み(圧痛)があります。

●足のツボ
ひざの上に手をのせたとき、中指の先にあたるところが「足三里(あしさんり)」。内くるぶしから指4本分上の骨のすぐ後ろわき、ここが「三陰交(さんいんこう)」。お腹がはって不快なときに、親指で押し込むように刺激しましょう。

また、食生活のバランスが崩れている場合に、第2趾の裏を指で強く押すと、左右のどちらかに痛みを感じます。この部分を刺激するとともに、バランスの良い食事に切り替えましょう。

朝食前に親指と人差し指で、柔らかくなるまで揉みほぐします。ツボの位置には個人差があるので、上下左右にずらしながら、「痛いけれども気持ちよく感じる」あたりを刺激して下さい。

マッサージ以外の便秘解消方法

ここまでマッサージやツボ押しの方法を紹介してきましたが、便秘解消の基本は「食生活を整えること」です。朝食を抜いたり、不規則な時間に食事をしたりする習慣を改めましょう。

改善のためには食物繊維の豊富な食べ物や、水分を適度に摂りましょう。朝起きた時に、真っ先に水や牛乳を飲むことも効果があると言われています。

また、ウォーキングは手軽に行える有酸素運動で、心肺機能の維持には良いので取り入れましょう。運動はストレス解消の効果も期待できるので、ぜひ気長に取り組んでください。

時間が取れない場合は、仰向けになって両足を上げる運動を繰り返すだけでも効果が期待できます。床に仰向けになり、両手で腰を上に押しながら、腰と足を上げていきます。足を大きく動かして、腸に刺激を与えることが大切です。

そして、精神的なゆとりを持つことも大切です。仕事や家庭内のストレスを自分の中にため込んでおかないこと。友人との会話を楽しむ、音楽を聴くなど、自分なりのストレス発散法を見つけましょう。

便秘解消をめざすならマッサージと生活改善も!

便秘の治療はあくまでも食事と生活の改善が基本です。まず、きちんと食事を摂ること、食物繊維の多い食品や、水分を適度に摂ること、排便を習慣づけること、さらに適度な運動を心掛ける、指圧やマッサージなどで便秘に効くツボを刺激する、などを行いましょう。

それでも便秘が解消されない場合は、便秘薬の使用を考えましょう。便秘薬にもいろいろあり、人によって合うものと、合わないものがあるので、専門家のアドバイスを受けた方がよいでしょう。

工藤医師よりコメント
腸もみマッサージは必ずしもすぐに効果が現われる訳ではありませんが、継続することで徐々に効き目が良くなってきます。より効果を高めるためには食事や運動などの生活習慣を整えることも大切です。
監修者

医師:工藤孝文
内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。
現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科で地域医療に力を注いでいる。
専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。
テレビ・ラジオなどのメディアでは、ジャンルを問わず様々な医療の最新情報を発信している。
NHK「ガッテン!」では、2018年度の最高視聴率を獲得した。
著書は15万部突破のベストセラー「やせる出汁」をはじめ、50冊以上に及ぶ。
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。

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POINT 1 お腹が痛くなるにくい。 POINT 1 お腹が痛くなるにくい。
POINT 2 クセになりにくい。 POINT 2 クセになりにくい。