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VOL.70 【医師監修】便秘と腹筋の関係を解説!効果的な運動を取り入れよう

便秘の原因はさまざまですが、その中の1つとして「腹筋の筋力低下」が挙げられるでしょう。とくに女性は腹筋の力が弱いことが多く、便を押し出せずに便秘になってしまうことがあります。

また、筋力は高齢になると衰えるため、年齢を重ねることでも便秘になりやすくなります。この記事では、腹筋低下による便秘を予防するために、腹筋を鍛える方法をいくつか紹介します。腹筋強化以外の便秘予防法も紹介するので、ぜひ参考にしてすっきりとした毎日をお過ごしください。

便秘と腹筋はどのように関係している?

便秘はさまざまな原因が絡み合って起こります。例えば食事を極端に減らすダイエットをすると、便の材料にもなる食物繊維の量が減ってしまい、便秘になることがあります。

また、女性は生理前に黄体ホルモンの分泌量が増えますが、黄体ホルモンには大腸の蠕動(ぜんどう)運動を抑制する働きがあるため、便秘になりやすくなることがあります。

そして、腹筋の筋力低下も便秘の原因の1つです。便秘にはいくつか種類がありますが、その中でももっとも日本人に多いとされる「弛緩性便秘」の原因になると言われています。

弛緩性便秘とは大腸の蠕動運動が低下することによる便秘で、腸内に便が滞在する時間が長く、水分が大腸に吸収されて便が固くなります。

腹筋の筋力が低下すると、いきむ力が弱くなり、便を押し出すことができず、腸内に便が留まって弛緩性便秘になることがあります。とくに女性は男性に比べて腹筋の力が弱いため、弛緩性便秘になりやすいです。

また、腹筋は年齢によっても衰えるので、高齢者も弛緩性便秘になりやすいと言えるでしょう。

便秘改善を目指すには腹筋運動がおすすめ

便秘改善を目指すなら、適度な運動で腹筋を鍛えることが必要です。とくに弛緩性便秘の場合は、腹筋の力があると便を押し出しやすくなり、便秘状態の解消につながります。

また、腹筋を動かすことで腸に刺激を与え、大腸の蠕動運動も活発になります。大腸の動きが活発になると、便意を促して便秘解消につながるでしょう。

便秘改善の効果が期待できる腹筋の鍛え方

腹筋を鍛えるのは難しくはありません。毎日わずか数分のエクササイズで、腹筋を鍛えて便秘解消を目指すことができます。腹筋を鍛えるおすすめの方法を3つ紹介します。

●つま先のぞき(両足上げ)
まずは床にヨガマットなどを敷き、あお向けに寝転がりましょう。両手を首の後ろで組んで、頭を支えるように上半身を起こしていきます。

つま先をのぞき込む姿勢になったら、その場で30秒静止します。ゆっくりと上半身を元のあお向け状態に戻し、少し休みましょう。5~10回を1セットとして、時間が空いているときに続けてください。

少し強度を上げたい方は、あお向けの姿勢から脚を持ち上げ、脚の付け根とひざが90度になるように曲げてください。その姿勢で両手を首の後ろで組み、つま先をのぞき込む程度に上半身を起こします。後は同様に30秒静止し、元の姿勢に戻して、5~10回を1セットとして続けます。

●バタ足
次はうつぶせで寝てください。両腕を組んで額の下に置き、脚はまっすぐに伸ばしましょう。ひざを曲げないように意識して、ゆっくりと大きくバタ足をします。30回繰り返してください。

強度を上げたい方は、バタ足のスピードをゆっくり、振り幅を大きくするように意識してみてください。ひざを曲げないでお腹から脚をまっすぐ伸ばすイメージで動かしていきましょう。

●腰ひねり動作
床に寝転がってゆっくりと運動する時間がない方は、立ったままできる腰ひねり動作がおすすめです。肩幅程度に足を開き、肩や腕の力を抜いて、ゆっくりと腰を左右にひねっていきましょう。

腰をひねる動作には、腹筋を鍛えるだけでなく、腸を刺激し、排便を促す効果も期待できます。肩を左右にひねるのではなく、お腹からゆっくりと体をひねっていきましょう。

なお、いずれのエクササイズも、毎日続けることが大切です。1週間分をまとめて長時間エクササイズしても、便秘解消などの効果はあまり期待できません。少しずつでも毎日腹筋を鍛えるエクササイズに取り組むようにしましょう。

全身運動やマッサージを取り入れるのもおすすめ

腹筋だけでなく、無理をしない程度に全身運動やマッサージを取り入れることでも便秘解消を目指すことができます。

例えばジョギングやウォーキング、水泳、ヨガなどは、身体にあまり負担をかけずに全身を動かすことが可能です。毎日少しずつでも続け、運動習慣を身につけていきましょう。

また、身体の外側から腸をマッサージすることも、便秘解消につながることがあります。お腹に大きく時計回りで「の」の字を書くようにゆっくりとマッサージしてみましょう。腹部に少し圧力をかけるようにやや強めに押すと、大腸の蠕動運動を促すことができます。

腹筋運動を取り入れて便秘改善を目指そう!

便秘にはさまざまな原因があります。腹筋の筋力が低下していることも、便秘の原因になります。とくに女性や高齢者は腹筋が弱い傾向にあるので、適度に腹筋を鍛えることで便秘解消につなげていきましょう。腹筋を鍛えるエクササイズを毎日少しずつでも続けてください。

また、腹筋運動以外にも全身運動やマッサージを取り入れることもできます。運動に加えてバランスの良い食事やストレス発散なども大切です。食物繊維がたっぷりと含まれた食事を摂り、健康な食生活を目指しましょう。

それでも便秘になった場合は、酸化マグネシウムの便秘薬を取り入れることもおすすめです。非刺激性なのでお腹が痛くなりにくく、また、腸本来の働きをサポートするのでクセになりにくいという特徴があります。運動やお薬を上手に活用して、便秘を解消しましょう。

白畑先生よりコメント
便秘は男性 2.5%、女性 4.6%で、20 ~ 60歳では圧倒的に女性が多くなりたくさんの方が悩む病気です。便秘は様々な要因に起因しますが、今回紹介した自宅で簡単に安価にできる、腹筋を効果的に鍛える方法をぜひ毎日の生活に取り入れ、便秘予防に取り組んでいきましょう。
監修者

医師:白畑敦
昭和大学医学部を卒業後、昭和大学藤が丘病院、市中病院で消化器外科医として勤務。大腸肛門病疾患でも研鑽を積み、2017年しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開設。大腸疾患(内視鏡治療・便秘治療・炎症性腸疾患など)・肛門疾患(痔核手術・便失禁治療など)を専門分野として診療。

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