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VOL.75 【医師監修】便秘は体を温めると解消する?期待できる効果とやり方を解説

便が出にくいだけでなく、腹部の違和感や腹痛など辛い症状を伴う便秘…。ご自宅でも簡単にできる「体を温める」方法で、便秘の改善が期待できることがあります。

蒸しタオルやドラッグストアで販売されている温熱シートで手軽に行えるので、試してみてはいかがでしょうか。

今回は、なぜ体を温めることで便秘に効果があると言われているのかを解説します。さらに、効果的な温め方なども紹介します。

体を温めることによる便秘への効果は?

腰背部やお腹を温めると腸のぜん動運動が促進し、慢性的な便秘にも効果があると言われています。また、自然に便通を促す効果も期待できます。

使うアイテムによっては、家庭でも手軽にご自身で行えますが、やけどの恐れもあるため十分に注意する必要があります。

体を温める方法の具体例

腰背部やお腹を温めるには、湯たんぽのように湿気を含まない熱源で温める方法や、蒸気温熱シートや蒸しタオルなど、湿気を含む熱源で温める方法などがあります。

体を温めると、温度により刺激を与えるため、使い方を誤るとやけどなどを起こす可能性があります。腰背部やお腹を温める前に使用する道具が熱くなりすぎていないかをしっかりと確認してから行うようにしてください。

道具が過度に熱くなっていなくても、長時間触れることで低温やけどを起こす可能性があるので、こまめに確認するようにしましょう。

とくに、皮膚の感覚が鈍っていたり、麻痺していたり、むくみがある方は、熱すぎることに気づきにくい場合があるので注意が必要です。

また、出血傾向にある方、消化管穿孔の恐れがある方、体が衰弱している方などは、温めることを控えた方が良いと言われています。ほかにも、体の状態を悪化させることにならないか、事前の確認も非常に大切です。

●体を温める方法① 湯たんぽ
体を温める代表的なアイテムが湯たんぽです。湯たんぽを使うときは、低温火傷の恐れがあるので細心の注意が必要です。湯たんぽの材質にもよりますが、カバーやタオルで包んで使用するようにしてください。

湯たんぽには、60℃くらいのお湯を2/3ほど入れ、温めたい箇所から10cm以上離して使うようにします。10cm以上離していても、熱すぎると感じる場合はやけどをする可能性があるので、使用を一時中断して湯たんぽの温度を調整してください。

温める前は、湯たんぽにお湯を入れたときに水が漏れていないかを確認し、使用中も定期的に水漏れの有無を確認するようにしましょう。

また、ゴム製の湯たんぽを使うときは、空気が膨張して水漏れの原因になる場合があるので、お湯を入れるときに空気を抜いて使用してください。

●体を温める方法② 電気毛布
体全体を温められる道具の1つが電気毛布です。電気毛布は、広範囲を温められます。

しかし、ペースメーカーや生体モニターをつけている場合は、電気が機器に影響する可能性がありますので、使用しないようにしてください。

●体を温める方法③温熱シート
貼るだけで行える手軽なアイテムが温熱シートです。温熱シートは、ドラッグストアなどでも販売されているため、ご自宅などで行う際にも適しているアイテムです。

温熱シートを使う場合は、箱や外装などに記載されている使用方法や、使用上の注意に従うようにしてください。

なお、温熱シートを何度も貼り直すと、粘着力が落ちてしっかり貼れなくなる場合があります。また、温熱シートは熱くなるので、かゆみが出る場合や痛みを感じる場合は使用をすぐ中止するようにしてください。

●体を温める方法④蒸しタオル
体を温める方法のなかでも、実践しやすいアイテムが蒸しタオルです。タオルはご自宅にあるものなので、コストもかからず気軽に行えてとても便利です。

まずフェイスタオルを1枚用意します。それを濡らして軽くしぼり、60℃くらいに温めビニールに入れて腰に当てます。

お湯にタオルを浸して蒸しタオルをつくる場合は、十分にやけどに注意しながらタオルをしぼるようにしてください。

蒸しタオルを使う場合は、寝具やバスタオルを挟む場合30分程度、直接肌に当てる場合10分程度温めたい箇所に行います。

また、濡れタオルを電子レンジで温める場合は、熱くなりすぎないように注意しながら600Wで40秒~1分程度温めます。

蒸しタオルは、温めた直後は熱くなっているものの、その後温度が急激に下がってしまうので、うっかり体を冷やさないように気を付けましょう。

どの方法でも、腰に当てる前に熱くなりすぎていないか確認してから使うようにし、タオルを温める際もやけどには十分注意してください。

●体を温める方法⑤ホットパック
ホットパックとは、ゲル状の物質が入ったものや熱線が入ったものをパック状にしたものの総称です。

電子レンジで温めるタイプのものやコンセントにつないで使用するものなどがあり、ネットショッピングでも手軽に購入できます。

ホットパックは商品によって使用方法が異なるため、よく確認してから使いましょう。また、長時間使用したり、温めすぎたりするとやけどをする可能性があるので注意してください。

体を温めることを意識しながら便秘解消をめざそう

体を温めると、腸のぜん動運動を活発にする効果が期待できるため、便秘に悩む方におすすめです。

体を温めるにはさまざまな方法がありますが、どんなものを使用する場合も、やけどに十分気をつけながら便秘解消をめざしましょう。

継続して体を温めてもなかなか便秘が解消しないときは、一度医療機関を受診してください。

白畑先生よりコメント
便秘に悩む方は体を温めてぜん動運動を活発にしましょう。自分に合ったやり方を毎日の生活に取り入れ便秘予防に取り組んでいきましょう。
監修者

医師:白畑敦
昭和大学医学部を卒業後、昭和大学藤が丘病院、市中病院で消化器外科医として勤務。大腸肛門病疾患でも研鑽を積み、2017年しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開設。大腸疾患(内視鏡治療・便秘治療・炎症性腸疾患など)・肛門疾患(痔核手術・便失禁治療など)を専門分野として診療。

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