知って得する! 腸活コラム 知って得する! 腸活コラム

VOL.77 【医師監修】便秘で背中が痛い!原因や排便を促すポイントを紹介

便秘になるとさまざまな不快感を伴います。腹痛や腹部膨満感のほか、「背中の痛みも便秘が原因となっているのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、便秘と背中の痛みの関係について詳しく紹介します。「背中の痛みの要因はなにか」、「便秘が背中の痛みと関係しているのではないか」と不安に感じている方は、記事で紹介する「いくつかの可能性」を参考に、生活習慣の見直しや医療機関への受診を検討してください。

便秘で背中が痛くなることはある?

便秘になると腸内がガスで圧迫され、背中や腰が痛む可能性があります。便秘が必ずしも背中の痛みと直結しているとは言い切れませんが、便秘による不快感や症状によって背中が痛く感じることがあるようです。

医学的に「便秘になると背中が痛む」といった証明はされていませんが、ガスが溜まるなどの腸内環境の変化も痛みの要因の1つとして考えられるでしょう。

「便秘が解消すると肩こりも同時に解消された」といった情報がありますが、これは便秘による自律神経の乱れが改善されたことにより排便が促されたことが1つの可能性として考えられています。

また、便秘になると腸内に老廃物が溜まり有害物質が発生します。発生した有害物質が血流を介して全身を巡ることで、肩こりなどの不快な症状となって現れるため、背中も同じような原因で痛みを生じている可能性があるかもしれません。

便秘が背中の痛みの原因とは断定できないため、1つの要因として考える程度に留めておきましょう。

便秘以外で考えられる背中の痛みの原因とは

ケガや病気が背中の痛みの原因となっている場合もあるため、心配な方は医療機関を受診しましょう。

腎結石や尿路結石、膀胱炎や腎盂腎炎、逆流性食道炎、食道がんは背中の痛みを伴う内臓疾患です。

背中の痛みのほかに、発熱や嘔吐、血尿などの症状がある方は、早めに医師の診察を受けてください。叩くような痛みなど、背中の痛みや便秘以外の症状を照らし合わせながら要因を考えることも大切です。

症状が軽くても大きな病気が隠れている場合があります。便秘以外にも気になる症状がある方は、不快感を取り除くためにも医療機関で診てもらいましょう。

また、うつ病も身体症状として背中の痛みを伴う場合があります。内科を受診しても背中の痛みの原因がわからない方は、心の健康状態が関係している可能性もあります。

いずれにしても背中の痛みは、なんらかの原因があると考え、便秘が要因と断定せずに医療機関で診てもらうようにしましょう。

背中の痛みの原因となる便秘を解消するために意識したいこと

背中の痛みの原因が便秘の場合、排便すると痛みが緩和する可能性があります。まずは便通を促して不快な症状を解消しましょう。

ここからは、便秘解消に期待できる方法を紹介します。3つのポイントを参考に、今日からさっそく便秘解消に努めてください。

●食生活の見直し
日頃から便秘に悩まされている方は、食生活の見直しをすることで症状が改善する可能性があります。食生活が乱れている方は、この機会にバランスの良い食事を意識してみましょう。

便秘解消には食物繊維が役立ちます。食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、どちらもバランスよく摂取することが大切です。

水溶性食物繊維は、水に溶けやすい性質を持っており、便をやわらかくして排便をスムーズにする効果に期待ができます。

不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して膨らむため、便量を増やして腸を刺激する働きがあります。便量が少ない方は、不溶性食物繊維を積極的に摂取してみましょう。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が豊富に含まれる食材をピックアップしましたので、以下の表を参考に毎日の食事に取り入れてみてください。

水溶性食物繊維・果物
・海藻類
・にんじんやキャベツなどの繊維のやわらかい野菜
不溶性食物繊維・根菜類
・きのこ類
・たけのこなどの繊維の硬い野菜
・豆類

便秘解消には、整腸効果に期待のできる乳酸菌や発酵食品も積極的に摂取してください。ヨーグルトやチーズ、キムチや納豆は乳酸菌を含んだ発酵食品なので、毎日の食事に上手に取り入れてみましょう。

●適度な運動を継続する
運動不足は便秘の要因の1つです。普段からあまり体を動かさない方は、適度な運動習慣を身に付けましょう。運動することで腸の動きが促されるほか、腸のぜん動運動を促す筋肉を鍛えられます。

激しい運動を行う必要はないので、ウォーキングやストレッチ、筋力トレーニングなど無理なく続けられる運動から始めると良いかもしれません。

通勤時間を利用していつもより長く歩いたり、近所を散歩したりするなど、アクティブに過ごすだけでも運動になります。

また、ストレスから便秘になる方も少なくありません。運動はストレスを軽減する効果にも期待ができるため、日頃から体を動かすように意識してみてましょう。

●水分を十分に摂る
水分不足になると便が硬くなり、排便しにくくなります。便をやわらかくして排便をスムーズにするためにも、普段から十分な水分を摂取することが大切です。

一気に大量の水分を摂ると尿として排出されてしまうため、少しずつ時間をかけながら水分を補給するのがポイントです。

飲み物は自分の好きなもので構いませんが、コーヒーや紅茶、緑茶やウーロン茶などカフェインが含まれているものは、便が硬くなってしまう可能性があるため、あまりおすすめできません。

糖の摂り過ぎにならないように注意しながら、水や、カフェインの含まれていないお茶などで意識的に水分補給をしましょう。

便秘で背中が痛い!気になるなら医療機関を受診しよう

背中の痛みは便秘が関係している可能性があります。普段から便秘を繰り返している方は、食生活を見直したり運動したりしながら排便を促してあげましょう。水分補給も意識的に行うことが大切です。

便秘が必ずしも背中の痛みの原因とは限らないため、ほかにも気になる症状がある方は、医療機関の受診も検討してください。

便秘の改善や健康な体を手に入れたい方は、紹介した方法を今日からさっそく試してみましょう。

白畑先生よりコメント
便秘に悩む方は体を温めてぜん動運動を活発にしましょう。自分に合ったやり方を毎日の生活に取り入れ便秘予防に取り組んでいきましょう。
監修者

医師:白畑敦
昭和大学医学部を卒業後、昭和大学藤が丘病院、市中病院で消化器外科医として勤務。大腸肛門病疾患でも研鑽を積み、2017年しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開設。大腸疾患(内視鏡治療・便秘治療・炎症性腸疾患など)・肛門疾患(痔核手術・便失禁治療など)を専門分野として診療。

酸化マグネシウムは非刺激性 酸化マグネシウムは非刺激性
POINT 1 お腹が痛くなるにくい。 POINT 1 お腹が痛くなるにくい。
POINT 2 クセになりにくい。 POINT 2 クセになりにくい。