VOL.8 便秘に効く飲み物とは?食生活のポイントとそのほかの便秘解消法も紹介

便秘知らずの体の基盤は、規則正しい生活と栄養バランスの良い食事です。しかし、仕事や家事で多忙を極める現代人にとって、規則正しい生活を継続するのは容易ではありません。
そこで取り入れやすいのが、便秘解消をサポートする飲み物です。食事と一緒に手軽に摂取できるため、忙しい生活の中でも無理なく継続できるでしょう。
今回は、便秘解消に役立つ飲み物を5つ紹介します。
便秘改善につながる食生活のポイントや、日常で取り組める便秘解消方法も紹介するため、つらい便秘に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
便秘解消に効果が期待できる飲み物5選
便秘解消には水分補給が大切ですが、飲み物ならなんでもOKというわけではありません。
コーヒーや紅茶などのカフェインを含んだ飲み物には利尿作用があり、かえって体内の水分を排出してしまう可能性があるため注意が必要です。
以下では、便秘解消におすすめの飲み物を5つ紹介するため、水分を補給する際の参考にしてください。
水
冷たい水は腸を刺激し、ぜん動運動を促してくれます。とくに、起き抜けにコップ一杯の冷たい水を飲むのが効果的です。
ただし、冷え性の方は胃腸を冷やしすぎるリスクがあるため、常温水を飲むと良いでしょう。
また、胃腸が疲れているときや硬い便が出るときには、炭酸水がおすすめです。炭酸水に含まれる二酸化炭素には胃酸の分泌を促す効果があり、食べ物の消化を助けてくれます。硬い便を柔らかくする作用もあるため、便秘解消にも効果が期待できます。
さらに、新陳代謝を高め、ぜん動運動を促す酢を加えるのも良いでしょう。リンゴ酢や黒酢など、好みの酢で味に変化をつければ、飽きずに飲み続けられるかもしれません。
お茶
お茶にはさまざまな種類がありますが、便秘解消には、不溶性食物繊維やビタミン、ミネラルを豊富に含むハーブティーや玄米茶がおすすめです。
利尿作用のあるカフェインや便を固くするタンニンが多く含まれている紅茶や緑茶は、便秘時には控えると良いでしょう。
ココア
ココアには、不溶性食物繊維が多く含まれており、腸内環境を整える効果が期待できます。
ただし、カロリーが高いため、摂取は1日あたり1、2杯程度に止めてください。
できるだけカロリーを減らしたい場合は、砂糖不使用のココア粉末を低脂肪の牛乳や豆乳に溶かして飲むのがおすすめです。
甘さがほしいときは、善玉菌を増やす効果のあるオリゴ糖を加えるのも良いでしょう。
甘酒
食物繊維やオリゴ糖を豊富に含む甘酒は、便秘解消にぴったりの飲み物です。
甘酒には酒粕ベースと米麴ベースとがあります。便秘解消が目的なら米麴を使用したものがおすすめです。腸内環境を整え、健康に有益な可能性のあるプロバイオティクス(微生物)の摂取ができます。
市販の甘酒を購入する際は、成分表示をチェックし、「米麹」の記載があるものを選びましょう。
ヨーグルト系の乳酸菌飲料
ヨーグルト系乳酸菌飲料には、腸内環境を整える乳酸菌やビフィズス菌が含まれています。
スーパーやコンビニにもさまざまな種類の製品がそろっており、好みのタイプを選んで気軽に購入できることがうれしいポイントです。
乳酸菌について詳しく知りたい方は以下のコラムも参考にしてみてください。
「【医師監修】便秘には乳酸菌が有効?期待できる効果とおすすめ食材」
子どもの便秘におすすめの飲み物
便秘といえば女性や高齢者がなりやすいイメージがありますが、実は近年、子どもにも多く見られるようになりました。
現代の子どもは食生活・生活習慣ともに乱れがちな傾向です。食の多様化によって食物繊維が少なく脂質の多い食事を摂る機会が増えたことや、習い事や塾のために夕食の時間が遅くなったことが影響しています。
また、学校のトイレで排便するのが恥ずかしくて我慢したり、進級や進学による環境の変化にストレスを感じたりすることで、便秘を引き起こすケースもあります。
子どもの便秘を解消するには、栄養バランスの良い食事を摂り、規則正しい生活が送れるよう環境を整えることが重要です。
それでも改善されない場合は、子どもが飲みやすいヨーグルト系の乳酸菌飲料やココアをおやつ代わりにすると良いでしょう。
ただし、どちらにも糖分が多く含まれているため、虫歯にならないよう、摂取する時間を決めるのがおすすめです。
妊娠中の便秘におすすめの飲み物

妊娠中は大きくなった子宮に腸が圧迫されたり、ホルモンの影響で大腸の運動機能が低下したりすることで、弛緩性便秘を引き起こす女性が増えます。
つわりで思うように食事が摂れなかったり、お腹が大きく運動もしにくかったりするため、妊娠中の便秘解消はなかなか難しいのが実情です。
そのため、妊婦の方は、味や香りのない水や炭酸水を摂取し、便を柔らかくして排便を促す方法がおすすめです。
つわりが治まったら、食物繊維・オリゴ糖が豊富な青汁や、不溶性・水溶性の両方の食物繊維を含むココアなども試してみましょう。
青汁には、鉄分や葉酸など、妊娠中に積極的に摂りたい栄養素が豊富に含まれています。また、ココアには血流を促進するテオブロミンが含まれており、体の冷えを防ぐ効果も期待できます。
便秘を解消するための食事のポイント
便秘を解消するには、飲み物だけでなく、毎日の食事内容を工夫することも大切です。食生活が乱れがちな方は、乳製品や発酵食品、食物繊維が豊富な食品、水分などをしっかりと摂取し、腸内環境を整えましょう。
以下では、朝食・昼食・夕食のタイミング別に、便秘を解消するための食事のポイントを紹介します。
便秘に効く食べ物を知りたい方は以下のコラムも参考にしてみてください。
「便秘に効く食べ物を紹介!おすすめのメニューやそのほかの改善方法も紹介」
朝食
便秘時の朝食には、消化の負担が軽く適度な糖分を補給できる果物と、水を組み合わせるのがおすすめです。
水の代わりに、栄養価の高いドリンクを摂取するのも良いでしょう。野菜や果物を使ったスムージーなら、食物繊維やビタミンもしっかりと摂取できます。
昼食
仕事や家事に追われていると、昼食はラーメンやうどん、丼といった炭水化物が多めの料理やコンビニ弁当になりがちです。
しかし、便秘が気になるときは、できるだけ手作りのお弁当を持参し、外食や市販品を利用する場合には、野菜がしっかりと入っているメニューを選びましょう。
メインの食事に加えて、食物繊維の含まれた野菜ジュースや、腸内環境を整えるヨーグルト系の乳酸菌飲料をプラスするのもおすすめです。
夕食
食べ物の栄養素を最も効率的に吸収できるのは、夕食のタイミングです。
具だくさんのみそ汁に納豆やキムチなどの発酵食品を用意し、主菜にはこんにゃくやしいたけ、根菜などの煮物、葉野菜ときのこ類の炒め物などを組み合わせましょう。
肉類のタンパク質は腸内の悪玉菌を増やす可能性があるため、主菜が肉類の場合は食べ過ぎには注意しましょう。
また、寝不足によるストレスや腸内環境の悪化を防ぐため、夕食後のコーヒーや紅茶は控え、ノンカフェインでリラックス効果のあるハーブティーなどを選んでみてください。
飲み物・食事以外にできる便秘の解消方法
飲み物・食事以外にも、便秘改善に役立つ工夫は複数あります。
以下では、飲み物・食事以外にできる便秘の解消方法を4つ紹介するため、できるものから試してみてください。
便意を感じたら早めにトイレに行く
便意を感じたら、我慢せず早めにトイレに行きましょう。便を我慢すると、徐々に便意がおさまり、排便のチャンスを逃すことがあります。
仕事や学校などの都合ですぐにトイレに行けない方は、朝食後に必ずトイレに座る習慣をつけると、毎朝決まった時間に排便しやすくなります。
トイレに座るときは、背筋を伸ばして前屈みの姿勢になると、便をスムーズに排出しやすいでしょう。
適度な運動習慣をつける
ウォーキングやヨガなどの軽い運動を毎日10分程度行うだけでも、腸のぜん動運動が促され、排便しやすくなります。
また、腹筋が弱いと便を押し出す力が不足しやすくなるため、筋トレで腹筋を鍛える方法もおすすめです。
お腹をマッサージする
便秘やガスによる腸の張りが気になる場合は、お腹を優しくマッサージすると、腸の働きが活性化し、便やガスを出しやすくなります。
マッサージするときは、腸の形に沿うように両手のひらをお腹の上に置き、「の」の字を描くように時計回りに手を動かしましょう。目安時間は、1周5秒を6回程度です。
酸化マグネシウム便秘薬を試してみる
頑固な便秘には、市販の酸化マグネシウム便秘薬を試してみるのも良いでしょう。
酸化マグネシウム便秘薬は、腸内の水分を集めて便をやわらかくし、排泄しやすくする薬剤です。非刺激性で、お腹が痛くなりにくくクセにもなりにくいという特徴があります。
また、5歳以上の子どもから高齢者、妊婦の方まで、幅広い方が服用できることもメリットです。健栄製薬の「酸化マグネシウムE便秘薬」はオンラインショップで購入できるため、ぜひ利用を検討してみてください。
なお、酸化マグネシウム便秘薬の服用時は、事前に使用上の注意をよく読みましょう。
また、現在治療中の疾患がある方や、ほかの薬を服用している方は、医療機関に相談してから服用してください。
便秘解消に役立つ飲み物を試して、つらい便秘を改善しよう
便秘改善には、水やお茶、ココア、甘酒、ヨーグルト系乳酸菌飲料などの飲み物が役立つ可能性があります。便秘に悩んでいる方は、自身に合った飲み物を選び、便秘改善を目指してみましょう。
ただし、便秘を根本的に改善するには、食生活やそのほかの生活習慣を工夫することも大切です。
また、頑固な便秘を早めに改善したいときは、食生活や生活習慣の改善とあわせて酸化マグネシウム便秘薬の使用も検討してみてください。
便秘がなかなか改善しない場合や、便秘以外で気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。









