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VOL.80 【医師監修】チョコレートは便秘改善効果が期待できる?成分や食べる際の注意点まとめ

チョコレートは幅広い世代で食べられている嗜好品で、価格も比較的お手頃なものから高いものまでさまざまです。

そんなチョコレートで便秘改善効果が期待できるとしたら、それは嬉しい情報かもしれません。

今回は、チョコレートが便秘改善の助けになるのか解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

便秘の主な症状

「便秘」は3~4日に1回しか排便がない、排便があっても少量の硬い便など、症状はさまざまです。

排便の回数や量が少ない状態だけでなく、便を出してもすっきり感がない、残便感がある場合も「便秘」と定義されています。

便秘になると、体の不調として自覚しやすい症状として、お腹が張って苦しい、ガスが溜まったような感じでおならがよく出る、慢性的な腹部の痛みなどが挙げられます。

また、便秘による腸内環境の乱れから、ニキビや肌荒れといった肌トラブルをもたらす場合もあります。

チョコレートに便秘改善効果は期待できる?

チョコレートは栄養価が高く、健康面で良い影響を与える可能性があります。有名なのは、ポリフェノールによる抗酸化作用です。

この抗酸化作用は、血管を拡げて血圧を下げたり、悪玉コレステロールの酸化を防いで動脈硬化を予防したりしてくれます。

また、美容の面でも、老化の原因物質「活性酸素」の働きを抑えてくれたり、肌荒れを抑えてくれたりなど、嬉しい作用ばかりです。

便秘改善で知っておきたい成分は、リグニンに代表される「不溶性食物繊維」と、近年「カカオプロテイン」の呼び名で研究されている、カカオに含まれる難消化性を持ったタンパク質です。

この「食物繊維」と「カカオプロテイン」を豊富に含むチョコレートには、便秘を改善する可能性があります。

●チョコレートに含まれる「食物繊維」
食物繊維は人間の消化酵素や腸内細菌で分解されにくい成分で、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。
便秘改善に良いとされる理由は、不溶性食物繊維が腸内で水分を吸収して膨らむため、便をやわらかくし、便量を増やす働きがあるためです。
一方で、水溶性食物繊維は便をやわらかくしたり、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えたりする作用があります。
食物繊維はチョコレートにも含まれており、日本食品標準成分表2020年版によると、可食部50gあたりの食物繊維は、ホワイトチョコレートで0.3g(水溶性0.3g、不溶性0.0g)、ミルクチョコレートで2.0g(水溶性0.5g、不溶性1.5g)とされています。チョコレート50gとは一般的な板チョコの1枚分に相当する量になります。
ただし、成人の1日に必要な食物繊維の摂取量の目安(20-25g)を、チョコレートだけで摂れるわけではないので、チョコレート以外の食べ物からも摂取していくことが、便秘改善には大切です。
下記の表で食物繊維が多く含まれている主な食べ物を紹介します。普段の食事に積極的に取り入れていきましょう。
●難消化性を持つタンパク質
難消化性を持つタンパク質は、人間の消化酵素では分解されにくいタンパク質で、摂取しても胃や小腸で消化吸収されず、そのまま大腸まで届くという性質があります。
カカオプロテインは難消化性を持つタンパク質なので、腸内細菌のエサとなって善玉菌を増やし、腸内環境を整えて腸の動きを促す働きをします。

チョコレートを食べる際の注意点

便秘改善のためにチョコレートを食べるにあたっては注意すべき点が3つあります。

1点目はチョコレートの種類です。チョコレートだったら何でも便秘改善効果があるとは言い切れません。便秘改善効果が期待できるチョコレートは高カカオ商品、いわゆるカカオ70%以上を含むものが良いと言われています。

それに対して、ホワイトチョコレートでは原料からカカオマスが取り除かれているため、便秘の改善効果はあまり期待できません。チョコレートを選ぶ際には、商品パッケージのカカオ含有量を確かめてみましょう。

2点目は、チョコレートのエネルギー量(カロリー)です。チョコレートはカカオに由来する脂質が多く含まれています。高カカオチョコレートではカカオ分が増えているため、さらに脂質の割合が多く、ハイカロリーの傾向にあります。

例えば、高カカオチョコレートを100g摂取した場合、30~49歳女性の1日あたりの総脂質摂取目標量を摂ってしまうこともあります。1日の摂取量を超えないように注意しましょう。

3点目はカカオ含有成分について。カカオには先述した成分以外のものも含まれ、利尿作用や興奮作用を示すことがあります。

そのため、これらにアレルギーを示す方や同じ作用を示すお薬を服用中の方は、高カカオチョコレートを摂取する際に注意しましょう。

便秘改善をめざすならバランスのよい食事を

便秘改善をめざすなら、これまでお話ししたチョコレートだけを摂取していれば良いわけではありません。

主食のひと工夫として、たとえば精白米には食物繊維が豊富な玄米や発芽米を混ぜて炊いてみてはいかがでしょうか。パンもライ麦や全粒粉のパンを選んでみると、食物繊維を効率的に摂ることができます。

副菜では野菜(根菜類など)のほか、海藻類、きのこ類を積極的に取り入れましょう。これらは食物繊維を豊富に含み、カロリーもほとんどありません。

また、納豆やヨーグルト、ぬか漬けなどの発酵食品には大腸に良い菌が豊富に含まれています。これらの食べ物は意識をして積極的に摂るようにしましょう。

玉ねぎ、キャベツ、ニンニク、リンゴなどはオリゴ糖を含みます。オリゴ糖は胃や小腸で消化吸収されずに腸にたどり着くことができ、ビフィズス菌に代表される善玉菌の活性化をサポートする成分です。腸内環境を整える意味でも、これらを合わせて摂ると良いでしょう。

チョコレートは便通を良くする可能性がある食品!

チョコレート、とくに高カカオ商品には、不溶性食物繊維や難消化性を持つタンパク質が豊富に含まれているため、便秘を解消してくれる可能性があります。

一方で、チョコレートはエネルギー量や油分が比較的高いため、適度な摂取量に留めるよう心がけましょう。

また、チョコレートだけに頼らず、普段の食生活では食物繊維やオリゴ糖などバランスの良い食事を摂ることが重要です。

食事や生活習慣の見直しによっても便秘が改善しない場合は、お腹への刺激が少なく体への負担が軽い「酸化マグネシウム」を含む市販の便秘薬を試してみて、それでも改善されない場合は医療機関を受診しましょう。

白畑先生よりコメント
便秘に悩む方は、適度にチョコレートを自分に合った方法で摂取し、便秘予防に取り組んでいきましょう。
監修者

医師:白畑敦
昭和大学医学部を卒業後、昭和大学藤が丘病院、市中病院で消化器外科医として勤務。大腸肛門病疾患でも研鑽を積み、2017年しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開設。大腸疾患(内視鏡治療・便秘治療・炎症性腸疾患など)・肛門疾患(痔核手術・便失禁治療など)を専門分野として診療。

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