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VOL.99 バナナには便秘解消効果が期待できる?含まれる成分などを詳しく解説

便秘を解消するためにまず考えるのは食事の内容です。

食物繊維、乳酸菌、オリゴ糖、ビタミンEを意識的に摂ることが望ましいですが、忙しい毎日の食事にそれらの栄養素をきちんと組み入れるのは難しいかもしれません。

そこで食事に「バナナ」を取り入れてみてはいかがでしょうか。バナナはスーパーマーケットの果物コーナーに通年並んでおり、入手が比較的容易で価格もリーズナブルです。

今回はバナナによる便秘解消効果について解説していきます。

便秘の種類

便秘にはさまざまな原因や症状があり、改善策もさまざまです。食事は便秘改善のために重要と考えがちですが、食べ物によって改善が期待できる便秘と、できない便秘があります。

食べ物で改善が期待できる便秘は、腸の機能低下や便意の我慢などが原因とされる「機能性便秘」です。この便秘には3つのタイプがあります。

大腸の運動が低下し、腸内容物が腸管をゆっくり移動する「弛緩性便秘」、ストレスなどが原因で大腸が痙攣・収縮して腸内容物がスムーズに送られない「けいれん性便秘」、便意を頻繁に我慢することで直腸からの反射が弱まり、便意を感じなくなる「直腸性便秘」の3つです。

一方で、大腸に何かしらの疾患があることが原因の「器質性便秘」には、食べ物による改善は期待できません。

バナナには便秘解消効果が期待できる?

バナナにはさまざまな成分が含まれており、便秘解消効果が期待できる成分も豊富に含まれています。

バナナを食べて便秘改善効果が最も期待できるのは「弛緩性便秘」のタイプです。弛緩性便秘の原因は腸の動きが鈍っていることです。食事や運動不足など、日頃の生活習慣が関与していることが多いと考えられます。

食事の側面を見てみると、便秘で悩んでいる方の多くは、食事量の不足(加齢により食が細くなる、ダイエットなど)や、食物繊維の摂取不足(ファストフードなど)が最大の要因となっています。

これを解消するために『バナナ』を取り入れてみてはいかがでしょうか。

下図の通り、バナナにはさまざまな成分が含まれています。そのなかでも便秘の改善効果が期待できる成分を以下に紹介します。

食物繊維

食物繊維は人間の消化酵素で分解されず、そのまま腸へ届きます。食物繊維は水溶性と不溶性の2種類があります。

水溶性食物繊維は水分を保持する効果があり、便を柔らかい状態にしてくれます。

また、ビフィズス菌など善玉菌のエサにもなるため、善玉菌を増やして腸内環境を整える効果が期待できます。

不溶性食物繊維は便のカサを増すのに寄与し、便のカサが増すことで腸が刺激され、腸のぜん動運動を活発にする効果が期待できます。

バナナは可食部100gあたり、水溶性食物繊維が0.1g、不溶性食物繊維が1.0g含まれています。そのため、バナナを食べることで、便のカサを増して腸が刺激され、便が出しやすくなる効果が期待できます。

また、バナナには食物繊維と同じような働きをするレジスタントスターチ(難消化性デンプン)という成分が含まれています。この成分は、デンプンでありながら、エネルギーになりにくく、大腸に届いて便のカサを増したり、腸内の善玉菌のエサになったりする働きがあります。

このレジスタントスターチというのは、成熟していない青みがかったバナナのほうが豊富に含まれているため、便秘で悩んでいる方は、若めのバナナを選んで食べてみると良いでしょう。

オリゴ糖

バナナには難吸収性のオリゴ糖(フラクトオリゴ糖)が含まれています。これも人間の消化酵素では分解されず、そのまま大腸に届く成分です。

オリゴ糖は、腸内でビフィズス菌などの善玉菌のエサになり、善玉菌が増えることでお腹の調子を整えてくれます。

便秘になると腸内は悪玉菌が優位な状態になってしまいますが、善玉菌を増やすことで腸内環境を整え、便秘改善効果が期待できます。

オリゴ糖も青みがかったバナナに多く含まれるため、腸内環境改善を期待したい場合には若めのバナナを選んで食べるようにすると良いでしょう。

マグネシウム

マグネシウムは人体に必要なミネラルの1つです。骨や歯の構成成分である一方で、筋機能や神経機能の調節にも関与しています。

また、血管を拡張させて血圧を下げる方向に作用したり、健康を保つためのさまざまなからだの働き(酵素の活性化など)にも重要な役割を果たしていたりする成分です。

便秘改善の観点でいうと、マグネシウムは腸内の水分を引き寄せ、便をやわらかくして、排便しやすくするように働きます。

食生活以外の便秘解消方法

便秘解消を目指すなら、バナナだけでなく、バランスの良い食事を心がけることが大切です。

また、便秘解消対策は食生活以外にもさまざまなものがあります。ここでは日常生活で取り入れやすい便秘解消方法を紹介します。

水分をこまめに摂る

体が脱水状態にあると、腸管からの水分吸収が過剰になります。そうなることで、腸の水分量が減って硬い便になりやすいため、水分をしっかり摂っておくことが大切です。

しかし、一度に水分を大量に摂取しても腸から吸収できる量は限られています。吸収されても体内の過剰な水分は尿となって排出されてしまうため、こまめな水分補給で補ってあげるようにすることが望ましいでしょう。

例えば、食事の時に汁物をプラスワンする、食事中も水分を積極的に飲むのも効果的です。ただし、水分摂取といっても、アルコール飲料やカフェイン含有飲料の摂りすぎは、利尿作用によって水分不足を招く可能性があるため、注意しましょう。

規則正しい生活を送る

大腸には多くの神経が通い、大腸の働きは自律神経によって協調的に制御されています。

それを妨げる睡眠不足や不規則な生活などは、自律神経を乱れさせ、便秘の原因になることがあります。

そのため、食事はなるべく同じくらいの時間帯にとり、決まった時間に就寝できるようにすると良いです。

また、生活のリズムを整えるのと同時に、排便リズムも整えるように意識してみましょう。便意を感じやすいタイミングは、腸が大蠕動を起こして糞便が直腸に移動したときです。この大蠕動が起こりやすいのが起床後から朝食後です。

そのため、起床後に冷たい水を飲んだり、朝食をきちんと食べたりして胃腸の動きを活発にさせ、朝食後にはトイレに行く時間を設けるようにしましょう。それを続けることで排便のリズムが段々と整っていく可能性があります。

適度に運動をする

運動をすることは腸の動きを促進する効果や自律神経を整える効果などが期待できます。

ウォーキングやストレッチなどを習慣にするのがおすすめです。家やオフィスで座っている時間が長いという方は、家事や休憩時などに意識的に動くようにしましょう。

また、運動することで便秘の要因の1つとされるストレスの発散にもつながります。ストレスは自律神経の乱れにつながるため、ストレスを軽減できれば、自律神経のバランスが整ってきます。

さらに、運動のなかに腹筋を鍛える動きを取り入れてみるのも良いでしょう。腹筋が強化されると排便時に腹圧をかけやすくなり、排便がスムーズになってくることが期待できます。

バナナは便秘改善効果が期待できる成分が豊富!

バナナには、食物繊維、オリゴ糖、マグネシウムなどの便秘改善に効果的とされる成分が豊富に含まれています。

しかし、バナナだけに頼るのではなく、普段から栄養バランスの良い食事を心がけたり、生活習慣を見直してみたりすることが大切です。

紹介した便秘解消方法を試してみても便秘が改善されない場合は、お腹に刺激が少なく、クセになりにくい酸化マグネシウムの便秘薬から試してみるのも良いです。お薬を服用する場合には説明書きをよく読み、用法用量を守りましょう。

それでも便秘が解消されない場合は医療機関を受診するようにしましょう。

酸化マグネシウムは非刺激性 酸化マグネシウムは非刺激性
POINT 1 お腹が痛くなるにくい。 POINT 1 お腹が痛くなるにくい。
POINT 2 クセになりにくい。 POINT 2 クセになりにくい。