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VOL.127 【医師監修】みかんは便秘解消効果がある?栄養素や1日の摂取量の目安を解説

便秘の症状が重くなると、腹痛や肌荒れなどさまざまな不調が出てくることもあり、早く便秘を解消したい方も多いのではないでしょうか。

そんな中、手軽に食べられるフルーツである「みかん」は便秘解消に効果があるのか気になっている方も多いかもしれません。

今回は、「みかんは便秘解消の効果が期待できるのか」や「みかんの栄養素」「1日の摂取量の目安」や「おすすめの食べるタイミング」を紹介します。

みかんと一緒に食べると良い食品や、食事以外の便秘解消を目指す方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

みかんは便秘解消効果が期待できる果物?

みかんは便秘解消効果が期待できる食品です。なぜなら、みかんには、便秘解消に良いといわれる「水溶性食物繊維ペクチン」が豊富に含まれているからです。水溶性食物繊維ペクチンが便秘解消に期待できる理由は、2つあります。

1つ目は、排便をスムーズにする効果が期待できるためです。

ペクチンは、腸内で水分を含むとヌルヌルとしたゲル状になり、便をやわらかくする効果があります。便がやわらかくなることで「便がかたくて出ない」という悩みを改善し、排便をスムーズにすることに役立ちます。

2つ目は、善玉菌優位の腸内環境につながることです。

ペクチンは善玉菌のエサになり、腸内に善玉菌が増えることで整腸作用につながり、便秘解消に役立ちます。

みかんで便秘改善を目指せるのは「機能性便秘」

便秘は、大きく分けて2種類あります。

1つ目は「器質性便秘」です。大腸の形態的変化を伴う便秘で、狭窄によって便が通過しにくくなったり、腸の拡張によって排便回数が減ったりします。大腸自体に問題があるため、食事での改善は難しいといわれています。

2つ目は「機能性便秘」です。腸の形態的変化を伴わない便秘で、腸の輸送する能力低下により便が停滞し、便が硬くなることで排便困難が起こりやすくなります。機能性便秘は食べ物を意識することで悩み解消へつながりやすくなります。

みかんで便秘解消を目指せるのは「機能性便秘」の場合のみで、器質性便秘の場合は医療機関の受診をおすすめします。

みかんの「1日の適切な摂取量」とおすすめの「食べるタイミング」

みかんは手軽に皮むきができるので、ついつい食べ過ぎてしまうこともあるのではないでしょうか。

「便秘解消に良いから」とみかんだけを食べすぎてしまうと、果糖の過剰摂取や栄養バランスの乱れにつながるので、控えましょう。

以下に、みかんの1日の適切な摂取量を紹介しますので、目安として意識してください。

また、みかんを食べるおすすめのタイミングも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

みかんの1日の適切な摂取量

厚生労働省と農林水産省が策定した食事バランスガイドでは、毎日200gの果物の摂取が望ましいとされています。

みかんは皮を除いた重量が1個100gといわれているので、1日の摂取目安量は2個です。

みかんは果糖と呼ばれる単糖類が含まれており、摂りすぎると糖代謝を悪化させる可能性があるため適切な摂取量を意識し、食べ過ぎないようにしましょう。

また、みかんの白い筋や袋などに水溶性食物繊維ペクチンやそのほかの成分も豊富に含まれているので、白い部分も残さず食べることをおすすめします。

みかんを食べるおすすめのタイミング

みかんを食べるおすすめのタイミングは朝です。その理由は朝にみかんを食べることで、みかんに豊富に含まれている食物繊維が腸を刺激し、腸のぜん動運動を促進するためです。

また、朝に便意があることで毎朝トイレに行く排便習慣がつき、規則正しい排便につながりやすいといわれています。

調理不要で、手でサッと皮がむけるみかんは、忙しい朝にぴったりです。便秘に悩んでいる方はぜひ「朝みかん」を試してみましょう。

便秘解消のためにみかんとあわせて食べると良い食品

みかんと一緒に「乳酸菌」や「不溶性食物繊維」が豊富な食材を食べると、さらに便秘解消効果が期待できるといわれています。

以下に、具体的な食品を紹介します。

乳酸菌が含まれるヨーグルト

みかんに含まれている「食物繊維」が、ヨーグルトに含まれている「乳酸菌」のエサになるため、一緒に食べることでより高い整腸作用が期待できます。

また、みかんのみずみずしい酸味のある食感が、まろやかな味わいのヨーグルトと相性ぴったりです。

便秘に悩んでいる方は、朝食にみかんとヨーグルトを習慣化してみると良いかもしれません。

不溶性食物繊維が含まれる玄米や全粒粉パン

みかんは水溶性食物繊維ペクチンが豊富ですので、一緒に「不溶性食物繊維」も取り入れることで、より良い便秘解消効果が期待できます。

便のカサを増す効果が期待できる不溶性食物繊維の代表的なものは「精製されていない穀物」です。具体的には、玄米や全粒粉パン、ライ麦パンなどです。

朝食メニューの主食を、玄米おにぎりや全粒粉パンのトーストなどにすることで、便秘解消効果に期待できるといわれています。ぜひ、みかんと一緒に朝食の一品としてチョイスしましょう。

みかんだけに頼らず「便秘解消を目指す方法」3選

みかんが便秘解消に良いことは前述しましたが、便秘には食事以外に生活習慣の見直しも重要といわれています。

以下では、便秘解消を目指すための「生活のポイント」3選を紹介します。

適度な運動を行う

運動不足により腹筋が衰えると、大腸のはたらきが低下し、便を押し出すときに必要な力が足りなくなるといわれています。

運動は軽いウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で始めると、続けやすいのでおすすめです。

腸を刺激しながら腹筋を鍛えられる筋トレも排便時に必要な筋力をつけられるので、余裕ができたら試してみると良いでしょう。

水分をしっかりとる

便秘を解消するには、水分をしっかりと摂ることが大切です。

なぜなら、水分で便がやわらかくなることで排便がスムーズになり、便秘解消が期待できるためです。

そして、便秘解消を目指すなら「1日2リットル」を目安に水分を摂取することが良いとされています。

その際、一気に水を飲んだとしても、尿として排出される割合が増えるだけといわれているため「こまめに摂取する」ように意識しましょう。

1日3食、栄養バランスのとれた食事を心がける

便秘に良いとされる食材だけを摂取するのではなく、バランスの良い食生活を意識することが重要です。偏った食事をすることで必要な栄養素を補給できず、腸内環境が乱れる原因となるためです。

普段から、主食、主菜、副菜、汁物といったバランスの良い食事で、野菜を中心にさまざまな食材を取り入れることが便秘解消に役立ちます。

また、毎日決まった時間に食事をとることで、腸が活発になると示唆されています。1日3食、規則正しく摂取することを意識して、便秘解消を目指しましょう。

栄養素たっぷりの「みかん」を上手に活用して便秘解消を目指そう

みかんは、便秘解消効果が期待できる食物繊維が豊富に含まれており便秘に悩んでいる方におすすめの食材です。

もちろん、みかんだけに頼らず、食事バランスや水分補給、適度な運動、規則正しい生活などの「生活習慣の見直し」も重要です。

栄養素たっぷりのみかんを上手に活用して、食事や生活習慣を見直しながら、便秘解消を目指しましょう。

白畑医師よりコメント
便秘に悩む方は、水溶性食物繊維が豊富に含まれるみかんを自分に合った方法で適度に摂取し、便秘予防に取り組んでいきましょう。特に10月~1月はみかんが旬の時期のため、腸管善玉菌の多い発酵食品や不溶性食物繊維の豊富な玄米などと組み合わせて、便秘改善に取り組むのも良いです。
監修者

医師:白畑敦
昭和大学医学部を卒業後、昭和大学藤が丘病院、市中病院で消化器外科医として勤務。大腸肛門病疾患でも研鑽を積み、2017年しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開設。大腸疾患(内視鏡治療・便秘治療・炎症性腸疾患など)・肛門疾患(痔核手術・便失禁治療など)を専門分野として診療。

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