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【医師監修】のどが赤い原因とは?対処法と予防法も解説

2024.01.15

【医師監修】のどが赤い原因とは?対処法と予防法も解説

のどが赤く腫れている、また赤い斑点が見られる場合、何が原因なのか気になることでしょう。そのまま放置していると、痛みが出てきたり腫れがひどくなったりしてしまう可能性もあります。

のどが赤いときに適切な対処を行うためにも、まずはのどが赤くなる原因を知っておくことが大切です。

そこで今回は、のどが赤くなる原因と対処法について解説します。また、予防のために日頃から心がけておきたいことについても紹介しますので、できることから取り入れていきましょう。

のどが赤いときに考えられる原因

のどが赤くなる原因としては、主にウイルスや細菌による感染、または口内炎が考えられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

ウイルスや細菌による感染症

ウイルスや細菌に感染すると、のどが炎症を起こす場合があります。代表的なものが、咽頭炎や扁桃炎です。

症状が軽ければ赤いだけで済むこともありますが、感染症の場合、赤みだけでなく痛みや発熱を伴うことも少なくありません。症状が強く、食事をとるのも辛くなることがあります。

痛みや発熱がある場合は、無理をせず医療機関を受診しましょう。

溶連菌感染症

のどや舌に赤い斑点(出血斑)ができている場合は、溶連菌感染症の疑いがあります。

溶血性連鎖球菌という菌による感染症で、咽頭炎や扁桃炎、発熱、赤い発疹(しょう紅熱)、首のリンパの腫れなどがあらわれます。幼稚園や保育園、学校などで集団生活を送る子どもがかかりやすい感染症の1つです。

溶連菌感染症に感染した場合は、適切な治療を行う必要があります。早めに医療機関を受診しましょう。

疲労や栄養不足による口内炎

感染症以外の原因では、口内炎も考えられます。口内炎は口腔内の粘膜のどこにでもできるため、のどの付近に見られる場合もあります。

のど周辺は外的な傷が付きにくいため、疲労やストレス、栄養不足などによる免疫力低下が原因として考えられます。

また、口腔内が不衛生な場合も口内炎の原因となるため注意が必要です。

のどが赤い・痛いときの対処法

のどが赤いときや、痛みが伴うときは、のどを含む口腔内を清潔に保つことが大切です。では、どのように対処すれば良いのでしょうか。以下で対処法について紹介します。

ここからは、のどの赤みや痛みが気になるときにご自宅でできる対処法を紹介していきます。

うがい薬でうがいをする

のどの炎症には、うがい薬を使ったうがいを行うと良いでしょう。うがい薬にはさまざまな種類がありますが、炎症や痛みを抑えるには殺菌作用のあるものを選ぶのがおすすめです。

殺菌・消毒力に優れたポピドンヨードを配合したうがい薬でうがいをすることで、口腔内を清潔に保つこともできます。

トローチやのど用スプレーを使用する

トローチには、医薬品のものと医薬品ではないものがあります。のどが赤いときや痛みがある場合には、医薬品のトローチを選びましょう。

医薬品のトローチには抗炎症作用や殺菌作用のある成分が含まれています。のどの赤みや痛みをやわらげるとともに、口腔内の殺菌消毒もできます。

また、のどの赤みや痛みが気になる場合は、のどスプレーを試してみるのも良いでしょう。トローチは口腔内でゆっくり溶けていくことで患部に作用しますが、のどスプレーは患部に直接使用できます。

医薬品のトローチやのどスプレーは、用法用量を守って使用しましょう。

のどが赤い・痛い状態が続く場合は医療機関を受診する

うがい薬やトローチ、のどスプレーの使用などで、のどの赤みや痛みが改善すれば、そのまま様子を見て問題ないでしょう。しかし、症状によっては抗菌薬の内服などが必要なケースもあります。

ご自宅での対処を続けても改善されない場合や、のどが赤いだけでなく発熱など、ほかの症状もある場合は、必ず医療機関を受診しましょう。

のどが赤くなる前にできる対策

【医師監修】のどが赤い原因とは?対処法と予防法も解説

のどの赤みや痛みが出たときに対処する方法を紹介しましたが、できれば不快な症状が出る前に予防したいところです。

そのため、のどに起こるつらい症状の主な原因である、ウイルスや細菌の感染を予防することが大切です。とくに感染症の場合は、周囲に広がってしまう可能性もあります。日頃から感染を防ぐためにできる対策をしておきましょう。

基本的には、以下の対策を日頃から行うようにすると良いでしょう。

手洗い・手指の消毒

ウイルスや細菌の接触感染を予防するために、手洗いや手指の消毒をこまめに行うようにしましょう。手洗いも消毒も、適切な方法で丁寧に行うことが大切です。

<手洗いの手順>
1. 手をぬらし、石鹸を取り泡立てながら、手の平をよく洗う
2. 手の甲を伸ばすように洗う
3. 指先と爪の間を反対の手の平の上で丁寧に洗う
4. 両手を組んで指の間を洗う
5. 親指を反対の手で包んでねじるようにしながら洗う
6. 手首も同様にしっかりと洗う
7. 流水で石鹸と汚れを洗い流し、ペーパータオルや清潔なタオルで水気をふき取る

消毒も手洗いの手順と同様に、手の平、手の甲、指先と爪の間、指の間、親指の周り、手首にしっかりすり込むようにしましょう。

また、手洗いの前には爪を短く切っておくことや、腕時計や指輪などを外しておくことも大切です。

部屋を加湿して乾燥を防ぐ

室内の湿度は50~60%を保つようにしましょう。空気が乾燥していると、のどの防御機能が低下してしまいます。

とくに冬は気温や湿度が低く、ウイルスにとっては空中に浮遊しやすくなるため、生存期間が長くなる好都合な環境です。

ウイルスが浮遊・生存しやすい環境の上に、のどが防御機能を失い無防備な状態になっていると、感染症にかかり、赤みや痛みなどの症状が生じるリスクも高まります。

湿度が低いときは、加湿器の利用や洗濯物の室内干し、濡れたタオルを部屋にかける工夫をしましょう。

栄養バランスの良い食事

感染症を防ぐには、体の免疫機能を高めておくことが大切です。そのためにもバランスの良い食事を心がけ、日頃から栄養を十分に摂るようにしましょう。

免疫機能の主となる白血球細胞や抗体は、タンパク質が原料です。肉類や魚介類、乳製品、卵といった動物性食品だけでなく、豆腐や納豆などの大豆製品もタンパク質が豊富なので、積極的に摂取すると良いでしょう。

また、腸内環境を整えるために役立つ発酵食品や野菜類を摂ることも、免疫力アップの効果が期待できます。

炭水化物や脂質も適度に摂り、3食規則正しくバランス良く食べる習慣をつけておきましょう。

十分な睡眠時間を確保する

睡眠不足が続くと疲労が蓄積し、免疫力が低下します。反対に、日頃から十分な睡眠時間を確保できていれば、疲労が回復し免疫力を保つことができます。

適切な睡眠時間は人によって異なりますが、成人の場合は1日7時間が理想とされています。

良質な睡眠のためには、夜更かしを避け生活リズムを整えることが大切です。また、寝る前のカフェイン摂取を避ける、室内の照明を暗くするなどの工夫をしましょう。

のどが赤いときはうがい薬やトローチで対策をしよう

のどが赤いのは、ウイルスや細菌による感染症、疲労やストレスなどによる口内炎が原因であることが多いです。気になるときは、まずうがい薬やトローチ、のどスプレーを使ってみると良いでしょう。

ただし、症状によってはご自宅での対処では改善されない場合もあります。医療機関での治療が必要な感染症が原因の可能性もあります。のどの赤みや痛みの症状が重い場合は医療機関を受診しましょう。

感染症を予防するために、日頃からできることもたくさんあります。手洗いや手指の消毒、乾燥対策、栄養バランスの良い食事、十分な睡眠を心がけることが大切です。のどをつらい症状から守るためにも、免疫力を高めておくようにしましょう。

佐藤医師からのコメント

のどが赤くなる原因としては、ウイルスや細菌による感染症、疲労やストレス・栄養不足による口内炎が考えられます。自宅でできる対処法としては、うがい薬やトローチ、のどスプレーを使ってみると良いでしょう。しかし、改善が見られない際は治療が必要な場合がありますので、医療機関を受診して医師の診察を受けるようにしてください。

監修者
佐藤留美

医師:佐藤留美

内科医・呼吸器科医・感染症科医・アレルギー科医。
久留米大学医学部を卒業後、同大学病院や市中病院にて臨床医として研鑽を積む。大学院では感染症学の研究に励み、医学博士号を取得。臨床面では内科・呼吸器・感染症・アレルギーなどの専門医及び指導医となり、同大学関連の急性期病院にてCOVID-19の診療など第一線で活躍。その傍ら、現在は藤崎メディカルクリニックの副院長として地域医療にも取り組んでいる。(2024年1月現在)

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