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vol.21 救急外来における不適切な尿道カテーテルの使用低減:二つの多施設協同の取組みの比較
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背景

尿道留置カテーテルの多くは救急外来(ED)で留置されるが、しばしば不適切であり感染性および非感染性合併症と関連している。EDでの使用を減らすことに焦点を当てた介入の効果を評価したいくつかの研究があるが、それらの介入を導入実施する組織的要因については比較されていない。

方法

アサンシオン医療システムの18病院と、ミシガン州の16病院(ミシガン病院協会が主導する州ベースの病院集団)が、それぞれ組織的に尿道カテーテル使用を低減させることに焦点を当てたEDでの介入を実施した。EDにおける尿道カテーテル留置、カテーテル使用の適応、カテーテル留置に対する医師の指示の存在に関するデータを、二つの組織的介入に対して収集した。両者の介入を比較するために多項目負の二項回帰モデルを使用した。

結果

医療システム組織の介入における13,215患者(うち889人にカテーテル留置)と州ベース組織における12,104患者(同、718人)を比較した。州ベースの介入に比べて、医療システムの介入において、統計学的有意かつ持続的な尿道カテーテル留置の低減(発生率比 0.79、p=0.02)と尿道カテーテルの適切な使用に関する改善(オッズ比1.86、p=0.004)が見られた。尿道カテーテル留置に関する医師の指示の存在の変化は両者で差異がなかった(オッズ比1.14、p=0.60)。ケンエー海外論文Pickup vol.21-001

結論

適切なカテーテル留置に関する施設のガイドラインを確立し、その遵守を推進する引率役を特定することによるEDでの介入は、医療システム組織の協同のもとで不要な尿道カテーテル使用の低減に結び付いた。

監訳者コメント

両者とも技術的な介入内容はほぼ同一であった。にもかかわらず州システム組織に比べて医療システム(系列病院グループ)組織の方が好成績であった理由として、筆者らは、引率役(引き立て役)を明確にしたことや、系列病院組織自体の責任と権限により介入がより確実に行き渡ったこと、アサンシオン病院グループでは2010年からUTI防止に積極的に取り組んでいたこと、などをあげている。