消毒剤の基礎

消毒剤の基礎 項目一覧

7.器械・器具や環境の消毒法

器械・器具や環境の消毒法は、消毒対象物の形状、用途などを十分に考慮して適切な方法を選択する必要がある(表9)。

表9.器械・器具や環境の消毒法

消毒法 消毒方法・注意点
浸漬法 一般に汎用されている方法で、適当な容器に消毒剤を入れ消毒対象物を完全に浸漬させ、十分薬液と接触させる。器械・器具の一部に薬液が接触しないと、消毒不良を起こすので、必ず薬液に浸されていることを確認する。
清拭法 消毒剤を染み込ませたガーゼ、タオル、モップなどで器械・器具や環境の表面を拭き取ることにより消毒する方法。
浸漬できない器械・器具や環境に用いられる。
散布法 消毒剤を器具を用いて消毒対象物に撒く方法。
清拭法では消毒不可能な割れ目や隙間のみに用いられる。
灌流法 特殊な形状(管状、長尺)をしたものの消毒法で、チューブ類、カテーテル類、麻酔の蛇管、内視鏡、透析装置、レスピレータの回路などに用いる。内腔に気泡が残ると消毒不良を起こすので気泡が残らないように薬液を流通させる必要がある。消毒液を充満させることが困難な場合は、圧力をかけて薬液を導通し、気泡が1ヶ所に停滞することのないように消毒する。

消毒剤の誤った使用方法

  • ・消毒剤の室内噴霧
    消毒剤の室内噴霧は、わが国ではよく行われていたが、室内噴霧を行うと、消毒を行う者が消毒剤を大量に吸入したり、眼に浴びたりするなどの消毒剤の毒性が問題となる。また、室内噴霧は、室内に水を撒くようなもので、コンセントなどの電気製品を腐蝕させるなどの問題も生じる。しかも、散布法は清拭法に比べて効果が不確実である。米国疾病管理予防センター(CDC)では「室内で消毒剤を噴霧しないこと」とのガイドラインを出している。消毒剤の室内噴霧はやめるべきである。
  • ・ホルマリンの室内くん蒸やホルマリンボックスの使用
    ホルマリンガスは粘膜刺激性が強く、また動物実験で発癌性が報告されていることから、室内のホルマリンくん蒸や、ホルマリンボックスの使用は望ましくない。
  • ・グルタラールの室内清拭法
    グルタラールの毒性の面から清拭は望ましくない。
  • ・アルコールの広範囲な室内清拭法
    引火性の面から室内の広範囲な清拭は望ましくない。