消毒薬のQ&A

消毒薬の基礎知識

電解酸性水の効果は?

電解酸性水は少量の汚れで急速に失活するため、その消毒薬としての使用は勧められません。
電解酸性水の抗菌力発現の主体は、残留塩素です。メーカーによって異なりますが、7~50ppm程度の残留塩素が抗菌力を発現します1)。したがって、電解酸性水は、0.01~1%(100~10,000ppm)といった常用濃度の次亜塩素酸ナトリウム(ピュリファン® P、ミルトン®など)をさらに希釈した液といえます。 表1に、次亜塩素酸ナトリウムの残留塩素とその消毒対象を示しました。残留塩素濃度が0.1~10,000ppmと大きな幅で用いられていますが、医療用具の消毒には有機物汚染を考慮して100~10,000ppmが用いられます2)

表1 残留塩素と消毒対象
残留塩素( ppm ) 消毒対象
0.1 水道水
1 プール水
50 野菜、果物
100 ほ乳瓶、投薬容器、蛇管
200 食器、まな板、リネン
1,000 ウイルス汚染の環境
10,000 ウイルス汚染血液

しかし、電解酸性水は残留塩素濃度が7~50ppmと低いので、少量の汚れ(有機物)で急激な効力低下を示す可能性があります。したがって、電解酸性水を消毒薬として使用することは勧められません。もし用いるのであれば有機物汚染に留意して、消毒対象は果物や野菜などとしてください。
なお、電解酸性水は医療用として承認されていないので、治療目的で人体へ使用すべきではありません3)。また、金属腐食性のため、電解酸性水の金属製器材への使用は勧められません。さらに、蒸気毒性の観点から、電解酸性水での床清拭なども勧められません。

引用文献

  1. 大久保憲: 電解酸性水に関する調査報告. 手術医学 15: 508-520, 1994.
  2. Coates D: A comparison of sodium hypochlorite and sodium dichloroisocyanurate products. J Hosp Infect 6: 31-40, 1985.
  3. 尾家重治: 電解酸性水とは何か. 歯科医療 9: 94-98, 1995.