消毒薬のQ&A

消毒薬の基礎知識

消毒薬を温めて使用してもいいか?

消毒薬の効力は、温度の上昇とともに増強します。たとえば、クロルヘキシジン液(ステリクロン®など)は20℃より40℃のほうがより消毒効果が強いです。また、40℃のクロルヘキシジン液および100℃の熱水のいずれも枯草菌の芽胞には無効ですが、100℃のクロルヘキシジン液はこの芽胞に有効になります1)。さらに、30℃の次亜塩素酸ナトリウムは20℃の場合に比べて効力が30%上昇します2)
このように、消毒効果の観点からすれば、消毒薬は高温で用いるほうがよいといえます。
しかし、グルタラール(ステリゾール®など)、フタラール(フタラール0.55%液「ケンエー」など)および次亜塩素酸ナトリウム(ピュリファン®Pなど)等では、高温になれば蒸気発生量が増し、取り扱い者への有害性が高まります。また、次亜塩素酸ナトリウムやポビドンヨード(イオダイン®Mなど)等では、高温になれば分解が促進されて、有効濃度の低下を招きます。さらに、高温のアルコールでは引火の危険性が高まります。
以上から、一般的に消毒薬は室温で用いるのが良いといえます。ただし、ポビドンヨードなどを体温程度に温めて用いる方法は、患者様に対して冷たさを感じさせないという観点から望ましいです。

引用文献

  1. Gorman SP, et al: The sporicidal activity and inactivation of chlorhexidine gluconate in aqueous and alcoholic solution. J Appl Bacteriol 63: 183-188, 1987.
  2. Paz ML, et al: Antimicrobial effect of chlorine on Yersinia enterocolitica. J Appl Bacteriol 75: 220-225, 1993.