消毒薬のQ&A

消毒薬の基礎知識

希釈に用いる水は?

グルタラール(ステリゾール®など)、フタラール(フタラール0.55%液「ケンエー」など)、過酢酸(アセサイド®など)および次亜塩素酸ナトリウム(ピュリファン®Pなど)は、水道水で希釈可能です。これらの消毒薬は抗菌スペクトルが広く、かつ殺菌力が強いので、少量の微生物が含まれる水道水で希釈しても問題ありません1)
ポビドンヨード(イオダイン®Mなど)では、粘膜・損傷皮膚・手術野へ用いる場合に滅菌精製水で希釈する必要があります。
一方、クロルヘキシジン(ステリクロン®など)やベンザルコニウム塩化物(ザルコニン®など)および両性界面活性剤(サテニジン®など)では、粘膜・損傷皮膚・手術野に用いる場合に滅菌精製水で希釈するか、または精製水で希釈後に高圧蒸気滅菌を行う必要があります2)。できれば希釈・滅菌済み製品の使用が勧められます(図1)。なお、器具の消毒などでは便宜上、水道水で希釈して用いることも多いです。この際は、水道水に少量含まれることがあるバークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)などの細菌の高濃度増殖を防ぐため3-5)、希釈後24時間以内に廃棄する必要があります。希釈後24時間以上にわたって使用するのであれば、微生物汚染防止の目的で、1/10量のアルコールを添加する方法が勧められます6,7)

図1.低水準消毒薬の希釈・滅菌済み製剤

引用文献

  1. Dukes MNG (ed.): Side Effects of Drugs Annual 9, pp228-229,1985,Elsevier, Amsterdam
  2. Speller DCE, et al: Hospital infection by Pseudomonas cepacia. Lancet 1: 798-799, 1971.
  3. Bassett DCJ, et al: Wound infection with Pseudomonas multivorans : A water-bone contaminant of disinfectant solutions. Lancet l: 1188-1191, 1971.
  4. Burdon DW, Whitby JL: Contamination of hospital disinfectants with Pseudomonas species. Br Med J 2: 153-155, 1967.
  5. Nakashima AK, et al : Survival of Serratia marcescens in benzalkonium chloride and in multipledose medication vials : Relationship to epidemic septic arthritis. J Clin Microbiol 25: 1019-1021, 1987.
  6. 尾家重治, 神代 昭: クロルヘキシジンと低濃度エタノールとの併用による消毒効果. 薬学雑誌 104: 780-785, 1984.
  7. 尾家重治, 神谷 晃: 気管内吸引チューブの微生物汚染とその対策. 環境感染8: 15-18, 1993.