コラム

【医師監修】赤ちゃんの乾燥肌対策は?保湿剤をタイプ別に解説

2022.12.08|乾燥肌・スキンケア

赤ちゃんの肌はバリア機能がまだしっかりしていないのでとても敏感です。乾燥肌などの肌トラブルが起こりやすいので、できる限りのスキンケアをして守ってあげましょう。

この記事では、赤ちゃんの肌の特徴、保湿ケアに適した保湿剤について解説していきます。

赤ちゃんの肌は乾燥しやすい

赤ちゃんの肌は大人の半分以下の薄さなので、とてもデリケートです。表皮は肌内部の水分保持と、外的刺激から肌を守る役割を果たしていますが、赤ちゃんは表皮が薄く、バリア機能そのものが未熟なうえに、汗やよだれ、おむつの摩擦などの外部刺激に日常的にさらされている状態です。

刺激を受けてさらにバリア機能が低下した肌は、内部の水分の保持力も弱くなってしまい、乾燥肌を引き起こしがちです。大人では刺激にならないようなことも、赤ちゃんの肌にとっては刺激になることがありますので、しっかりと観察をすることが大切です。

赤ちゃんの肌の特徴

すべすべしている赤ちゃんの肌は、うるおっているように見えますが、実は大人の肌と比較すると半分ほどの薄さしかないため、とても乾燥しやすいのです。

生まれたばかりの赤ちゃんの肌は、「胎脂」と呼ばれる白いクリームのようなものに覆われており、乾燥から守られています。しかし、胎脂は生まれてから24時間以内に自然に消えてしまい、そこから赤ちゃんの肌は乾燥し始めます。

また、とても薄い赤ちゃんの肌は、バリア機能が働くために必要な角質層のセラミド、天然保湿因子のアミノ酸などが少なく、肌内部から水分が蒸発しやすい状態です。

このような条件がそろっている赤ちゃんの肌は、乾燥しやすくデリケートなため、肌トラブルも起こしやすいと言えます。

●赤ちゃんの肌に起きやすいトラブル

赤ちゃんの肌はバリア機能が未熟なので、日常的な外部刺激から脂漏性湿疹、新生児ざそう、あせも、アトピー性皮膚炎などが起きやすいです。水分が保持できないことでガサガサになったり、湿疹が出たりと乾燥によるトラブルも多いです。

とくに生後3カ月以降の赤ちゃんは、それまで多かった皮脂の分泌量がどんどん減少し始めるため、水分の蒸発を抑える機能が低下し乾燥しやすくなってしまいます。

赤ちゃんの乾燥肌をケアする保湿剤の種類と特徴

ここからは、赤ちゃんの肌をケアする保湿剤の種類と特徴について解説していきます。最初にお話しした通り、赤ちゃんの肌は大人に比べてとてもデリケートなので、赤ちゃん向けに作られたものを使うようにしましょう。

クリーム

油分を多く含むので保湿効果が高く、こってりとした使用感です。空気が乾燥しやすい時期に使うのに適しています。よだれなどで乾燥しやすい顔にもぴったりです。

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白色ワセリン

白色ワセリンは人工的な皮脂膜をつくり、水分の蒸発を防ぐ働きがあります。皮脂膜を作ることで肌を保護できるので、外部刺激による肌荒れの予防にも使えます。

赤ちゃん向けに作られた、柔らかく塗り広げやすいタイプの白色ワセリンもありますので、使用部位や赤ちゃんの肌の状態に合わせて使い分けるといいでしょう。

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ローション、乳液、スプレー

ローションには透明な化粧水タイプや乳液タイプなどがあり、さらっとした使いごこちが特徴ですので、夏場などさっぱりと保湿ケアをしたいときに適しています。

また、さらっとしているので塗り拡げやすく、広範囲をケアしたいときに使いやすいです。

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保湿剤の選び方のポイント

赤ちゃんの肌に優しく使える保湿剤を選ぶときは、鉱物油や香料、着色料などの刺激になってしまう可能性のある成分が入っていない、無添加の保湿剤を選ぶようにしましょう。

ヒアルロン酸やセラミドなどは保湿力やバリア機能を高めると言われているので、そのような成分が入っているものを選ぶこともポイントです。

人工的な皮脂膜を作って肌を守る白色ワセリンは、スキンケアの仕上げに使うと水分を閉じ込められるのでおすすめです。季節や赤ちゃんの肌質に合わせて使い分けてみましょう。

保湿剤では治らない?乾燥からくる「乾燥性湿疹」とは

乾燥からくる肌トラブルとして「乾燥性湿疹」が挙げられます。乾燥性湿疹とは、肌のバリア機能が低下した影響で、湿疹ができてしまう皮膚疾患です。

粉ふきや外気温の変化でかゆみを感じる程度で済むこともありますが、進行するとひび割れ、湿疹、かゆみが強くなる場合があります。放っておくと肌内部の水分がさらに減少し、症状が進行することがあるので、その前にしっかりと治療する必要があります。

バリア機能が未熟な赤ちゃんの肌は、衣服のこすれや急激な温度変化などの刺激にも弱く、それらが原因で乾燥性湿疹になることがあります。乾燥性湿疹が疑われる場合は、保湿剤だけでは治らない可能性があるので、まず病院に相談しましょう。

日常生活で取り入れられる乾燥性湿疹の予防としては、汗やよだれなどを放置せずに肌を清潔に保ったり、衣服の素材を肌に優しいものに見直したりすることなどが挙げられます。

乾燥性湿疹になってしまったら医師に相談のうえで、保湿剤で皮膚を守るだけでなく、抗炎症作用・抗アレルギー作用を持つステロイド剤で治療するという場合もあります。

赤ちゃんの肌の乾燥にはまず保湿が大切!

赤ちゃんの肌はとてもデリケートで、乾燥肌にもなりやすいです。乾燥はさまざまなトラブルを引き起こす原因にもなるので、しっかり保湿してまずは乾燥肌を予防することが大切です。

赤ちゃんの肌の保湿には、生後0か月から使える白色ワセリンもおすすめです。不純物が少なく、やわらかくて伸びがよいので使いやすいでしょう。顔はもちろん、おむつかぶれで荒れやすいおしりや、寝返りで擦りやすい耳など、全身の保湿に使えます。

また、お風呂の温度は少し低めに設定し、部屋の温度も適度に調節にて、なるべく赤ちゃんの肌が乾燥しにくくなるように気をつけましょう。

肌がカサついたり荒れたりすることで赤ちゃんに辛い思いをさせないように、丁寧に保湿し、汗やよだれもこまめにふき取ってケアをしてあげましょう。

川﨑医師よりコメント

赤ちゃんは脂漏性皮膚炎といって、皮脂が多量にでることによりおこる湿疹が顔や頭に出る場合があります。かさかさしているからといって、乾燥が原因とは限りません。治りにくいカサカサの場合は皮膚科専門医への受診をおすすめします。

医師・川﨑加織
監修者
医師・川﨑加織

皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本抗加齢医学会専門医。 兵庫医科大学病院初期研修医、皮膚科入局からキャリアをスタートし、病院やクリニック勤務を経て、現クリニックを開院。 皮膚科専門医として、女性医師として、母として、患者さんの心と身体に寄り添うことを信条としている。

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