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インフルエンザの予防接種の費用はどれくらい? 助成についても知っておこう

2022.11.28| 感染症・消毒

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インフルエンザの予防接種を受けに行くとき、気になるのはやはりその費用です。今回は、インフルエンザの予防接種の費用と、その助成制度についてご紹介します。

 

インフルエンザ予防接種の費用はいくら?

インフルエンザ予防接種の費用は、年度によっても、お住まいの地域や病院によっても異なります。たとえば、2015~2016年のインフルエンザシーズンにおける成人1回分の全国平均費用は3,204円で、安い地域では2,992円、高い地域では3,440円でした。また、2016~2017年の全国平均費用は3,346円で、安い地域では3,081円、高い地域では3,880円となっています。さらに2017~2018年の全国平均費用は3,524円で、安い地域では3,156円、高い地域では3,780円でした。これらは、いずれも公的助成がない場合の金額ですが、全体的に年々少しずつ上昇している傾向が見られます。

では、成人以外のインフルエンザ予防接種の費用はどうでしょうか? 65歳以上の高齢者の場合、インフルエンザの予防接種は定期接種として自治体から助成金が出るところが多いようです。この場合、費用の一部負担で予防接種を受けることができます。お住まいの地域によって助成金の金額には開きがあるため、自己負担分にも違いがありますが、一般的には1,000~2,000円程度で接種できるケースがほとんどです。

さらに13歳未満の子どもや赤ちゃんになると、2回接種が推奨されているため、予防接種の経済的な負担がより大きくなります。その点に配慮して、病院によっては2回目を割引設定にしているところもあるようです。しかし、特に助成制度や病院の割引が無い場合には、子どもも大人と同額の費用となります。また、子ども向けに防腐剤を含まないワクチン(チメロサールフリーワクチン)を使う病院もあり、そうした場合には費用が高くなる傾向が見られます。

インフルエンザ予防接種の費用は、一般的に都市部では高く、地方では低いという傾向がありますが、地域によっては地方でも高額設定となっているところがあります。ちなみに、2017~2018年度の東京における成人のインフルエンザ予防接種費用の平均額(公的助成がない場合)は、3,651円でした。

 

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予防接種の費用が病院によって違うのはなぜ?

インフルエンザの予防接種を受けに行った際、病院によってその金額が違うことを不思議に思ったことはありませんか? その理由は、インフルエンザの予防接種は保険外診療(自由診療)であるため、病院側で自由に料金を設定できるからです。ワクチンの原価に加えて診療料金を各病院で設定しているため、このようなばらつきが見られます。病院によっては10月など早期に接種する人や、2回接種がすすめられている子どもを対象に、割引を行っているところもあります。早めに情報を集めることで、こういった割引を利用できるかもしれませんよ。

 

知って得する! インフルエンザ予防接種の助成制度とは?

保険組合に所属している企業に勤めている場合には、各保険組合からインフルエンザの予防接種の費用に対して補助が出ることがあります。企業によって多少の違いはありますが、「年に1回のみ、被保険者のみ(あるいは被扶養者も含む)、必ず領収書を添付」などの条件に合う場合、補助を受けることができます。まずは自費でインフルエンザの予防接種を受けた後、決められた書類を会社に提出して、後日補助分の金額を振り込んでもらうケースが多いようです。保険組合によって助成を受けられる範囲や金額が違うため、利用できるかどうか問い合わせてみると良いでしょう。

 

さらに、住んでいる市町村によっては子どものインフルエンザ予防接種に対して助成制度があるところがあります。これも、地域によって対象となる年齢や条件、金額などには幅があります。たとえば、東京都新宿区の平成29年度の場合、補助対象となるのは1歳~13歳未満で、区が家庭に送った予診票を持って指定の医療機関で予防接種を受ける場合に限り、1回1,700円の自己負担額となっていました。地域によって補助制度があるところとないところがあり、制度があっても対象となる年齢や条件、手続方法などに違いもあるため、利用できる補助制度がないかどうか、一度住まいの自治体に問合せをしてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

地域や医療機関によって異なるインフルエンザの接種費用ですが、さまざまな補助制度を利用することで、経済的な負担を軽くすることができます。特に家族全員で受けたり、2回接種が必要な子どもに受けさせたりする場合には、経済的負担も大きくなるもの。接種の予約をする前に、地域の助成制度を調べたり、保険組合の補助制度が利用できないかどうかなどを確認したりして、利用できるものは上手に利用することをおすすめします。

 

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