コラム

column

【医師監修】インフルエンザは4月でも感染する?春のウイルス対策を紹介

2022.11.28| 感染症・消毒

インフルエンザは、年末から年明けの1、2月にかけてピークとなりますが、寒さが和らいだ時期も感染者がいます。実際に、ゴールデンウィークの前後でも感染者の報告がされています。

暖かくなってくると外出の機会も増え、人手の多い場所へ行くことも多くなります。季節の変わり目や環境の変化などで体調を崩しやすい時期でもあるため、ただの風邪と思うこともありますが、インフルエンザの可能性も考えしっかりと感染対策をしておきましょう。

インフルエンザは4月にもかかるのか?

4月以降もインフルエンザの感染リスクはあります。インフルエンザウイルスは冬の時期だけあらわれるものではなく、年中存在しています。

空気が乾燥したり、気温が下がったりすると感染する可能性が高くなるため、インフルエンザウイルスは秋から冬にかけて流行が起こりやすくなるというだけで、4月以降も感染のリスクは続いています。

また、インフルエンザにはA型、B型といった種類もあり、流行のシーズンも異なります。例年、B型の方がA型に比べ流行シーズンが遅れてやってくることが多いため、引き続き感染対策を行うことが大切です。

インフルエンザが寒い季節に流行する理由

インフルエンザウイルスは気温20℃以下、湿度20%以下の環境下で活発になる傾向にあります。そのため、気温が低く乾燥しやすい秋から冬にかけて流行します。乾燥すればウイルスは長時間空気中を漂いやすくなり、感染リスクが増加します。

春夏は気温や湿度が上がることでインフルエンザの感染者数も減ってきます。ただ、その狭間である3~4月ごろはまだまだ空気も乾燥しやすく、インフルエンザの感染が起こりやすい時期といえます。

春のインフルエンザ対策

基本的な感染対策は冬場と大きくは変わりません。ただ、気候や意識の変化により、つい見落としがちな対策もあります。春の時期に意識したい対策方法も含め、以下で紹介していきます。

部屋の加湿を行う

冬ほど気温が下がることはありませんが、まだまだ乾燥した日が続くことも少なくありません。しかも室内の場合、空気中の水分量が変わらないにもかかわらず部屋の温度が上がりやすくなるので、相対的に湿度が下がってしまいます。

湿度が低いとインフルエンザウイルスも活性化しやすく、私たちの気道粘膜も乾燥して防御機能が低下します。加湿などをしてしっかりと乾燥対策をしましょう。

寒いときは無理せず厚着をする

4月になると日中は暖かくなることも増え、多少寒くても薄着になりがちです。インフルエンザや風邪などの感染症に限らず、体調管理のためにも一枚羽織るものを用意しておくことをおすすめします。

体が暑さに対応するための準備期間でもありますので、無理せず体温調整ができるよう心がけましょう。

手洗いや消毒を行う

手洗い、アルコール手指消毒は感染対策の基本です。インフルエンザ・風邪などの流行のピークが過ぎたからといって油断は禁物です。日々の習慣としていつでも手を清潔にできるように準備しておきましょう。

インフルエンザウイルスにはアルコールが有効です。外出先などすぐに手洗いができない場所もありますので、携帯タイプの消毒薬もおすすめです。

インフルエンザの予防接種の効果は持続する?

一般的に、インフルエンザワクチンの効果は接種後1ヶ月で抗体の上昇がピークに達し、約5ヶ月持続すると言われています。13歳以上の方は原則1回接種で、例年10月頃から接種が開始されます。

ワクチン接種については、個人の感染対策の意味合いだけでなく、大流行を防いだり、重症化リスクを低減したりするなどの目的も含まれています。一人でも多くの方が予防接種を実施することで、インフルエンザの大流行を抑え込める可能性があります。

インフルエンザワクチンは予防であることを理解しよう

ワクチンは感染症の予防に有効な手段です。ただ、接種したからといって完全に感染を防ぐことはできません。

感染リスクを低減させたり、万が一感染してしまっても重症化を防いだりなど、あくまで感染対策の1つであることは忘れないようにしましょう。

消毒やマスク、体調管理など日常の生活のなかでの対策を心がけ、春以降も感染しないよう注視しましょう。

4月になっても引き続きインフルエンザの感染対策を行おう

暖かくなってくると、つい感染症のシーズンは終わったと感じてしまうものです。ただ、ウイルス・細菌などによる感染症は年中感染の可能性があります。流行時期を過ぎた4月以降も引き続き予防をしましょう。

佐藤医師よりコメント

インフルエンザは、冬の季節に感染が拡大しますが、4月以降も感染のリスクはあります。インフルエンザウイルスは、年中存在しています。そのため、流行を過ぎた時期でも感染予防対策を心がけていきましょう。

監修者

医師:佐藤留美

内科医・呼吸器科医・感染症科医・アレルギー科医。 久留米大学医学部を卒業後、大学病院、市中病院で臨床医として勤務。また、大学院で感染症の 研鑽を積み、医学博士を取得。内科・呼吸器・感染症・アレルギー等の専門医と指導医資格を多岐にわたり取得。現在は朝倉医師会病院呼吸器科部長として勤務。

この記事を読んだあなたに
オススメの製品