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【医師監修】インフルエンザにかかったことがない人の特徴とは?予防方法なども紹介

2022.11.28| 感染症・消毒

インフルエンザに一度もかかったことがないという人もいれば、毎年かかってしまう人もいます。かかったことがない人と頻繁にかかる人とでは、実際のところ、何が違うのでしょうか。今回はその違いについて解説します。

また、かかったことがない人の特徴から、インフルエンザを予防するためにできることを紹介します。かかったことがない人にも意識してほしいインフルエンザ対策についても解説するので、ぜひ予防活動にお役立てください。

インフルエンザにかかったことがない人、かかりやすい人の違い

インフルエンザは毎年感染する人もいれば、一度もかかったことがない人もいます。医学的には証明されていませんが、個人の免疫力がインフルエンザ感染に関係していると考えられることがあります。

規則正しい生活やバランスの良い食事、十分な睡眠時間、適度な運動習慣は、免疫力を高めるといわれています。インフルエンザなどの感染症にかかりやすい人は、ライフスタイルを見直してみることが良いかもしれません。

規則正しく生活し、栄養面や運動面に注意をしていても、ストレスにより自律神経の乱れが生じ、免疫力が低下する可能性もあります。ストレスを溜めないように楽観的に生きることも意識してみましょう。

また、インフルエンザに一度もかかったことがないからと言って、今後も絶対にかからないという保証はありません。かかったことがない人も、規則正しい生活や食事・睡眠・運動を意識し、インフルエンザにかかりにくい状態を維持することが大切です。

インフルエンザにかからないようにするには

インフルエンザに感染しないためにも、普段から意識したいポイントがいくつかあります。免疫力と行動の2つの面から解説します。

免疫力を高めるために意識すべきこと

インフルエンザを予防するためには、免疫力アップを意識していきましょう。免疫力とは、病原体と戦うために人間にもともと備わっているものです。免疫力を高めるためにできることとしては、次の4つが挙げられます。

  • 規則正しい生活とバランスの良い食事
  • 十分な睡眠
  • 適度な運動
  • ストレスを溜めない生活

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

規則正しい生活やバランスの良い食事を心がける

規則正しい生活を送ることで、自律神経を整え免疫機能を保つ効果が期待できます。なるべく起床時間や就寝時間、食事の時間を決め、毎日規則正しい生活を心がけましょう。

また、バランスの良い食事を心がけ、体の内側から健康になるように意識することも大切です。

十分な睡眠をとる

免疫力を高めるには、睡眠も大事です。毎日十分な睡眠時間を確保することは、免疫力はもちろん疲労回復などにもつながります。

また、就寝時間も調整するようにしましょう。ただ単に長い時間眠るのではなく、十分に熟睡できたかどうかも意識すべきポイントです。

さらに、毎日ほぼ決まった時間に就寝することを意識すると、体内時計が整うだけでなく十分な睡眠もとれ、ホルモン分泌など体内の機能も整うと言われています。

適度に運動をする

免疫力を高めるためには、適度な運動も心がけましょう。軽いウォーキングなどの有酸素運動なども最適です。負荷の少ない筋トレやストレッチであれば室内でできるので、毎日続けやすいはずです。

十分な睡眠へとつなげるためにも、適度な運動が大切です。習慣的に運動をすることで深い眠りを得やすくなるでしょう。

ストレスフリーを心がける

過度なストレスは免疫力を下げる可能性があります。精神的、肉体的なストレスを軽減するためにも、日頃からストレスのない生活を心がけましょう。

とはいえ、日常生活でストレスを完全に避けることは難しいものです。また、ストレスをなくさなくてはという意識が、かえってストレスになることもあるかもしれません。定期的にリフレッシュしながらストレスと上手に付き合うスタンスで生活していきましょう。

インフルエンザにかからないために意識すべき行動

インフルエンザに感染しないように、普段の生活や行動を見直すことも大切です。ウイルスに感染しにくい体を作るために大切な3つのポイントを解説します。

外出後には手洗いをする

外出後は必ず手洗いを行い、手や肌に付着したウイルスを洗い流しましょう。また、手洗いに加えて、アルコールによる手指消毒も併用するのが効果的です。

外出先でもこまめに消毒できるよう、携帯用の消毒薬を持ち歩きましょう。

室内では適度な湿度を保つ

湿度が低く空気が乾燥していると、気道粘膜の防御機能が低下しやすくなります。防御機能を正常に働かせるためにも、室内の湿度を50~60%に保つようにしましょう。

エアコンをつけているときはこまめに換気したり、加湿器を使ったりするようにすることも大切です。

人混みや繁華街への外出はできるだけ控える

インフルエンザの流行時期は、できるだけ人混みや繁華街への外出を控えましょう。とくに基礎疾患をお持ちの方や高齢者、妊婦など、インフルエンザ感染によって重症化が心配な方は外出を控えるほうが良いです。

公共交通機関を利用するときは人の少ない時間帯を選んだり、外食ではなくデリバリーを利用したりと工夫しましょう。

インフルエンザ対策として予防接種を受けるのも効果的

現在普及しているインフルエンザワクチンには、感染を完全に予防する効果はありません。しかし、予防接種を受けることで、インフルエンザを発症しても重症化を防ぐ効果が期待できます。

インフルエンザワクチンは基本的に1回のみの接種ですが、13歳未満は2回接種します。流行時期に備えられるよう、早めに接種スケジュールを組むことが大切です。

流行時期に備えて予防接種を済ませたい方は、流行のピークを迎える前(11月上旬頃)にワクチン接種を終わらせるようにするのが良いでしょう。

なお、インフルエンザの流行時期は11月下旬~翌年3月頃、流行のピークは2月頃になることが多いです。

インフルエンザにかかったことがない人も感染対策を行おう

これまでインフルエンザに感染したことがない人も、免疫力が下がるなどの理由で感染する可能性はあります。規則正しい生活を心がけ、予防法を参考にしながら感染対策に取り組みましょう。

また、予防接種を受けることで、インフルエンザの症状を軽減する効果を期待できます。流行時期になる前に接種を済ませておくようにしましょう。

もちろん、普段からインフルエンザの予防を意識して手洗いなどを徹底することも大事です。外出先でこまめに手を洗うことが難しいときには、アルコール消毒薬を活用することも心がけましょう。

佐藤医師よりコメント

インフルエンザ感染には、個人の免疫力が関わっていると考えられています。つまり、免疫力が高まれば感染しにくくなります。規則正しい生活とバランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスを溜めない生活を心がけて免疫力向上につなげていきましょう。

監修者

医師:佐藤留美

内科医・呼吸器科医・感染症科医・アレルギー科医。 久留米大学医学部を卒業後、大学病院、市中病院で臨床医として勤務。また、大学院で感染症の 研鑽を積み、医学博士を取得。内科・呼吸器・感染症・アレルギー等の専門医と指導医資格を多岐にわたり取得。現在は朝倉医師会病院呼吸器科部長として勤務。

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