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【医師監修】インフルエンザにかかったことがない人の特徴とは?予防方法なども紹介

2022.11.28| 感染症・消毒

インフルエンザにかかったとき、「アセトアミノフェン」が配合された解熱剤を処方されることがあります。この記事では、アセトアミノフェンとはどのような効果のある成分なのか、子どもや妊婦も服用できるのか解説します。

また、アセトアミノフェン配合の解熱剤を服用するときの注意点や、アセトアミノフェンが配合されていない解熱剤が使用できるのかについても説明します。ぜひ参考にしてください。

インフルエンザの解熱剤の配合成分「アセトアミノフェン」とは?

アセトアミノフェンとは、解熱剤に含まれていることが多い成分です。体温中枢に作用し、熱を放散させる効果が期待できます。

アセトアミノフェン配合の解熱剤は、成人だけでなく小児や妊婦にも処方されます。また、錠剤だけでなく坐薬や粉薬、シロップなどさまざまなタイプがあり、服用しやすい方法を選べる場合もあります。

カロナールやコカール、アルピニーなどの商品名で処方されるのが一般的です。また、市販薬のなかにもアセトアミノフェンが配合された解熱剤はあります。

インフルエンザでアセトアミノフェン配合以外の解熱剤は使用できる?

インフルエンザで高熱が続いた場合は、不快な症状を緩和したり脱水症状を防いだりするために解熱剤を使用することがあります。しかし、インフルエンザにかかったときの使用に適さない解熱剤もあるため、市販の薬剤を自己判断で服用しないようにしましょう。

例えば、アスピリン(アセチルサリチル酸)やジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸が含まれる解熱剤は、インフルエンザによる発熱には適さないと言われています。

厚生労働省によると、上記の成分のなかにはインフルエンザ脳炎・脳症の発症リスクを高めるものや重症化させる危険性が含まれるものがあるので、避けたほうが良いでしょう。

また、市販薬のなかにも、インフルエンザによる発熱時に服用に適さない成分が含まれているものもあります。インフルエンザの疑いがある発熱を起こした場合には、自己判断で医薬品を選ぶのでなく、医療機関で相談するようにしましょう。

アセトアミノフェン配合の解熱剤を使うときの注意点

インフルエンザにかかり、アセトアミノフェンを含む解熱剤を処方された場合、服用する際には注意が必要です。次の4つのポイントを押さえて正しく服用しましょう。

用法・用量を守る

アセトアミノフェン配合の解熱剤を服用したことにより、副作用が出る場合があります。用法・用量をきちんと守って服用してください。また、あらかじめ症状が出なくなったときの対処を医師に聞いておくとよいでしょう。

アセトアミノフェン配合の解熱剤は熱や痛みを緩和させる薬であり、インフルエンザの治療薬ではありません。熱以外の症状が重いときは、医療機関を受診して適切な処置を受けるようにしましょう。

ほかの解熱鎮痛薬や風邪薬と併用しない

市販されている解熱剤や鎮痛剤にもアセトアミノフェンが含まれている場合があります。処方されたアセトアミノフェン配合の解熱剤を服用している間は、アセトアミノフェンを含むほかの解熱剤や鎮痛剤は服用しないようにしましょう。

ほかの解熱鎮痛剤を服用したことで、知らぬ間にアセトアミノフェンの過剰摂取になってしまうケースがあると言われています。

アセトアミノフェンを過剰服用すると、肝機能障害を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

また、アセトアミノフェンに限らずほかの成分であっても、併用することによって危険が生じる場合があります。現在服用している薬がある場合には、解熱剤処方を受ける時点で医師に相談しましょう。自己判断でほかの市販薬を飲むことは避けてください。

服用前後の飲酒を避ける

アセトアミノフェンを服用中に飲酒をすることで、副作用が起こりやすくなると言われています。また、普段からアルコールを習慣的に飲んでいる場合も、肝機能障害などの副作用が起こりやすくなると言われているので注意が必要です。

とくにアセトアミノフェンとして1日に1,500㎎を超えて服用する場合は、定期的に肝機能検査を受けて、肝機能に障害が生じていないか確認する必要があります。

アセトアミノフェン配合の解熱剤を服用する前後の飲酒は控え、副作用が起こりやすい状況を作らないようにしましょう。また、定期的に飲酒している場合は、インフルエンザの診察時に医師に伝えましょう。

服用後に発疹・嘔吐などの症状が出たらすぐに医療機関へ

アセトアミノフェンは子どもや妊婦にも使われる成分ですが、副作用が起こる可能性もあります。

場合によっては発疹や嘔吐などの副作用が生じることもあるので、アセトアミノフェンが配合された解熱剤の服用後は体を良く観察し、異変があった場合はすぐに医療機関を受診しましょう。

発疹や嘔吐以外にも、過敏症や食欲不振などの副作用が見られることもあります。また、アナフィラキシーショックなどの深刻な症状が生じるケースもあります。呼吸困難や全身潮紅、蕁麻疹などが出たときも、すぐに医師の診察を受けることが大切です。

アセトアミノフェン配合の薬などに頼る前に感染予防を徹底しよう

アセトアミノフェンは、インフルエンザの解熱剤の成分としてよく使われています。子どもや妊婦にも処方されることがありますが、副作用がないわけではありません。発疹や嘔吐の症状が出たときは、医療機関を受診しましょう。

また、服用前後にアルコールを飲むことで肝機能障害が起こることもあるので、服用時には飲酒を避けてください。

場合によっては呼吸困難や全身潮紅などの深刻な副作用が生じることがあります。早めに医療機関を受診するようにしましょう。

まずは、インフルエンザにかからないために普段からインフルエンザ予防に取り組むことが大切です。手洗いやアルコールによる手指消毒を行うこと、また、インフルエンザの流行時期はなるべく人混みのなかを避けることも意識しましょう。

規則正しい生活やバランスの取れた食事、適度な運動、質の高い睡眠も、インフルエンザの予防につながることがあります。薬に頼らなくても健康を維持できるように、普段の生活から見直しましょう。

佐藤医師よりコメント

インフルエンザのときに使われるアセトアミノフェン配合の解熱剤を使用することで、肝機能障害やアレルギー反応が起こる場合があります。また、インフルエンザに適さない解熱剤もあるため、市販の薬剤を自己判断で服用しないよう、異変があった場合はすぐに医療機関を受診するようにしましょう。

監修者

医師:佐藤留美

内科医・呼吸器科医・感染症科医・アレルギー科医。 久留米大学医学部を卒業後、大学病院、市中病院で臨床医として勤務。また、大学院で感染症の 研鑽を積み、医学博士を取得。内科・呼吸器・感染症・アレルギー等の専門医と指導医資格を多岐にわたり取得。現在は朝倉医師会病院呼吸器科部長として勤務。

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