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熱が出ない大人の嘔吐・下痢|その症状ノロウイルスかも?原因や対処法を解説

2025.01.26| 感染症・消毒

大人は、嘔吐や下痢の症状があっても熱が出ないことがあります。熱が出ない嘔吐や下痢の原因は、急性の感染性胃腸炎や食中毒、ストレスによる腸の不調などさまざまです。

11月~3月の冬季には、とくにノロウイルスによる胃腸炎が猛威を振るう傾向があります。「熱が出ないから大丈夫」と軽視してしまいがちですが、嘔吐や下痢により脱水を起こし、生活に支障を来すこともあります。

ノロウイルスは強い感染力を持つため、家庭内感染にも注意が必要です。今回は、嘔吐や下痢の原因と対処法、とくに身近なノロウイルスに対する家庭内での感染対策について解説します。

嘔吐・下痢や吐き気の主な原因とは

嘔吐や下痢、吐き気などの症状を引き起こす原因の1つとして、胃腸炎があります。

胃腸炎とは胃と腸に炎症が起きる状態で、感染性と非感染性の2つのタイプがあります。

感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌などが体に入って起こります。なかでも代表的なウイルス性胃腸炎が、冬季に多いノロウイルス感染症です。

ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、 潜伏期間が1〜2日程度で、嘔吐、下痢、吐き気などの症状が出ます。発熱は必ずしも高くなく、軽度である場合も少なくありません。

嘔吐や下痢の原因は、ノロウイルス以外にもあります。例えば、サルモネラ、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などの細菌が原因となる食中毒でも、急な下痢や嘔吐を引き起こします。

また、過敏性腸症候群(IBS)のような、消化管の機能性疾患が原因になっている可能性も否定できません。IBSは、心理的ストレスが腸に影響を及ぼし、下痢や腹部不快感を引き起こします。

さらに、一部の薬剤が吐き気や下痢を引き起こすケースもあります。こうした原因は嘔吐や下痢という点でノロウイルスと共通しているため、見分けが難しい場合もあります。

ノロウイルスの疑いがあるときの対処法

 

流行期に嘔吐や下痢などの症状が出た場合、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の可能性があります。体調を崩した際はまず医療機関へかかり、ノロウイルスに感染しているかどうかを調べましょう。

一般的に、ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、初期症状が現れてから約1〜2日で治まり、大事には至らないことが多いです。

しかし、嘔吐や下痢の症状があるときは、体の水分と電解質が失われ、倦怠感やめまい、尿量の減少などの脱水症状が現れることがあります。このような状態になる前に、脱水対策を行いましょう。

症状が激しいときは、食事は無理に食べなくてもかまいません。経口補水液やスポーツドリンクなどを少しずつ摂取し、水分と電解質を補給してください。

症状が落ち着いてきたら、おかゆや煮込みうどんなどの消化にやさしい食品を少量ずつ摂ると回復の助けになります。脂質の多い食品や刺激物は避け、胃腸への負担を減らしましょう。

嘔吐や下痢の症状が続く場合は、脱水が進みやすくなります。とくに高齢者や基礎疾患のある方、乳幼児では症状が重くなることがあるため、早めに医療機関を受診してください。

ノロウイルスに効く薬はあるの?

ノロウイルスに有効な抗ウイルス薬は、まだ見つかっていません。そのため、ノロウイルスに感染した場合は、それぞれの症状に応じた対症療法が中心となります。

市販薬を自己判断で安易に使ってしまうと、かえって回復を遅らせる可能性があるため注意が必要です。

嘔吐や下痢の症状が強いときや脱水の兆候があるときは、自己判断で対処せず、医療機関で適切な治療を受けましょう。

家庭内でノロウイルスの二次感染を防ぐための対策

 

ノロウイルスは感染力が非常に強く、便や嘔吐物、手指や食べ物を介して簡単に感染してしまうといわれています。

とくに学校や職場、家庭などの集団生活の場においては、人から人への感染のリスクが高まります。そのため、症状が出たときには日常生活の中でできる予防策をしっかり行うことが大切です。

以下では、基本的な手洗いや手指消毒、嘔吐物の速やかな処理、調理器具の消毒など、具体的な対策について解説します。

手洗いを徹底し、酸性アルコールで手指を消毒する

ノロウイルスの感染予防として最も重要なのが、手洗いです。とくに調理の際や食事の前、トイレの後などは念入りに手を洗いましょう。

タオルは家族間で共有せず、清潔なものを使用します。タオルの管理が難しい場合は、使い捨てのペーパータオルを使用するのも1つの方法です。

手洗いの後には、酸性アルコールを用いた手指消毒薬を取り入れることで、感染対策をより強化できます。

ノロウイルスは、一般的なアルコール消毒薬では効果が十分に得られにくいとされる「ノンエンベロープウイルス」に分類されています。一方、アルコールのpHを調整した酸性アルコールは、ノンエンベロープウイルスに対して高い消毒効果を示すことが報告されています。

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適切にすばやく嘔吐物を処理する

ノロウイルスによる胃腸炎では、嘔吐物に大量のウイルスが含まれています。そのため、嘔吐物は、すばやく適切に処理することが重要です。

処理する方は、使い捨てのエプロンやマスク、手袋を着用し、足にはビニール袋を履くなどして、嘔吐物が付着しないようにしましょう。

嘔吐物を処理する際は、飛散しないよう、ペーパータオルや新聞紙などで静かに覆って取り除きます。汚染範囲を広げないよう、外側から内側に向かって拭き取ることがポイントです。

集めた嘔吐物や使用済みのペーパー類は、二重にしたビニール袋に入れて密閉し、次亜塩素酸ナトリウムの消毒液を加えて廃棄しましょう。床や周囲の汚れた箇所は、0.1%の次亜塩素酸ナトリウム液で浸すように拭きます。部屋の換気も十分に行いましょう。

嘔吐物の量が多い場合は、市販の凝固剤を使用するのもおすすめです。処理が完了したら、身に付けていたエプロンもビニール袋に入れて処理してください。

手袋を外した後は、石けんと流水でしっかりと手を洗い、消毒も忘れずに行います。次亜塩素酸ナトリウムは刺激作用があるため、手指消毒には酸性アルコールを使用しましょう。

調理器具の消毒を行う

調理器具にノロウイルスが付着した可能性がある場合は、洗浄に加えて消毒も必要です。

まずは通常どおり洗剤を使い、まな板、包丁、食器などの汚れを十分に落とします。

洗浄後、0.1%の次亜塩素酸ナトリウム消毒液を染み込ませたペーパータオルで調理器具を拭くか、消毒液に調理器具を浸します。熱に強い調理器具やふきんなどは、85℃以上の熱湯で1分以上加熱することで、消毒が可能です。

熱がなくても嘔吐・下痢の症状が出たら適切なケアと感染対策を

熱が出なくても嘔吐や下痢の症状がみられる場合は、ノロウイルスを含む感染性胃腸炎の可能性があります。

ノロウイルスの疑いがある場合は、自己判断で対処しようとせず、早めに医療機関を受診し適切な処置を受けることが大切です。

家庭内での感染を防ぐためには、日常的な手洗いや酸性アルコールによる手指消毒が役立ちます。嘔吐物や便など汚染された場所や物品については、次亜塩素酸ナトリウム消毒液を使用しましょう。

ノロウイルスの知識と対処法を身につけ、自身や家族、周囲の人を守りましょう。

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