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【医師監修】インフルエンザの合併症ってどんな病気?注意すべき症状の年齢別まとめ

2022.11.28| 感染症・消毒

毎年冬になると、流行するインフルエンザ。高熱や全身症状などの辛い症状が出るだけでなく、実は死亡するケースもある恐ろしい合併症を引き起こす可能性があります。

インフルエンザの合併症には、さまざまな種類がありますが、年齢層によっていくつか特徴があることがわかっています。

そこで、今回は、「インフルエンザの合併症」にはどんなものがあるか、合併症が疑われる場合はどうしたら良いのかを解説します。

インフルエンザの合併症にならないための対策法やインフルエンザの予防法も紹介していますので、健康な方もぜひ参考にしてみてください。

インフルエンザの合併症には、どんなものがある?

インフルエンザは、38℃以上の高熱や全身の倦怠感や筋肉痛、呼吸器系の症状などを発症する重篤な病気の1つで、肺炎、気管支炎、結膜炎、中耳炎などの合併症を引き起こす可能性があります。

インフルエンザの合併症には、さまざまなものがありますが、年齢層によってかかりやすい合併症があります。ここでは、年齢層別に、注意すべき合併症とその症状を解説します。

小中学生から青壮年層までは、呼吸器系の合併症に注意

小中学生から、40代前半くらいまでの年齢の方は、肺炎や気管支炎などの呼吸器系の合併症に注意が必要です。

インフルエンザを発症してから3~4日経っても熱が下がらない場合、1度下がった熱がぶり返してきた場合、呼吸が苦しいと感じる場合は、肺炎や気管支炎を引き起こしている可能性があります。こういった症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。

リスクの高い高齢者は肺炎を警戒する

一般的に高齢者は、抵抗力が低くなっているため、インフルエンザが長引くことも多く、他の年齢層に比べて合併症を引き起こしやすくなっています。

高齢者に1番多く見られる合併症は肺炎で、インフルエンザが治る前に発症する場合もあります。

インフルエンザを発症してから、3~4日経っても熱が下がらない、熱がぶり返した、呼吸が苦しいなどの症状が見られたら、肺炎など他の疾患を引き起こしている可能性がありますので、医療機関を受診するようにしてください。

まれに、インフルエンザウイルスが排除された直後に、他のウイルスに感染する場合もあります。上記に当てはまらない症状でも、異変を感じたら医療機関を受診してください。

乳幼児はインフルエンザ脳症に気をつける

1~5歳の乳幼児は、インフルエンザ脳症という合併症を引き起こしやすい傾向にあります。体のけいれんが見られる、意識がもうろうとしている、などの症状がある場合はインフルエンザ脳症の可能性があります。

インフルエンザ脳症を発症することはまれですが、毎年、日本では100~200人程度が発症する重篤な病気で、後遺症が残る可能性もありますので、疑いがある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

また、3歳以下の子どもに多く見られる合併症が「中耳炎」です。インフルエンザによる急性中耳炎は、鼻やのどで増殖したウイルスが耳管を通って中耳に入ることで起こると言われています。

子どもが耳の痛みを訴える、耳だれが出るといった症状がある場合は、医療機関を受診するようにしてください。

インフルエンザの合併症を防ぐには?

インフルエンザの合併症を予防するためには、インフルエンザワクチン接種をしておくと良いでしょう。ワクチン接種をしておけば、インフルエンザにかからないというわけではありませんが、インフルエンザの重症化や死亡を防ぐ効果が期待できます。

国内の研究では、65歳以上の高齢者がワクチンを接種した場合、約82%の死亡を阻止する効果があったと報告されています。また、6歳以下の乳幼児に関しては、約60%の発病を予防したという研究もあります。

リスクの高い高齢者や乳幼児、持病のある方がインフルエンザに罹った場合、肺炎やインフルエンザ脳症などの合併症を引き起こして死亡するケースもありますので、インフルエンザの流行時期前にワクチン接種をしておくと良いでしょう。

インフルエンザの合併症にかかってしまったら?

ここまで解説してきた、肺炎やインフルエンザ脳症などのインフルエンザの合併症が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診してください。

ご自身やご家族が合併症を引き起こしているかどうかを判断することは難しいので、症状に変化があった場合は医師に相談するようにしましょう。

また、一時的に症状を改善することを目的として市販薬を服用することも避け、医師の指示に従うようにしてください。

まずはしっかりインフルエンザを予防する

インフルエンザの合併症にならないためにも、まずはしっかりインフルエンザを予防することが大切です。インフルエンザを予防するための3つのポイントをお伝えしますので、チェックしてみてください。

手洗いと手指のアルコール消毒

インフルエンザは、ウイルスが付着したところに触れた手で、鼻や口などの粘膜を触ることで感染すると言われています。

しかし、外出先ではドアノブやつり革、エレベーターのボタンなど、不特定多数の人が触れたところを触る機会が多くなってしまいます。

そういったリスクが多い外出先では、アルコールでこまめに手指を消毒すると良いでしょう。インフルエンザウイルスには、アルコール消毒が有効とされていますので、こまめに消毒することで感染リスクを軽減できます。

また、帰宅時には指先や手首までしっかり石けんで洗うことも大切ですが、玄関にアルコールを置いておいて、帰宅後すぐに手指を消毒すると、家の中にウイルスを持ち込みにくくなります。

部屋を適度に加湿する

部屋の湿度が低いと、気道粘膜が乾燥しウイルスに感染しやすくなると言われているので、適度に加湿することが大切です。加湿器などを使い、湿度は50~60%程度に保つようにしましょう。

加湿器がない場合は、洗濯物を部屋干ししたり、濡れタオルを干したりすると湿度が上がります。

生活習慣を整えて、免疫力をアップさせる

私たちには本来、ウイルスから体を守る「免疫」がありますが、疲れやストレス、睡眠不足はその免疫力を下げる原因になると言われています。

免疫力をアップさせるためには、日頃から規則正しい生活を心掛け、十分な睡眠をとることが重要です。インフルエンザを予防するためにも、適度にストレス発散をして、疲れをためないように工夫してみてください。

インフルエンザの合併症が疑われる場合は医療機関へ

インフルエンザは、インフルエンザ脳症や肺炎などの合併症を引き起こす重篤な病気です。熱が3~4日下がらない、体がけいれんする、呼吸が苦しいなど、合併症が疑われる症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

また、インフルエンザの合併症にかからないためにも、普段から手指をこまめにアルコール消毒し、規則正しい生活を送り、インフルエンザに感染しないように予防をしましょう。

佐藤医師よりコメント

インフルエンザは、肺炎や脳症などといった合併症を引きおこすこともあります。インフルエンザの合併症を予防するためには、インフルエンザワクチン接種や普段から手指消毒を行い、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

監修者

医師:佐藤留美

内科医・呼吸器科医・感染症科医・アレルギー科医。 久留米大学医学部を卒業後、大学病院、市中病院で臨床医として勤務。また、大学院で感染症の 研鑽を積み、医学博士を取得。内科・呼吸器・感染症・アレルギー等の専門医と指導医資格を多岐にわたり取得。現在は朝倉医師会病院呼吸器科部長として勤務。

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