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【新型コロナウイルス】感染拡大を防ぐ、マスクの正しい付け方

2022.11.28| 感染症・消毒

新型コロナウイルスの感染が拡大しています。感染を広げないためには、咳やくしゃみといった症状がある場合は、マスクを着用するなど、周りの人に感染を広げないよう咳エチケットを徹底して行うことが大切です。ただし、せっかくのマスクも、正しい付け方をしなければ十分な効果は得られません。今回は、マスクの正しい付け方やマスクを着用する際の注意点などについて解説します。

新型コロナウイルスに対するマスクの有用性とは

2019年12月以降、世界各地で感染を広げている新型コロナウイルス。感染して発症すると、ほとんどの場合は、発熱や頭痛、咳、くしゃみ、全身倦怠感といった風邪のような症状が1週間程度続いた後、自然に治癒すると考えられています。しかしながら、高齢者や持病のある人が発症した場合、呼吸困難や肺炎などを引き起こし、集中治療室で治療を受ける必要が出てくるほど重篤な事態になるケースもあります。感染の拡大を防ぐためにも、一人ひとりが徹底して予防対策を取ることが大切です。

新型コロナウイルスから身を守るには、感染経路を断つことが重要です。新型コロナウイルスの主な感染経路は2つあり、そのうちの1つが、ウイルスの付着した部分に触れた手を介して、目や鼻、口からウイルスが体内に侵入する「接触感染」です。この経路を断つには、もっともウイルスが付着しやすい手指をこまめに手洗い、またはアルコール消毒することが重要です。手洗いの際は石けんと流水を用い、入念に手洗いをしましょう。すぐに手洗いできない状況ならば、携帯用のアルコール消毒液を手指にすり込み、消毒するのも有効です。

石けんで手洗い

もう1つの感染経路は、感染者の咳やくしゃみなどの飛沫を吸いこむことでウイルスに感染する「飛沫感染」です。この経路を断つ方法として、人混みを避け、家庭や職場など、複数人で過ごす空間をこまめに換気することが推奨されていますが、それ以上に重要と考えられているのは、くしゃみや咳などの症状がある人が飛沫をまき散らかさないよう、咳エチケットを徹底することです。その1つにマスクの着用があります。マスクはウイルスの侵入を完全に遮断することはできないため、健康な人が感染予防として用いる場合の有用性は限られています。しかし一方で、症状のある人が着用することで、飛沫の飛散が防げるので、健康な人にウイルスを移すリスクを軽減できると考えられるのです。
新型コロナウイルスは目に見えないため、いつ感染しているか分かりません。咳やくしゃみなどの症状がある人は、必ずマスクを着用したり、ハンカチで口元を覆ったりするなどの対応をとり、飛沫の飛散を最小限に留めましょう。

感染拡大を防ぐ、マスクの正しい付け方

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新型コロナウイルスの感染を拡大させないためには、咳やくしゃみなどの症状がある人がマスクを着用することが重要であることが分かりました。ただし、単にマスクを付ければよい、というわけではありません。というのも、顔とマスクの密着が不十分だと、隙間が多くなり、飛沫の飛散を十分に抑えることができないからです。続いて、正しいマスクの着用手順を解説しますので、これを参考に実践しましょう。

●正しいマスクの着用手順
① マスクを触る前に手洗いをする
② マスクが鼻に密着するように、事前にマスクの中央部分を軽く折っておく。ワイヤーが入っているタイプは、鼻の形に合わせて折り曲げておく
③ 折った部分を鼻にあて、小鼻にあたる部分のマスクを軽く押さえて隙間を無くす
④ 紐を耳にかける
⑤ 鼻は覆ったままマスクを下に広げて顎の下までしっかり覆う
⑥ マスクと顔の間にすき間ができないよう、マスクの上下左右をフェイスラインに沿って整える

この手順に沿ってマスクを着用すると、マスクと顔の隙間が少なくなり、咳やくしゃみをした際に、飛沫の飛散を最小限に抑えることができます。飲食などのためマスクを外すことがありますが、手元にマスクが十分にある場合は、一度外したマスクは破棄し、新しい物に取り換えることが望ましいです。マスクの備蓄がない場合は、一日一枚使うのを限度とし、数日使いまわすのは控えましょう。

厚生労働省が推奨する「マスクについてのお願い」

咳やくしゃみなどの症状のある人はマスクを着用することが望ましいですが、現在、深刻なマスク不足が続いています。これを解消するため、国は民間企業と連携し、毎週1億枚以上のマスクを製造しています。それでもマスクが不足してしまう要因として、予防用にマスクを過剰に購入している人がいることが考えられています。しかし、感染予防としてマスクの着用が必要とされる状況は限られており、予防用にマスクを着用するのが望ましいとされているのは、ウイルスの含まれた飛沫を吸いこむリスクのある、以下のような状況と考えられています。

・咳やくしゃみの症状のある人を看病する
・同じ家で生活する家族に症状がある
・仕事や用事のため不特定多数の人が集まる場に出向く

このような状況では、健康な人も予防のためにマスクを着用した方がよいでしょう。逆にこれらのケース以外では、やみくもにマスクを着用しても、感染予防の効果は少ないと考えられています。厚生労働省からも次のような啓発が行われています。

●厚生労働省からのマスクについてのお願い
① マスクは買い占めなくても大丈夫
風邪や感染症の疑いのある人にマスクを届けるために、必要な分だけ買うようにしましょう。
② 使い捨てマスクがないときは代用品を使おう
ガーゼマスクや、タオルなど口を塞げるものでも飛沫(くしゃみなどの飛び散り)を防ぐ効果があります。
③ こまめな手洗いなどの基本も大事
帰宅時や、料理・食事の前など、口や鼻に触れる前に、こまめに手洗いなどをしましょう。

新型コロナウイルス感染症対策「マスクについてのお願い」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000594878.pdf

これらを念頭に、本当に必要とされる人にマスクが行き渡るよう、節度を持って購入しましょう。また、あくまで感染予防の基本は、ウイルスが付着しやすい手指をしっかり洗うことです。帰宅時やトレイの後、食事の前など、石けんと流水で入念に手洗いを行いましょう。これに加え、身の回りの消毒も重要です。新型コロナウイルスはアルコール消毒が有効であるといわれています。手指はもちろんのこと、多くの人が触れるドアノブやスイッチなど、ウイルスが付着している可能性が高い部分はアルコール剤を用いて、こまめに消毒をしましょう。

まとめ

新型コロナウイルスにいつ、どこで感染するか分からない不安から、マスクの需要が過剰となっています。感染拡大を防ぐために重要なのは、咳やくしゃみなどの症状がある人が、正しくマスクを着用することです。ウイルスの飛散を少なくしなければ、感染するリスクは一向に下がりません。必要な人にマスクが届くよう、節度を持ってマスクを購入しましょう。また健康な人は、人混みを避け、こまめに手洗いや手指のアルコール消毒をすることで、十分に感染予防ができると考えられています。感染が拡大する今こそ冷静になり、自身だけでなく、多くの人が感染しないために何が最善かを考えて行動しましょう。

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