2020.11.18 ノロウイルスなど感染症予防について

【医師監修】ノロウイルスになった時に、オススメの飲み物・食べ物について

ノロウイルスなど感染症予防について
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ノロウイルスにかかると、感染性胃腸炎を発症し、嘔吐や下痢といった症状が数日間続きます。脱水症状を引き起こさないためには水分補給が重要ですが、何を、どのように飲めばいいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。食事についても、胃腸が弱っている時なので、どのような点に気を付けたらいいのか気になります。そこで今回は、ノロウイルスにかかった際にどのような飲み物・食べ物が適切なのか詳しくみていきましょう。

ノロウイルスにかかった時の、飲み物・食べ物の適切な取り方

ノロウイルスによる感染性胃腸炎の症状がある時は、胃腸への負担が少ない飲み物・食べ物がよいと考えられています。具体的にどのようなものがよいのか、飲み物・食べ物それぞれについて解説します。

ノロウイルスにかかった時の水分補給のポイント

突然の嘔吐から始まることが多いノロウイルスによる感染性胃腸炎は、発症から3~6時間程度の間は、激しい嘔吐が繰り返されます。その後、下痢の症状が現れるケースが多いです。

嘔吐や下痢が繰り返されると脱水症状が心配になります。しかし、「脱水症状にならないよう、水分を取らなければ!」と、慌てて大量に飲料を飲むと、かえって胃が刺激されて吐き気を催し、すぐに吐き出してしまうことも少なくありません。嘔吐の症状が激しい間は、無理に飲料を飲むことはせず、落ち着くまで待ちましょう。

吐き気が治まってきたら、水分補給を始めます。まず少量を飲み、吐き気を催さないか様子をみて、大丈夫だったら、また少量飲むといったように、ゆっくり水分補給していきます。この際、飲み物が冷たいと胃に負担を与えてしまうため、冷蔵庫から取り出したままを飲むのではなく、常温に戻してから飲むようにしましょう。

水分補給のポイント

●適切な飲み物
常温水や麦茶などでもよいですが、症状が激しい場合は、水分と電解質を同時に補給できるスポーツドリンクや経口補水液が推奨されています。というのも、嘔吐や下痢によって排出される体液には、体内の塩分やカリウムといった電解質も多く含まれているため、水分だけでなく、電解質の補給も必要だからです。風邪や発熱の際の水分補給にも利用できるので、病気に備えて、家に1、2本常備しておくとよいでしょう。

●避けたい飲み物
コーヒーや紅茶、緑茶など、カフェインが含まれた飲料は避けましょう。カフェインには利尿作用があり、体内の水分を排出するのを促してしまうため、脱水症状を進行させてしまう可能性があります。また、オレンジジュースやグレープフルーツジュースなど、酸味のある飲み物も、吐き気を催してしまうため控えたほうがよいと考えられています。同様に、炭酸飲料も炭酸が胃を刺激して吐き気を助長するので好ましくありません。牛乳や乳性飲料も消化する際に胃腸に負担を与えてしまうので、胃腸炎の時は不向きの飲み物といえるでしょう。体調を崩しているので、当然アルコールもNGです。

ノロウイルスにかかった時の食事のポイント

ノロウイルスによる感染性胃腸炎を発症すると、胃腸が弱るため、あまり食欲が感じられなくなってしまいます。しかし、嘔吐や下痢を繰り返すことで体内の水分を大量に失ってしまうため、水分補給は重要です。まずは、しっかりと水分補給を心がけ、体調が落ち着いてきたら、徐々に食事をとるようにしていきましょう。

ノロウイルスにかかった時の食事で最も大切なのは、胃腸に負担を与えないことです。消化のよい食事を、少量ずつ頻回に分けて、ゆっくり食べるようにしましょう。特に、発症から1、2日は、感染性胃腸炎の症状が強く現れるため、無理に食事をとる必要はありません。3、4日経って症状が落ち着き、食欲がわいてきたら、少しずつ食事を再開しましょう。

食事のポイント

●適切な食べ物
発症から1、2日は、しっかり水分補給ができていれば、無理に食事をとる必要はありません。食欲があれば、おかゆ、柔らかく煮込んだうどん、すり野菜のスープなど、消化しやすい食べ物を、あっさりとした味付けでいただきましょう。すりおろしたリンゴも口当たりがよくオススメです。
発症から3、4日経ったら食欲もわいてくるので、やや食べ応えのある食事をとりいれます。主食を卵や魚、野菜を入れた具だくさんの雑炊にしたり、副菜に野菜の煮物や卵焼きを加えたりして、食べた後の体の様子をみながら、徐々に通常食に戻していきましょう。

●避けたい食べ物
食物繊維が多い根菜類やキノコ類、脂肪分の多い肉類などは消化しづらいので、避けるのが望ましいです。味付けは薄味を心がけ、胃腸に刺激を与える香辛料の使用は控えましょう。
果物が食べたい場合には、酸味の強いものは吐き気を催すため、みかんやオレンジなどの柑橘類は避けた方がよいでしょう。ヨーグルトなどの乳製品は、消化の際に胃腸に負担を与える恐れがあるので避けた方が安心です。

ノロウイルスにかかった時の治療法

自宅で安静待機のイメージ

現段階ではノロウイルスに対する抗ウイルス剤はありません。感染性胃腸炎そのものを治す薬や治療法もないため、医療機関へかかった場合も、胃腸の調子を整える整腸剤が処方される程度で、後は自宅で安静に過ごし、自然治癒するのを待つことになります。

下痢止めの薬はありますが、薬を使って無理に下痢を止めると、ウイルスを排出できなくなり、かえって症状が長引いてしまうと考えられています。そのため、感染性胃腸炎の治療では、下痢止めを使わないのが一般的です。吐き気止めの薬については、吐き気が強く、水分や食事がとれない場合は処方してもらうことができるので、相談してみるとよいでしょう。

なお、嘔吐や下痢の症状がひどく、脱水症状が進行している場合は、点滴の処置を受けることもあります。おしっこの量が少ない、体がだるい、頭痛やめまいなどの症状があれば、脱水症状が進んでいる可能性があるため、速やかに医療機関へかかりましょう。

まとめ

ノロウイルスによる感染性胃腸炎の特効薬はないため、回復するには嘔吐や下痢によって体内からノロウイルスを排出し、自然治癒を待つことになります。ノロウイルスにかかった時は、今回の解説を参考に、胃腸に優しい飲み物・食べ物を選び、栄養と水分補給を行いながらしっかり療養しましょう。

木村医師よりコメント
下痢と嘔吐を繰り返してつらい「ノロウイルス感染症」。この時の水分補給は、少しずつ吸収のいい水分を摂ることをおすすめします。経口補水液は、普段はしょっぱく感じて飲みにくい飲料ですが、体調が悪い時には美味しく感じるはずです。美味しく感じる間は、脱水傾向があると考えていいでしょう。こまめに水分補給を行い、安静に過ごしてください。

監修者

監修者

医師・木村眞樹子
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科として在勤中。内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。総合内科専門医。循環器内科専門医。日本睡眠学会専門医。ビジョントレーニング指導者1級資格。

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