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【医師監修】インフルエンザのワクチン接種率はどの程度?必要性や時期についても解説

2022.11.28| 感染症・消毒

インフルエンザの予防対策の1つとして、インフルエンザのワクチン接種を実施することがあります。しかし、インフルエンザのワクチンは任意接種なので、接種しない方も少なくありません。

また、インフルエンザのワクチンは基本的には1年に1回接種、13歳未満の子どもは1年に2回の接種とされているため、受ける場合は毎年の接種が必要になる点も注意が必要です。

今回はインフルエンザのワクチン接種率を紹介し、必要性や接種時期について説明します。また、ワクチン接種以外の予防対策についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

インフルエンザのワクチンの接種率はどのくらい?

全人口におけるインフルエンザワクチンの接種率は約1/3です。

なお、インフルエンザが重症化する可能性が高い方は「定期接種」の対象となり、年に1回の接種を推奨されます。対象者は65歳以上の方と60~64歳で基礎疾患を有する一部の方ですが、これらの対象者(2015年時点では約3,390万人)のうち、約半数がインフルエンザの予防接種を受けています。

厚生労働省によれば、この割合は例年ほとんど変わらず、定期接種対象者の半数前後の方が毎年インフルエンザの予防接種をしていると報告されています。

インフルエンザのワクチン接種は必要?

インフルエンザワクチンを接種しても、100%インフルエンザに感染しないわけではありません。しかし、ワクチン接種をしておくことで、万が一インフルエンザにかかっても、重症化や合併症を起こしにくいといわれています。

また、年齢を問わず、呼吸器や心臓、腎臓などに疾患がある方は合併症にかかる可能性があるため、医師と相談した上で、インフルエンザの予防接種をしておくと良いでしょう。

合併症対策に必要なこと

インフルエンザでの死亡は、二次感染による肺炎が最も多い原因とされています。よくある病気だからと軽く見るのではなく、インフルエンザにかかってから、さらに体調の変化があったときは医療機関を受診しましょう。

とくに高齢者や、基礎疾患のあるなしに関わらず重症化する可能性がある子どもは、より一層の注意が必要です。

インフルエンザのワクチン接種は流行前にしよう!

インフルエンザのワクチンは、接種して約2週間後から効果を発揮するといわれています。インフルエンザが流行しやすいとされているのが11月下旬からのため、11月上旬までには接種しておくと良いでしょう。

また、13歳未満の子どもに関しては2回の接種が必要です。インフルエンザの流行が始まるまでに2回目の接種が終わるようにスケジュールを組みましょう。

なお、1回目の接種の時点で12歳の子どもに関しては、2回目の接種は年齢に関わらず実施します。すでに13歳になっている場合であっても2回目を受けて問題はないといわれています。

予防接種以外の対策も実施しよう

インフルエンザの予防はワクチン接種以外もできることがあります。例えば流行時期は人混みを避けたり、外出先から戻ったら手洗いや手指の消毒をしたりすることも、インフルエンザを予防する1つの方法です。

室内はこまめに換気し、加湿器を利用するなどしてある程度湿度を保つことも重要です。

日本ではインフルエンザ予防注射の接種率は約1/3で、定期接種の必要がある方の接種率は約1/2です。接種率に左右されるのではなく、自分の身を守るためにも、毎年流行前に接種するようにしましょう。

工藤医師よりコメント

インフルエンザの予防接種はあくまで任意ですが、流行前に接種することで万が一かかってしまった場合に重症化や合併症抑えることができます。とくに高齢者や基礎疾患のある方、お子さん等のリスクのある方は流行前にあらかじめ接種しておくことをおすすめします。

監修者

医師:工藤孝文

医師:工藤孝文 内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医。 福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。 現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科で地域医療に力を注いでいる 専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。 テレビ・ラジオなどのメディアでは、ジャンルを問わず様々な医療の最新情報を発信している。 NHK「ガッテン!」では、2018年度の最高視聴率を獲得した。 著書は15万部突破のベストセラー「やせる出汁」をはじめ、50冊以上に及ぶ。 日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。

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