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VOL.85 水分を摂っているのに便秘になる原因は?理由や対策を理解し、毎日つるんと快便へ

「しっかり水分を摂っているのに、なぜか便が出ない」と悩んでいる方は多いかもしれません。

便秘の原因は水分不足と思われがちですが、実際には腸の状態や食生活、ストレス、運動不足、服薬の影響などさまざまです。

今回は、水分補給をしても便秘が続く理由や便秘の種類と原因、水分補給以外の便秘解消法をわかりやすく紹介します。日常生活を振り返り、適切な便秘解消法を取り入れ、つるんと快便を目指しましょう。

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水分を摂っているのに便秘が続く理由

水分を摂っていても便秘が解消しない場合は、その「摂り方」や「内容」に原因がある可能性があります。

1日の水分摂取量の目安は2リットルといわれています。水分を摂っているつもりでも、実際には十分ではないケースは少なくありません。

とくに、コーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲料は利尿作用があるので注意が必要です。摂取した水分が体外に排出されやすく、結果として体内の水分量が不足してしまう可能性があります。

また、一度に大量の水を飲むとすぐに尿として排出されてしまうため、少量ずつこまめに水分補給することが大切です。

水分摂取の方法に気をつけても便秘が続く場合、ほかの要因が関係する可能性があります。以下で、便秘の種類や原因について詳しく見ていきましょう。

便秘の種類と原因

便秘は「便がなかなか出ない」「出てもスッキリしない」「コロコロとした硬い便しか出ない」といった状態をさします。

主な便秘の種類として、「機能性便秘」「器質性便秘」「症候性便秘」「薬剤性便秘」の4つがあげられます。各便秘の特徴や原因について確認しましょう。

機能性便秘

機能性便秘は、腸や肛門に明らかな異常がないにもかかわらず、便秘になる状態です。実際、慢性的な便秘の多くは機能性便秘に分類されるとされています。

機能性便秘の主な原因は以下のとおりです。

  • ・運動不足:大腸のぜん動運動が低下し、便を押し出す力が弱まる。
  • ・ストレス:自律神経のバランスが崩れ、大腸が過剰に緊張したり動きが不規則になったりすると、便の通過が妨げられる。
  • ・便意を我慢する習慣:便意を感じにくくなる。
  • ・食物繊維や水分の不足:腸内環境が悪化し、便秘の原因になる。

このように、機能性便秘は日常生活の中に原因が潜んでいることが多く、生活習慣の見直しが改善のカギとなります。

また、機能性便秘は、女性や高齢者に多くみられます。女性はホルモンの影響により腸の働きが変化しやすく、高齢者は筋力や活動量の低下によって腸の動きが鈍くなりやすい傾向です。

器質性便秘

器質性便秘は、大腸がんやポリープ、炎症など腸の異常によって生じる便秘です。腸が狭くなったり、ねじれたりすることで、便の通過が妨げられます。

器質性便秘は、病気が原因であるため、治療が必要です。急に便秘になった場合や、腹痛・血便・便が細くなるといった症状がみられる場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

症候性便秘

症候性便秘は、大腸以外の病気が原因で起こる便秘です。

例えば、糖尿病や甲状腺機能低下症、パーキンソン病、脳血管疾患などは、腸の動きに影響を与えることがあります。

症候性便秘の場合は、原因となる病気の治療が基本です。治療と同時に生活習慣を見直すことで便秘の改善につながります。

薬剤性便秘

薬剤性便秘は、薬の副作用によって起こる便秘です。

代表的な薬には、向精神薬、抗うつ薬、鉄剤などがあり、これらは自律神経の働きや腸の水分バランス、ぜん動運動に影響を与えることで便秘を引き起こす場合があります。

薬剤性便秘が疑われる場合は、自己判断で薬を中止せず、必ずかかりつけ医に相談しましょう。医師の判断で薬の種類や量の調整、便通を促す薬の併用などが行われ、改善が期待できます。

また、薬の副作用による便秘は、生活習慣の工夫とあわせて対処することで、コントロールしやすくなる場合があります。

水分補給以外の便秘解消法

前述のとおり、便秘の原因は水分不足だけでなく、食生活、運動不足、ストレス、排便習慣の乱れなど多くの要因が関係しています。水分補給を意識しても改善しない場合は、生活全体の見直しが必要です。

以下で、便秘改善に役立つ具体的な方法を紹介します。毎日の生活に少しずつ取り入れることで、無理なく便秘改善につなげていきましょう。

栄養バランスの良い食事を心がける

便秘の解消や予防には、日頃から栄養バランスの整った食生活を心がけることが大切です。

なかでも食物繊維は便秘改善に欠かせません。食物繊維が豊富な食品として、キウイフルーツやプルーン、オオバコ(サイリウム)などが知られています。

野菜を十分摂るのが難しい場合は、主食を工夫するのもおすすめです。例えば、白米に玄米を混ぜる、パンを全粒粉に置き換えるなど、ちょっとした工夫で食物繊維量を増やせます。

ビフィズス菌が多いヨーグルトや発酵食品などで、腸内環境を整えることも大切です。日々の食事や間食に取り入れてみてください。

便秘に良い食べ物については、以下のコラムをあわせてご覧ください。

便秘に効く食べ物を紹介!おすすめのメニューやそのほかの改善方法も紹介

運動不足を解消する

便秘の改善には、運動を取り入れることが大切です。

ウォーキングやサイクリングなど簡単な有酸素運動を取り入れて、腸の動きをサポートしましょう。

また、腹部をやさしくマッサージして腸を直接刺激する方法もあります。へその周りを「の」の字を描くようにゆっくりと手のひらでマッサージすると、腸の動きが促され、排便が期待できます。

便秘解消のためのマッサージについては、以下のコラムをあわせてご覧ください。

【医師監修】便秘解消に期待できるマッサージやツボ押しを紹介

ストレスを溜め過ぎない

腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど、心の状態と密接に関係しています。日頃からリラックスできる時間を確保し、ストレスを発散することが大切です。

ストレス解消方法としては、深呼吸やストレッチ、ウォーキングや入浴、趣味の時間を楽しむなどがあげられます。忙しい方も、自身に合う方法を意識的に取り入れてみましょう。

便秘とストレスの関係性については、以下のコラムをあわせてご覧ください。

【医師監修】便秘とストレスは関係する?リスクや改善方法を紹介

十分な睡眠で腸のリズムを整える

腸には体内時計があるため、昼は活発に動きますが、夜は活動が低下します。毎日決まった時間に眠り、起きることで、腸の働きも安定しやすくなります。

また、起床後の朝食は、腸の活動を開始させる重要な習慣です。朝食後に排便の時間を確保することは、排便リズムづくりに役立つでしょう。

便秘と睡眠の関係性については、以下のコラムをあわせてご覧ください。

【医師監修】睡眠は便秘解消に効果的!? その理由と便秘解消法について

便秘薬を試してみる

すぐにでも便秘の症状を緩和したい方は、便秘薬に頼る方法もあります。便秘薬には、さまざまな種類がありますが、主に腸を刺激するタイプと便に水分を含ませるタイプに分けられます。

酸化マグネシウム便秘薬は便に水を含ませるタイプのため、お腹の痛みや刺激が気になる方も試しやすい薬です。少量から飲み始めて、量を調節でき、クセになりにくいという特徴もあります。

ただし、持病がある方や服用中の薬がある方は、事前に医療機関に確認しましょう。酸化マグネシウム便秘薬を活用する際は、使用上の注意をしっかり読んでから服用してください。

酸化マグネシウム便秘薬は、ドラッグストアのほか、健栄製薬のオンラインショップからも購入できるため検討してみてください。

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原因を知った上で、適切な対策を取り入れて便秘解消を目指そう

水分は便をやわらかくし、排便をスムーズにするために欠かせません。しかし、便秘の原因はさまざまなため、しっかりと水分補給を行っても便秘が改善されない場合、ほかに要因があるかもしれません。

食生活を見直したり、運動習慣を身につけたり、ストレス解消を意識するなどの改善法を試しながら、便秘解消を目指しましょう。

なかなか便秘が改善されない場合は、病気の可能性を含め、医療機関に相談してください。