Column

2022.09.09

乾燥肌・スキンケア

「スキンケアは化粧水だけ」といった方も多いかもしれません。化粧水だけでも肌がうるおったように感じますが、保湿効果としては物足りない場合があります。

みずみずしい美しい肌を手に入れるためにも、まずはスキンケアのそれぞれの役割を理解することが大切です。

今回は「スキンケアは化粧水だけでは不足なのか」を解説するとともに、「化粧水の後に塗布したいスキンケアアイテム」を紹介します。

肌質ごとにおすすめのスキンケアアイテムの選び方も紹介するので、スキンケア方法を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。

化粧水の役割

化粧水は主に、洗顔後の乾燥しやすくなった肌にうるおいを与える役割があります。化粧水に含まれている成分の70~80%は精製水で作られており、残りは保湿成分が配合されている商品が多いです。

化粧水は肌に水分を与える役割があると理解しておきましょう。また、化粧水はその後に使うスキンケアアイテムの肌馴染みを良くする働きもあります。

化粧水を使用することで肌のモイスチャーバランスを整え、肌をやわらかくする効果にも期待ができます。

化粧水だけのスキンケアをおすすめしない理由

化粧水は肌に水分を与え、その後に使う美容液や乳液、クリームなどのスキンケアアイテムの馴染みを良くする働きがあります。

化粧水だけでもつけた後は肌がうるおった感覚がありますが、時間が経過すると肌の水分は蒸発してしまいます。肌の水分が蒸発すると乾燥をはじめとした肌トラブルを引き起こす可能性があるため、乳液やクリームなどの油分が多いスキンケアアイテムで仕上げをするのが望ましいです。

化粧水だけでスキンケアを行っている方は、乾燥肌を防ぐためにもほかのスキンケアアイテムと併用しましょう。

化粧水だけのスキンケアで問題ない肌質はある?

人によって肌質は異なりますが、大きく分けると「乾燥肌」「敏感肌」「脂性肌」「混合肌」の4つのタイプに分類されます。

乾燥肌や敏感肌の方は意識的に保湿ケアを行う方が多いですが、脂性肌や混合肌は、肌のテカリやべたつきが気になり、乳液やクリームなどの油分が含まれているスキンケアアイテムを使用しない方も多いかもしれません。

しかし、脂性肌などは肌がオイリーになるのは、肌の乾燥が原因となっている可能性があります。化粧水のみのスキンケアはかえって脂性肌や混合肌を悪化させる場合があるので、注意しましょう。

どの肌質であっても、化粧水の後は乳液やクリームなど油分を含むスキンケアアイテムで肌の水分の蒸発を防ぐことが大切です。

化粧水のあとにするべきスキンケア

洗顔後のスキンケアは「化粧水→美容液→乳液→クリーム」の順で行うのが基本として考えられています。

すべてのスキンケアアイテムを必ず使用しなければならないといった定義はありませんので、それぞれの役割を理解した上で自分の肌に合ったスキンケアを行いましょう。

化粧水の後に使用したいスキンケアの各役割について詳しく紹介します。

美容液

美容液は肌を保湿するほかに、肌悩みに対してアプローチできるスキンケアアイテムです。自身のなりたい肌に近づくために、悩みに合った美容液成分で肌をケアできるのが魅力です。

美容液は保湿効果にも期待ができるため、化粧水の後につけることでより高い保湿効果を実感できる可能性もあります。

美容液は目的に合った肌ケアが可能なので、さまざまな商品の中から肌悩みに合った商品を試してみてください。

乳液

乳液は水分と油分がバランスよく調合されたスキンケアアイテムです。化粧水の後につけることで、肌の表面に油分で膜ができ、水分の蒸発を防ぐ効果に期待ができます。

本来、人の肌は皮脂膜と呼ばれる膜で外部からの刺激から肌を保護したり、水分の蒸発を防いだりする役割をしています。

しかし、洗顔をすることで皮脂膜も一緒に洗い流れてしまうため、乳液で肌に膜をつくることが大切です。忙しくスキンケアに時間をかけられない方も、化粧水と乳液はセットで使うようにしましょう。

クリーム

クリームは乳液と同じく、肌内部の水分の蒸発を防ぐ目的で油膜を張る目的で使われています。乳液よりも油分が多く含まれている傾向にあるため、肌の乾燥が気になる方はクリームを使ってみましょう。

季節や肌の状態に合わせて、乳液とクリームを使い分けても良いです。クリームは油分が多く含まれていることから、メイク前に塗布するとファンデーションなどのコスメの肌馴染みが気になる場合もあるので、量を調整しながら使用してください。

朝のメイク前は乳液、就寝前はクリームでしっかりと保湿するなどと工夫しながら使用してみましょう。

化粧水や乳液の選び方

化粧水や乳液はさまざまな商品があり、どのようなアイテムを選んで使用していいのかわからないといった方も多いかもしれません。

肌に合うスキンケアを行うには、まず自身の肌質を知ることが大切です。ここでは肌質ごとにおすすめのスキンケアアイテムの選び方を紹介します。自身の肌の状態を確認しながらチェックしてください。

乾燥肌・敏感肌

乾燥肌や敏感肌の方は、肌のバリア機能が低下している状態です。肌がカサついたり、スキンケアアイテムを使用したりするだけでも刺激を感じたりする方は、乾燥肌や敏感肌を引き起こしている可能性があるため、普段からしっかりと肌のケアをすることが大切です。

乾燥肌や敏感肌は肌トラブルを引き起こしやすい肌質のため、バリア機能を高める保湿ケアが重要となります。

化粧水や乳液は保湿成分が含まれている商品を選びましょう。ヘパリン類似物質やセラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンは保湿効果に期待ができるため、これらの成分が化粧水や乳液に含まれているかチェックしてから購入することをおすすめします。

脂性肌

脂性肌は皮脂の過剰分泌により、肌のテカリやべたつきが気になる肌質を指します。オイリー肌とも呼ばれ、脂っぽい肌をコンプレックスに感じている方も少なくありません。

脂性肌はニキビができやすい肌質のため、日頃からきちんとケアすることが大切です。

脂性肌の方は、さっぱりタイプの化粧水や乳液がおすすめです。どうしてもテカリやべたつきが気になる場合は、乳液やクリームは部分的に使用したり、化粧水だけ使用する日などを設けたりしながら調整してください。

混合肌

混合肌とは、肌が乾燥している部分と脂性肌が気になる部分が混在している肌の状態を指します。皮脂が気になる部分も水分が足りていないケースが多いため、基本的には保湿ケアを行うことが大切です。

化粧水は保湿力が高いアイテムを選び、乳液やクリームは乾燥が気になる部分用をべたつく部分用で分けて使うと良いです。

混合肌は季節や環境の変化の影響を受けやすいため、肌の状態に合わせて化粧水や乳液の種類を使い分けるのもおすすめです。

自身の肌の状態を確認しながら、保湿ケアを中心にスキンケアを行ってください。

スキンケア以外で大切なこと

健やかな肌を保つには、スキンケア以外にも心がけたいポイントがあります。肌の健康を維持するためにも、以下3つの生活習慣の見直しを行ってください。

栄養バランスの良い食事を心がける

食生活が乱れると、肌が生まれ変わるターンオーバーに悪影響を及ぼします。ターンオーバーとは細胞が生まれ変わることを指し、美しく若々しい肌をキープする働きがあります。

偏った食生活は肌のターンオーバー乱れ、あらゆる肌トラブルを引き起こす要因となるので普段から栄養バランスの整った食事を摂るようにしましょう。

忙しく過ごす日が多い方も、1日3食きちんと食事を摂取してください。食事内容は主食、主菜、副菜をバランスよく摂取することが大切です。

肌の主成分であるタンパク質や、亜鉛、ビタミンAやB2、B6、B12は肌のターンオーバーを整える効果に期待ができる栄養素なので積極的に摂取しましょう。

ダイエットなどによる食事制限は栄養が不足する可能性があるので、肌や身体の健康のためにもバランスの良い食事を摂るように心がけてください。

水分補給をこまめに行う

体内の水分が不足すると、肌の水分も不足し、乾燥する原因になります。普段からこまめに水分補給を行いながら、水分不足を予防していきましょう。

ポイントはのどが渇く前に水分を摂ることです。のどが渇いた状態はすでに水分不足の状態のため、のどが渇く前に水分補給を行いましょう。

夏の暑い季節やスポーツ後など、汗をかくと体の水分が失われます。汗をよくかく季節やシーンではしっかりと水分補給してください。

水分の摂取量は1日1.5リットルが目安です。一気に飲むのではなく、少しずつのどをうるおす意識で水分補給をしましょう。

十分な睡眠時間を確保する

肌の健康を保つためには、毎日十分に睡眠をとることが重要です。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、肌の新陳代謝を促す働きがあります。

新陳代謝が高まると肌のターンオーバーを整う傾向にあります。寝不足が続いている方は、肌トラブルを予防するためにも、普段から十分な睡眠時間を確保しましょう。

睡眠の質が悪いと感じる方は、毎日同じ時間に寝る習慣を付けたり、早寝早起きを心がけたりすると睡眠の質が良くなる可能性があるので試してみましょう。

化粧水だけではなく乳液やクリームも併用して美しい肌を目指そう

化粧水だけのスキンケアでは、肌の水分が蒸発して乾燥する可能性があります。脂性肌や混合肌でテカリやべたつきが気になる方も、化粧水と乳液はセットで使うようにしましょう。

自身の肌悩みを改善したい場合は、美容液も活用しも良いでしょう。乾燥が気になる部分は、クリームや白色ワセリンなど保湿力の高いスキンケアアイテムを取り入れてみてください。

肌質は同じでも肌の状態はそれぞれ異なります。自身の今の肌の状態を確かめながら、適切なスキンケアを行っていきましょう。


川﨑医師よりコメント

1年を通して同じスキンケアアイテムを使用するより、ご自身の肌の状態や湿度、環境などでアイテムを変えたりすることも考えてみましょう。

川﨑医師

監修者

医師:川﨑加織

皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本抗加齢医学会専門医。
兵庫医科大学病院初期研修医、皮膚科入局からキャリアをスタートし、病院やクリニック勤務を経て、現クリニックを開院。皮膚科専門医として、女性医師として、母として、患者さんの心と身体に寄り添うことを信条としている。

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