Column

2022.10.24

乾燥肌・スキンケア

いつも使っている化粧水なのに肌がヒリヒリしたという経験がある方は多いかもしれません。

化粧水が肌に合わなくなった可能性や使い続けるとさらに肌荒れするのではないかと不安になり、ついスキンケアから手が遠のいてしまったという方も少なくないかもしれません。

化粧水でヒリヒリする原因はさまざまですが、その根本には肌を外部刺激から守り、うるおいを保つためにも重要な役割を果たしている「バリア機能」が大きく関わっていると考えられています。

この記事では、化粧水で肌がヒリヒリする主な5つの原因から、ヒリヒリするときの適切な対処法まで詳しく解説しています。肌がヒリヒリしにくくなる内ケアも合わせて、紹介していますので、参考にしてみてください。

化粧水で肌がヒリヒリする原因は?

いつも使っている化粧水で、急に肌がヒリヒリするようになると、化粧水が肌に合わなくなった可能性や肌が敏感になっているのではないかなど、いろいろなことが考えられます。

化粧水で肌がヒリヒリするときに考えられる原因は、1つではありません。ここでは、化粧水でヒリヒリするときに考えられる主な原因を5つ紹介しますので、ご自身に当てはまるものがないかチェックしてみてください。

肌のバリア機能の低下

私たちの肌の表面には、本来外部刺激から肌を守り、肌内部のうるおいをキープする「バリア機能」が備わっています。しかし、そのバリア機能が低下すると、さまざまなアレルゲンや乾燥、紫外線などの外部刺激に敏感になってしまいます。

敏感になった肌に化粧水をつけるといつも使っているものでも刺激となり、ヒリヒリすると感じることがあります。

バリア機能が低下した肌は、少しの刺激でも炎症を起こすこともありますので、注意が必要です。

肌が乾燥している

肌の乾燥もバリア機能の低下につながり、化粧水をつけたときにヒリヒリする原因になることがあります。

空気が乾燥する秋冬は、暖房などによって肌が乾燥しやすい環境になります。長時間過ごす部屋が乾燥していると、その影響を受けて肌も乾燥してしまっている可能性があります。

紫外線による刺激

紫外線を長時間浴びると、肌の乾燥をまねくだけでなく、炎症を引き起こす恐れもあります。紫外線ダメージを受けて、乾燥や炎症を起こしている肌は、いつもの化粧水をつけるだけでもヒリヒリすると感じる場合があります。

また、紫外線もバリア機能の低下につながる原因の1つでもあります。紫外線が強い日に外に出るとき、外で長時間過ごす日などは紫外線対策が必要です。

アレルギー反応

肌のバリア機能で低下していると、いつも使っている化粧水に含まれる成分や防腐剤、アルコールなどに対するアレルギー反応を起こすことがあります。

肌の乾燥や紫外線ダメージなどによって、肌のバリア機能が低下している場合は、普段は反応しない物質に対してもアレルギー反応を起こすことがありますので、その可能性も考慮する必要があります。

化粧水以外にも、花粉やハウスダストなどのアレルゲンに反応して、アレルギー反応を起こしている可能性もあります。

マスクやコットンなどによる物理的刺激

肌は摩擦されると、その物理的刺激で肌荒れを起こしやすくなります。肌は日々、マスクやお手入れの際に使うコットンの摩擦、衣服や髪の毛などでこすられています。

こういった摩擦によって、徐々に肌にダメージが蓄積すると、化粧水を使ったときにヒリヒリすると感じることがあります。

とくに、長時間マスクをつけていると、吐く息でマスクの中は蒸れていますが、マスクを外したときに肌の水分まで一緒に蒸散して乾燥が促進する恐れもあります。

化粧水でヒリヒリしみるときの対処法

いつもの化粧水をつけてヒリヒリすると感じたとき、スキンケアを避けてしまう方も多いかもしれません。

しかし、スキンケアせずにヒリヒリを放置していると、乾燥が悪化してしまい、さらなる肌トラブルを引き起こす可能性があります。

ここでは、自宅で簡単に実践できるヒリヒリするときのセルフケアを紹介していきます。ただし、ヒリヒリがひどい、痛みやかゆみが強い場合はなるべく早く医療機関を受診するようにしてください。

ヒリヒリする部分を冷やす

スキンケア後に肌がヒリヒリする場合は、気になる部分を冷やして症状を緩和する方法があります。保冷剤を清潔なタオルやハンカチなどで包んで、ヒリヒリする部位を冷やしてください。

ただし、保冷剤を直接肌に当てると逆に刺激となる可能性がありますので、必ず布などで冷たさを緩和する工夫をして行うようにしてください。

洗顔方法を見直す

化粧水で肌がヒリヒリするときは、肌が敏感になっているので、洗顔の際も注意が必要です。クレンジング、洗顔をするときはなるべく手短に済ませ、肌をこすらないことと、熱いお湯を使わないことがポイントです。

洗顔料は洗顔ネットなどで、しっかりときめ細かい泡を立ててから、直接肌を触らないように注意しながら洗っていきます。

洗い終えたら、手で触ったときにぬるいと感じる程度のお湯で、すすぎ残しがないように丁寧に洗い流します。

洗顔やクレンジングは、肌のうるおいを保つための皮脂を洗い流してしまいますので、長時間クレンジングや洗顔料をつけたままにしないようにしてください。

刺激の少ないスキンケアアイテムで保湿をする

いつもの化粧水を使ってヒリヒリする場合は、刺激の少ない化粧水や乳液で保湿するのも良いでしょう。

最近では、ドラッグストアなどでも敏感肌の方向けのスキンケアが販売されているため、手軽に購入することができます。

肌がヒリヒリ感じるときは保湿ケアがとても重要です。とくに乾燥が気になる部分には、高保湿成分であるヘパリン類似物質が含まれるスキンケアアイテムで保湿すると良いです。

紫外線対策をする

紫外線はバリア機能を低下させる要因の1つでもあります。敏感になっている肌を悪化させないためにも、刺激の少ない日焼け止めをつける、帽子や日傘を活用するなどして、紫外線対策をしましょう。

なるべく肌への負担を軽減するために、日焼け止めはのびがよく、洗顔料で落とせるものなどを選ぶと良いでしょう。

健やかな肌を目指すためには内側からのケアもしよう

いつもの化粧水で肌がヒリヒリするときは、バリア機能が低下して肌が敏感になっていることが多いです。

こうした肌トラブルのない肌を目指すためには、バリア機能を低下させないように、体の内側からのケアも日常的に行うことが大切です。

ここでは、肌トラブルのない健やかな肌を目指すために、ぜひ実践していただきたい内側からのケアを3つ紹介します。

栄養バランスの良い食生活を心がける

健やかな肌を目指すためには、栄養バランスの良い食生活を心がけることが大切です。肌の材料となるタンパク質、肌を健やかに保つビタミン類を中心にバランス良く摂るように意識しましょう。

肌の生まれ変わりであるターンオーバーを活発にするタンパク質は、肉や魚、大豆製品などに豊富に含まれています。

ほかにも、バリア機能を正常に働かせるためには、ターンオーバーを整える働きが期待できる亜鉛、皮脂の材料となる必須脂肪酸も摂ると良いでしょう。

水分補給をこまめに行う

体が水分不足になると、肌も乾燥してしまいますので、内側からもうるおすために水分補給は大切です。

のどが乾いたと感じる前に、こまめに水分補給をする習慣をつけるようにしましょう。1日あたりの水分は、2リットルを目安に摂取します。

質の良い睡眠をとる

睡眠不足や睡眠の質の低下は、自律神経に影響を及ぼし、ターンオーバーを乱れさせる原因になるといわれています。

睡眠時間は、十分に設けるようにしましょう。睡眠の質を上げるためには、寝る前30分はスマホやテレビを見ないようにして、軽くストレッチをするのも良いでしょう。

化粧水でヒリヒリするときもしっかり保湿しよう

いつもの化粧水で肌がヒリヒリする原因はさまざまですが、その根本にはバリア機能の低下が関係していることが多いです。

肌がヒリヒリすると感じているときは、肌が敏感になっていますので、冷やして対処したり、スキンケアアイテムを敏感肌の方向けのものにしたりするのも良いでしょう。

適切な対処をしても痛みやかゆみが強い場合は、なるべく早く医療機関を受診するようにしてください。

肌のバリア機能を低下させないためにも、日常的にスキンケアと体の内側からのケアを行い、肌トラブルのない健やかな肌を目指しましょう。


泉医師からのコメント

何らかの原因によってバリア機能の働きが弱まると肌が不安定な状態になります。睡眠不足や暴飲暴食、極度の運動不足などの生活習慣は、肌代謝の乱れを引き起こし、皮膚のバリア機能を低下させてしまいます。また、肌に合わないスキンケア化粧品は肌トラブルにつながる恐れがあります。つけた後、ヒリヒリやかゆみなど、肌に刺激を感じるアイテムは避けましょう。敏感肌用のスキンケア化粧品を選ぶのもおすすめです。

泉医師

監修者

医師:泉 さくら

日本皮膚科学会皮膚科専門医。 琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。

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