Column

2025.11.06

乾燥肌・スキンケア

ニキビが治った後に残ってしまう「ニキビ痕」に悩む方は少なくありません。赤みや茶色っぽい色素沈着、さらには凹凸のあるクレーター状など、状態によって改善のしやすさや対処法が異なります。

ニキビ痕は、適切なケアによって薄くなる場合もあれば、専門的な治療が必要となる場合もあります。

今回は、ニキビ痕が残る原因や、ニキビの種類とニキビ痕の関係、残らないようにするための方法をわかりやすく解説します。さらに、予防のポイントも紹介するため、根拠に基づいた知識を身につけて、健やかな肌づくりを目指しましょう。

ニキビ痕が残る原因

ニキビ痕は、炎症が進んで肌の奥の組織にまでダメージが及ぶことで残ります。炎症の程度や肌の回復力によって、痕の残り方は異なります。

炎症が軽度であれば、赤みが一時的に残る程度ですが、炎症が強い場合には、肌が修復される過程でメラニンが過剰に生成され、シミのように色素沈着して痕が残ることがあります。

また、炎症によってコラーゲンが破壊されると、皮膚の再生が追いつかず、凹凸のあるクレーター状のニキビ痕になるケースもあります。

肌のターンオーバーが乱れて古い角質が蓄積すると、痕が長期間残りやすくなるため注意が必要です。

ニキビの種類とニキビ痕との関係

ニキビは進行段階によって種類が分けられており、痕が残るリスクにも違いがあります。代表的な種類は以下の4つです。

  • 白ニキビ
  • 黒ニキビ
  • 赤ニキビ
  • 黄ニキビ

ニキビ痕を防ぐには状態に合わせたケアと早めの対処が欠かせません。以下では、ニキビの種類や特徴、ニキビ痕との関係について詳しく解説します。

白ニキビ

白ニキビとは、毛穴の出口がふさがり、内部に皮脂や古い角質が溜まって白く盛りあがった状態で、ニキビの初期段階にあたります。まだ炎症は起きておらず、痛みや赤みなどの症状も少ないです。

セルフケアによる改善が期待できる段階で、肌へのダメージも小さいため、ニキビ痕が残るリスクは低いといえます。

ただし、放置すると黒ニキビや赤ニキビへ進行する可能性があるため、早めの対応が大切です。

黒ニキビ

黒ニキビは、毛穴の中にある皮脂が空気に触れて酸化し、黒く見える状態のことです。炎症はまだ起きていないため、適切なスキンケアを行えば比較的改善しやすい段階といえます。

軽症のうちに対処できれば肌へのダメージは小さく、ニキビ痕が残るリスクも低めです。

ただし、黒ニキビも放置すると炎症を起こして赤ニキビへ進行する可能性があるため、早めにケアをしましょう。

赤ニキビ

赤ニキビは、毛穴に溜まった皮脂や角質を栄養源としてアクネ菌が増殖し、炎症を起こした状態です。赤く腫れ、触れると痛みを感じることもあり、白ニキビや黒ニキビに比べて炎症が強いのが特徴です。

肌の組織にダメージが残りやすく、ニキビ痕として色素沈着や凹凸が残るリスクが高まります。

この段階ではセルフケアでの改善が難しくなる場合もあるため、皮膚科での専門的な治療が望まれます。

黄ニキビ

黄ニキビは、赤ニキビがさらに悪化し、毛穴の内部で炎症が強まって膿を持った状態です。表面が黄色や白っぽく見えるのが特徴で、痛みを伴うこともあります。

炎症によって肌の組織が深くダメージを受けているため、痕が残りやすい段階といえます。

色素沈着だけでなく、凹凸のあるクレーター状のニキビ痕になるリスクも高いため、早めに皮膚科での治療を検討しましょう。

クレーター状のニキビ痕で悩んでいる方は以下のコラムも参考にしてみてください。

【医師監修】ニキビのクレーターを治す方法は?悪化させない方法を紹介

ニキビ痕が残らないようにする方法

ニキビは、適切に対処しないと炎症が悪化し、ニキビ痕が残る原因になります。ニキビ痕を防ぐために意識したいポイントは以下のとおりです。

  • ニキビは潰さない
  • 早めに治療する
  • 紫外線対策をする

それぞれの方法を詳しく解説します。

ニキビは潰さない

ニキビを潰すことは、痕を残す大きな原因になります。強い刺激によって皮膚の奥まで傷がつき、炎症が悪化して赤みや色素沈着を招くほか、凹凸のあるクレーター状のニキビ痕として残ってしまうリスクも高まります。

また、手や爪には雑菌が付着しているため、潰すことで感染が広がり、ニキビを悪化させかねません。

ただし、皮膚科では専用の器具を使ってニキビを潰す処置を行う場合があります。これは、医師の管理下で炎症やニキビ痕のリスクを最小限に抑えながら、毛穴の中の皮脂や膿を安全に取り除く治療法です。

ニキビ痕を防ぐためには、自己判断で潰すのではなく、必要に応じて皮膚科で適切な治療を受けることが大切です。

ニキビを潰すとどうなるか気になる方は以下のコラムも参考にしてみてください。

【医師監修】ニキビは潰すとどうなる?適切なスキンケアで肌トラブルを防ごう

早めに治療する

ニキビは軽症のうちに治療を始めることで、痕が残るリスクを大幅に減らせます。とくに、白ニキビや黒ニキビの段階で適切にケアを行えば、赤ニキビや黄ニキビに悪化することを防げるでしょう。

市販のニキビ治療薬で炎症を抑える方法もありますが、繰り返しニキビができる場合や症状が強い場合は、早めに皮膚科を受診するのがおすすめです。

専門的な治療によって炎症を短期間で抑えられれば、肌へのダメージを最小限に留められ、色素沈着やクレーターのような痕が残る可能性も低くなります。

紫外線対策をする

紫外線は、ニキビやニキビ痕を悪化させる大きな要因です。白ニキビや黒ニキビの段階では炎症がなく痕が残りにくいものの、紫外線によって皮脂が酸化すると炎症を起こしやすくなります。

また、赤ニキビや黄ニキビに紫外線が当たるとメラニンがさらに生成されて、痕が濃くなってしまうこともあります。

紫外線対策は、ニキビの治療中だけでなく治癒後も欠かせません。日焼け止めに加えて、帽子や日傘などで物理的に紫外線を遮る工夫を取り入れると、より効果的にニキビ痕を防げるでしょう。

ニキビ痕を消す方法

ニキビ痕は種類によって改善のしやすさが異なります。

赤みが残る痕は炎症の名残であり、時間の経過とともに自然に薄れて消えることもあります。清潔を保ちつつ保湿を心がけることで、肌本来の回復力をサポートできるでしょう。

茶色っぽい色素沈着は、紫外線対策を続けながら肌のターンオーバーを促すことで、徐々に薄くなり目立たなくなる可能性はあります。

紫外線を浴びると色が濃くなりやすいため、日焼け止めや帽子、日傘などで日常的に対策することが重要です。あわせて、メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ美白化粧品を取り入れるのも良いでしょう。

一方、肌の奥の組織が傷ついてできるクレーター状の痕は自然治癒が難しいため、レーザー治療やピーリングなど専門的な治療を検討する必要があります。

どのタイプの痕であっても、なかなか改善が見られない場合には皮膚科に相談し、適切なケアや治療を受けることが大切です。

色素沈着で悩んでいる方は以下のコラムも参考にしてみてください。

【医師監修】ニキビ痕の色素沈着を消す方法はある?原因と適切なケア方法を紹介

ニキビの予防方法

ニキビは一度できてしまうと治るまでに時間がかかり、場合によっては痕が残ってしまうこともあります。そのため、日頃から「ニキビができにくい肌環境」を整えることが大切です。

日常で意識したい、具体的な予防方法は以下のとおりです。

  • 肌を清潔に保つ
  • 保湿ケアを行う
  • 定期的に角質ケアを行う
  • バランスの良い食事を心がける
  • しっかりと睡眠を取る

それぞれの方法を詳しく紹介していきます。

肌を清潔に保つ

ニキビを防ぐためには、まず肌を清潔に保つよう心がけましょう。皮脂や汚れが毛穴に詰まると、白ニキビや黒ニキビの原因となり、悪化すれば炎症を起こして痕が残るリスクが高くなります。

洗顔は、朝と夜の1日2回を目安に、肌にやさしい洗顔料を使って丁寧に行いましょう。強く擦ったり必要以上に洗い過ぎたりすると、肌への刺激となるばかりか、乾燥を招きニキビを悪化させることにもなりかねません。

保湿ケアを行う

保湿はスキンケアの基本であり、ニキビやニキビ痕を防ぐ上でも欠かせません。肌が乾燥するとバリア機能が低下し、紫外線など外部からの刺激に敏感になります。その結果、ニキビやニキビ痕につながることがあります。

また、保湿は肌のターンオーバーを整える役割も担っています。赤みが残る痕は炎症の名残であり、時間の経過とともに自然に薄れて消えることもあります。

茶色っぽい色素沈着は、紫外線対策を続けながら肌のターンオーバーを促すことで徐々に薄くなり目立たなくなる可能性があります。

普段のケアで十分にうるおいを補えないと感じた場合は、ヘパリン類似物質配合の高保湿スキンケアアイテムを試してみましょう。

化粧水・乳液・クリームなど日常のケアで使用するアイテムだけでなく、日中の乾燥対策にミスト化粧水もおすすめです。

健栄製薬のオンラインショップでも取り扱いがあるので、保湿ケアを強化したい方は購入を検討してみてください。

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定期的に角質ケアを行う

古い角質が肌に残ったままだと、肌のターンオーバーが乱れる場合があります。

ターンオーバーが乱れるとニキビ痕の改善に影響を与えるほか、古い角質が毛穴に詰まってニキビになることも考えられます。

ニキビ痕を少しでも早く治したい方は、肌表面に残っている角質を定期的に取り除きましょう。角質ケアアイテムを使用すると、簡単に古い角質を除去できます。

ただし、角質ケアアイテムは肌への刺激が強い傾向にあるため、なるべく刺激の少ないアイテムを使用してください。角質のケアをした後は保湿を必ず行いましょう。

バランスの良い食事を心がける

ニキビ痕を治すには、体の内側からのケアも大切です。偏った食生活を送っている方は、この機会にバランスの良い食事を摂るように心がけましょう。

ビタミンBはニキビ予防に期待ができる栄養素なので、意識的に摂取してみてください。納豆やレバー、卵やアーモンド、うなぎ、カレイにビタミンBが豊富に含まれているので、毎日の食事にプラスしてみましょう。

ビタミンEは血行を促す効果が期待できます。卵やオリーブオイル、大豆やアボカドを上手に食事に取り入れてください。

また、色素沈着の予防効果が期待できるビタミンCも積極的に摂取しましょう。ビタミンCは果物や野菜に多く含まれているので、肌や体の健康のために野菜中心の食事を意識してみてください。

ニキビに効く食べ物を知りたい方は以下のコラムも参考にしてみてください。

【医師監修】ニキビに効く食べ物は?おすすめの食材を紹介

しっかりと睡眠を取る

睡眠不足は、ニキビをはじめとする肌トラブルの要因の1つです。睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が妨げられ、肌のターンオーバーが乱れる原因となります。肌のターンオーバーが乱れると肌に古い角質が残ってしまうほか、ダメージの修復に影響を与えます。

普段から睡眠時間が短い方や眠りが浅い方は、しっかりと質の良い睡眠が取れるように努力しましょう。就寝の2~3時間前に入浴を済ませると、スムーズに入眠できる可能性があるので、寝つきが悪い方は試してみてください。

また、睡眠の質を高めるためにも、就寝の1時間前にはテレビやパソコンなどの光を浴びないように意識することが大切です。

ニキビ痕を作らないためにもスキンケアと生活習慣の見直しをしよう

ニキビ痕は一度できてしまうと改善に時間がかかり、場合によっては専門的な治療が必要になることもあります。そのため、ニキビを作らないように日頃から適切なスキンケアと生活習慣を意識することが大切です。

基本となるのは、肌を清潔に保ちつつ十分な保湿を行い、紫外線対策を徹底することです。

さらに、バランスの良い食事や質の高い睡眠を心がけることで、肌のターンオーバーが整い、健やかな肌を維持できるでしょう。

ニキビが繰り返しできる場合や、ニキビ痕がなかなか改善しない場合は、自己流でケアをするのではなく、早めに皮膚科へ相談しましょう。

自身で取り組める対策と、専門家に任せるべき治療を見極め、両方を取り入れる姿勢が大切です。

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