Column

2023.04.21

乾燥肌・スキンケア

ニキビで炎症した後に、肌の凹凸が気になった経験はありませんか?それはニキビの深刻な炎症で真皮層までダメージを受けたことで、皮膚組織が壊れてできた「クレーター」かもしれません。

クレーターは1度できると、セルフケアではなかなか良くならず、メイクでも隠しにくいため、気にしている方も少なくありません。

この記事では、まずニキビがクレーターになる理由を解説。クレーターのケア方法やニキビをクレーターにさせない方法と合わせて、ニキビになりにくくなる方法まで紹介していきます。

クレーターとは

クレーターとは、毛穴や毛穴周辺が凸凹になっている状態のことを指します。クレーターになる原因はさまざまですが、最も多いのがニキビによるものだといわれています。

ニキビがクレーターになる理由

クレーターは、ニキビの炎症が治まった後に見られる症状です。ニキビの炎症が進むと、炎症によって受けたダメージが肌に残り、クレーターになるといわれています。

ニキビは皮脂や老廃物が毛穴に詰まって起きる毛穴の炎症です。ニキビの炎症が悪化し、膿みや痛みを伴うような状態になると、毛穴周辺の皮膚組織を破壊してしまい、真皮層の組織まで壊れてしまう場合があります。

炎症が進み真皮層まで破壊された場合に、肌に受けたダメージが残り、クレーターになる可能性があります。

ニキビ痕の一種・クレーターを治す方法はある?

ニキビによるクレーターは、軽度のものであれば、自宅で行うセルフケアで多少滑らかになる可能性があります。

しかし、クレーターの多くはセルフケアで良くするのは難しいため、気になる場合は医療機関に相談するしかありません。

クレーターをセルフケアする場合は、保湿を重視しながら、毛穴引き締め効果が期待できる成分が含まれたもので丁寧なスキンケアを心がけることです。

化粧水や美容液は、コラーゲンやプラセンタ、ビタミンC誘導体などの成分が入ったものがおすすめです。

ただし、クレーターをセルフケアで良くするのは難しいため、「これ以上目立たせないようにする」という気持ちでケアしましょう。

ニキビをクレーターにさせない方法

クレーターを増やさないためには、ニキビを悪化させないことが重要です。ここでは、ニキビができてしまったときに、悪化させない方法を紹介します。

ニキビに刺激を与えない

ニキビができたときに、気になって触ってしまった経験はありませんか。ニキビを悪化させないためには、触ったり潰したりして刺激を与えないことが大切です。

ニキビを触ると刺激になるだけでなく、手に付いている細菌が入って炎症を悪化させる可能性もあります。気になる気持ちはわかりますが、早く治すためにも触らないようにしてください。

また、ニキビができるとご自身で潰してケアを行う方もいらっしゃいます。しかし、ニキビを潰すと、肌を傷つけてニキビ痕になるリスクもあるので、潰さないようにしましょう。

なるべくニキビ部分にメイクをしない

ニキビができると、メイクで隠したくなるかもしれませんが、メイクは毛穴をふさいでしまう可能性があり、ニキビを悪化させる原因にもなります。

仕事などでどうしてもメイクしなくてはいけない場合は、ニキビ部分にはコンシーラーなどの油分が多いものを使わず、油分の少ないパウダーファンデーションを薄くつけるようにしましょう。

なるべくメイクをする時間を短くしたほうが良いので、帰宅したらすぐにクレンジングでメイクを落とすようにしてください。

紫外線対策をする

紫外線は肌のバリア機能を低下させる、ニキビの原因であるアクネ菌を増殖させるなど、ニキビに悪影響を与えるといわれています。

そのため、ニキビの部位に紫外線が当たると、悪化させる可能性があるのです。

紫外線は天候や季節に関係なく降り注いでいるので、日焼け止めを塗る、帽子や日傘を使うなどして毎日対策しましょう。

また、肌に日焼け止めが残っていると、ニキビを悪化させる可能性があるので、夜にはきちんと日焼け止めを落とすようにしてください。

ニキビをできにくくする方法

ここまでニキビを悪化させない方法を紹介してきましたが、クレーターを作らないためには、ニキビができにくい肌を目指すことが大切です。ここからはニキビができにくくする方法を紹介します。

朝晩1回ずつ適切な洗顔をする

ニキビができにくい肌をめざすなら、適切な洗顔で肌を清潔に保つことが大切です。顔を触る前は必ず手を洗って、クレンジングや予洗いを始めましょう。

予洗いからすすぎまで、34~36℃くらいのぬるま湯を使います。熱いお湯は肌のうるおいを守るために必要な皮脂を洗い流しすぎて、肌を乾燥させてしまう可能性があるので、注意が必要です。

洗顔するときは、泡立てネットを使ってしっかり泡立てた泡をクッションにして、皮脂が多い額や鼻から泡を乗せ始め、肌に直接触れないように丁寧に洗っていきます。

すすぐときもこすらないことを意識して、髪の毛の生え際やフェイスラインなど泡が残りやすいところまで丁寧にすすぎましょう。

ニキビができているときも、この方法でニキビを刺激しないように優しく洗ってください。

しっかり保湿する

ニキビができると、スキンケアで悪化することを心配するかもしれませんが、ニキビの有無に関わらず保湿は重要です。

肌が乾燥すると、バリア機能やターンオーバーが正常に働かなくなり、ニキビができやすくなってしまいます。ニキビの有無に関わらず、化粧水と乳液を使ってしっかり保湿をしてください。

また、洗顔後は肌内部の水分が蒸散しやすく、乾燥が進みやすいので、なるべく早くスキンケアを行いましょう。

しっかり保湿するためには、ヒアルロン酸やセラミド、ヘパリン類似物質が含まれたスキンケアアイテムがおすすめです。

ビタミンを積極的に摂る

毎日いろいろなものを食べているつもりでも、ニキビをできにくくするためのビタミン類が不足している方は少なくありません。

ニキビができにくい肌を目指すなら、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEを積極的に摂ると良いでしょう。

ビタミンB群は、美肌づくりに欠かせない栄養素で、玄米や肉、バナナなどに含まれています。バリア機能を高めるといわれているビタミンEを摂るには、いわしやオリーブオイル、アーモンドを食べると良いでしょう。

ニキビ対策に必要ともいわれるビタミンCは、トマトやキウイ、イチゴなどに豊富に含まれています。ビタミンを積極的に摂取して、ニキビに悩まなくて良い肌を目指しましょう。

一方、糖質や脂質が高いものを摂り過ぎると、ニキビができやすくなるため、なるべく控えるようにしてください。

十分に睡眠する

睡眠は、健康的な肌をめざすうえで欠かせないものです。眠り始めてから約3時間後に、肌や細胞を修復させる「成長ホルモン」が分泌されるため、成人なら最低7時間を目安に睡眠するようにしましょう。

また、ニキビのできにくい肌を目指すなら、睡眠時間だけでなく睡眠の質も重要です。睡眠する2時間程度前に入浴をすると、睡眠の質が向上するといわれているので、入浴時間を調整すると良いでしょう。

一方、寝る前にスマホを見たり食事をしたりすると、睡眠の質が下がるともいわれています。睡眠の質を上げるためにも、寝る前はなるべくリラックスして過ごすようにしましょう。

ストレスを溜めない

ストレスを感じると、皮脂が過剰に分泌され、ニキビの原因になるといわれています。しかし、ストレスのない生活を送るのは難しいため、ご自身に合ったストレス解消方法を見つけて、普段からストレスを溜めないように意識してください。

例えば、お風呂にゆっくり浸かる、軽く運動する、映画を観るなど、好きなことやリラックスできると感じる方法なら何でも良いので、癒しの時間を設けましょう。

クレーターになる前にニキビ対策をしよう

肌の凹凸であるクレーターの多くは、炎症がひどくなったニキビの痕です。

クレーターは深さなどの状態にもよりますが、セルフケアで良くしていくのが難しいものが多いです。どうしても気になる方は、医療機関に相談するのが良いでしょう。

また、クレーターを増やさないためにも、ニキビを悪化させないこととニキビのできにくい肌を目指すことが大切です。 ニキビやクレーターを増やさないように、普段から適切なスキンケアと健康的な生活習慣を意識してみましょう。


泉医師からのコメント

ニキビによる炎症が皮膚・皮下までに及ぶとその部位が線維化し、皮膚の内側に引っ張る力が強くなることで肌がくぼみます。ターンオーバーの乱れはストレスや野菜不足、睡眠不足やホルモンバランスの変化などにより起きやすくなるため、バランスのとれた食事や、疲労やストレスを感じた時は早めの就寝を心がけましょう。

泉医師

監修者

医師:泉 さくら

日本皮膚科学会皮膚科専門医。 琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。

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