Vol. 40

受験生のための感染予防

高校受験や大学受験の真っ最中です。受験生はこれまで培ってきた実力を100%発揮して是非とも希望校に合格してほしいものです。もし、試験の直前や試験中にインフルエンザやノロウイルス胃腸炎にかかってしまったら、実力を出し切ることはできません。高熱があれば集中できません。下痢や嘔吐があっても同様です。単なる風邪すら引きたくありません。それでは、風邪やインフルエンザのような感染症に罹患しないためにはどうしたらよいのでしょうか?

最も大切なことは手洗いです。電車やバスの手すりやつり革などには様々な病原体が付着しています。例えば、風邪で鼻水がでる人が鼻をかむときに、ティッシュを使用することと思います。このとき、手に鼻汁などが付着してしまうことがあります。くしゃみをするときにハンカチを出すのが間に合わず、手で口や鼻を覆うこともありますが、このときにも唾液や鼻汁が手に付着します。このような手で手すりや釣り革に触れば、病原体が付着します。そこを別の人が触れることによって、手に病原体は付着します。そして、その手で目や鼻の粘膜に触れば、病原体はそこから体内に入り込んでしまうのです。手洗いすればそのようなことはありません。

満員電車やバスに乗車するときには受験生はマスクを装着するとよいでしょう。インフルエンザなどに罹患した人が咳やくしゃみをすると口や鼻からウイルスを含んだ飛沫という微粒子が飛び出します。これは最大2メートルまで飛ぶことができるので、患者から2メートル以内に滞在しているとウイルスを吸い込んでしまう可能性があります。マスクをして、鼻や口を飛沫から守れば感染しにくくなるのです。

下痢や嘔吐のある人は家族の最後に入浴するとよいでしょう。ノロウイルス胃腸炎に罹患している人は臀部や肛門周囲にウイルスが付着しているかもしれません。そのような人が入浴するとウイルスが湯船のお湯に浮かんできます。そこに、別の家族が入浴すると、顔をタオルなどで拭いたときにウイルスが口から入り込んでしまうのです。できれば、受験生は一番風呂がよいでしょう。ノロウイルスに感染した人すべてが下痢や嘔吐の症状があるとは限りません。無症状であるにもかかわらず、便からウイルスは排出している人もいるからです。

もちろん、インフルエンザワクチンを接種することも大切です。このとき気を付けなければならないことは、ワクチンを接種したからインフルエンザには罹患しないと思ってはならないことです。ワクチンはインフルエンザに罹患したときに症状を軽減することを目的としているのであって、感染するのを予防することは目的とはしていないのです。やはり、インフルエンザの予防は手洗いとマスクの装着となります。