Column

2023.01.31

乾燥肌・スキンケア

毛穴の開きや詰まり、たるみといったトラブルは、症状が悪化する可能性があるほか、見た目にも美しくありません。毛穴をはじめとした肌トラブルは見た目年齢が老けて見える場合もあるので、日頃からきちんとスキンケアを行いましょう。

毛穴トラブルは種類に合わせてケア方法を見直すことが大切です。今回は「毛穴トラブルの原因」や「適切なケア方法」を紹介します。

間違った毛穴ケア方法も解説しますので、毛穴や肌の調子を整えたい方はぜひ参考にしてください。

毛穴トラブルは種類ごとに原因が異なる

毛穴トラブルは症状によって複数の種類に分けられます。それぞれ原因が異なるため、種類に合わせてスキンケアを行うことが大切です。

4つの毛穴トラブルの特徴や原因について解説しますので、自身の今の肌の状態と照らし合わせながらチェックしてみてください。

詰まり毛穴

肌トラブルの中でも、毛穴の詰まりで悩んでいる方は多いです。汚れや皮脂が詰まると毛穴が広がって見えるため、キメの整った肌とは程遠い印象を与えます。

毛穴に詰まっているのは主に角栓です。皮脂の過剰分や肌のターンオーバーの乱れ、乾燥やメイク汚れが要因となって、角栓ができます。

加齢による肌質の変化も詰まり毛穴の要因の1つです。年齢が上がるたびに毛穴トラブルが気になるようになった方は、肌質の変化により乾燥肌や肌のバリア機能の低下による皮脂の過剰分泌を引き起こしている可能性があります。

また、毛穴に詰まった角栓が酸化するといちごのように、毛穴が黒く見えることがあります。毛穴に汚れが詰まっているように見える方は、詰まり毛穴を疑ってみましょう。

開き毛穴

開き毛穴は、毛穴が開いて丸く穴が開いたように見える状態です。肌の乾燥やたるみ、皮脂の過剰分泌やニキビが開き毛穴の原因として考えられます。

開き毛穴は角栓の詰まりにより毛穴が押し広げられているため、皮脂やメイク汚れなどが肌に残留してしまう可能性があります。

毛穴が広がっていると感じる方は、開き毛穴に適したケア方法で肌を引き締めることが大切です。

たるみ毛穴

肌がたるむと毛穴も開いて見えます。肌の弾力やハリがなくなる原因は多くの場合、加齢が要因となっています。表情筋が衰えたり、肌質が衰えたりして皮膚がたるんでいる状態です。

頬や目元などのたるみが気になってきた方は、加齢によるたるみ毛穴を疑ってみましょう。

人によっては加齢に関係なく肌の弾力やハリが低下する場合があります。紫外線による肌への負担や乾燥によって肌がたるむケースも多く、毛穴が目立ちやすくなります。

間違ったスキンケア方法もたるみの要因となるため、今一度お手入れの仕方を見直してみましょう。

メラニン毛穴(毛穴の黒ずみ)

毛穴が黒ずんで見える方は、メラニン毛穴の可能性があります。毛穴の黒ずみの多くは角栓の酸化が主な要因ですが、毛穴汚れをしっかり落としても黒ずみが消えない場合は、メラニン色素が毛穴周りに沈着している状態かもしれません。

メラニン毛穴は紫外線による日焼けの影響や肌のターンオーバーの乱れ、摩擦が主な原因です。普段から紫外線対策を行っていない方や、マスクなどによる摩擦が常習化している方はメラニン毛穴になっている可能性があります。

色素沈着を起こさないためにも、普段から紫外線対策を行ったり摩擦による肌への負担を減らしたりしながらメラニン毛穴を予防しましょう。

肌のターンオーバーを正常に働かせるためにも、普段から適切なスキンケアで健康な肌を保つ努力も必要です。

毛穴トラブルを解消するためにやってはいけないこと

毛穴トラブルが気になった際に、ついやってしまいがちなNG行為を紹介します。間違ったスキンケアは毛穴トラブルを悪化させる可能性があるので、以下3つの注意点をしっかり確認してください。

過度な洗顔

毛穴に詰まった汚れや角栓が気になり、1日に何度も洗顔をしている方も多いのではないでしょうか。しかし、過度な洗顔はかえって毛穴トラブルを悪化させる可能性があるのでおすすめできません。

洗顔をし過ぎたり洗浄力の強い洗顔料で洗ったりすると、肌にうるおい保持に必要な皮脂まで洗い流されてしまいます。皮脂が足りなくなると肌にうるおいを与えようとする働きが起こるため、結果的に皮脂の過剰分泌を促すといった悪循環に陥る可能性があります。

皮脂の過剰分泌は詰まり毛穴や開き毛穴などあらゆる毛穴トラブルの要因となるため、洗顔のし過ぎには注意しましょう。洗顔は朝晩1回ずつに留めるのが望ましいです。

角栓を押し出す

毛穴に詰まった汚れや角栓を無理に押し出そうとすると、肌を傷つけてしまう可能性があります。傷ができると炎症を起こし、痛みやかゆみといった不快感を伴う場合があるので注意してください。

また、肌の炎症は色素沈着の原因となります。メラニン毛穴などの毛穴トラブルを悪化させないためにも、角栓を押し出す行為は控えてください。

「角栓を何度も押し出しているうちに毛穴が広がってしまった」といったケースもあるため、毛穴の目立たない肌を目指している方は角栓を押し出す行為を控えましょう。

毛穴パックを頻繁に使う

毛穴パックは一瞬で毛穴の汚れや角栓を取り除けるので、スッキリとした感覚を味わえます。爽快感がクセになり頻繁に毛穴パックを使用する方もいますが、毛穴を傷つける可能性があるため日常的に使用するのは控えましょう。

毛穴パックは毛穴が開いたままになる可能性があるため、注意が必要です。開き毛穴やたるみ毛穴の要因をつくらないためにも、適度な頻度で毛穴パックを使用してください。

使用する際は各商品に記載されている適切な毛穴パックの方法や頻度をきちんと確認してください。説明書などに書かれている注意点も理解してから、毛穴パックを使用するのが望ましいです。

毛穴パック後は毛穴が開いたままになりやすいため、引き締め効果に期待ができる化粧水などを使用して開いた毛穴をケアしてあげることが大切です。

毛穴の適切なケア方法

毛穴トラブルの適切なスキンケア方法を紹介します。「洗顔」と「保湿」に分けてスキンケア方法を紹介するので、要点をしっかりチェックし今日からさっそく毛穴ケア方法を試してみてください。

適切なクレンジング・洗顔をする

毛穴詰まりを予防するためにも、メイクをしている方は洗顔前にしっかりクレンジングをしましょう。メイクは時間が経つほど皮脂と混ざり合ってしまうため、必ずその日のうちにクレンジングを行ってください。

手に付着した菌や汚れを肌に付けないように手を洗ってから洗顔を行います。洗顔料はよく泡立てて、泡の弾力を利用して手が肌に直接触れないように優しくマッサージするように洗うのがコツです。

毛穴詰まりや黒ずみが気になる方は、洗顔前にホットタオルで毛穴を開いてあげると汚れ落ちが良くなる可能性があります。ホットタオルは電子レンジで簡単に作れるので、洗顔前のケアに取り入れてみると良いでしょう。

しっかりと保湿をする

洗顔後の肌は乾燥しやすので、しっかりと保湿することが大切です。肌のべたつきやテカリが気になる方も、乾燥が原因で皮脂が必要以上に分泌されている可能性があります。

肌の乾燥や皮脂の過剰分泌は毛穴トラブルの要因となるので、保湿ケアは欠かせません。基礎化粧品は少なくとも化粧水と乳液はセットで使用しましょう。

化粧水は肌に水分を与える役割がありますが、油分が含まれていないため肌内部の水分が蒸発してしまいます。乳液やクリームなど油分が含まれた基礎化粧品でスキンケアの仕上げを行うことで、水分を肌に閉じ込めるフタの役割を果たします。

オイリー肌や混合肌など脂っぽい肌が気になる方も、きちんと保湿をして肌環境を整えていきましょう。

毛穴トラブルは体の内側からのケアも大切

毛穴をはじめとした肌ケアは、体の内側からのケアも大切になります。肌の健康を維持するためにも、以下3つの生活習慣を普段から意識して過ごしてみましょう。

栄養バランスの整った食事

肌の健康のためにも、日頃から栄養バランスの整った食事を心がけましょう。肌を作るのは食事なので、偏った食生活を送っていると毛穴にも悪影響です。

肌の主成分となるタンパク質や肌の調子を整える効果に期待ができるビタミン類を積極的に摂取してください。

タンパク質は肉や魚、豆類や卵などに多く含まれています。野菜や果物、海藻類やきのこ類にはビタミンやミネラルが豊富に含まれているので、日々の食事に上手に取り入れていきましょう。

揚げ物など脂っこい食事の摂り過ぎは皮脂の過剰分泌を促す可能性があるため、調理方法にも注意してください。

適度に運動をする

運動は肌のターンオーバーを活発にする効果に期待ができます。体を動かし汗をかくことで皮脂や老廃物の排出を促すため、肌だけではなく身体の健康にも欠かせない生活習慣です。

普段あまり運動をしない方も、この機会に運動習慣を身に付けてみると良いかもしれません。最初はストレッチやウォーキングなどの軽い運動からスタートするなど、自身の体調や体力に合わせて行いましょう。

水分不足も肌が乾燥する原因となるので、こまめに水分補給をしながら運動をしてください。

睡眠時間をしっかり確保する

肌のターンオーバーを正常に働かせるためにも、毎日しっかりと眠ることが大切です。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、肌のターンオーバーに必要なホルモンの1つなので睡眠不足にならないように注意しましょう。

成長ホルモンは入眠してから3~4時間後に分泌されます。睡眠時間が短いと成長ホルモンの分泌が低下し、肌のターンオーバーも正常に働かなくなります。

不規則な生活を送っている方は、毛穴ケアの一環としてしっかりとした睡眠時間を確保してください。

規則正しい生活は心身の健康にも良い影響を与える効果に期待ができるので、睡眠時間や生活リズムを整えていきましょう。

毛穴トラブルの種類に合った肌ケアで健康な肌を目指そう

毛穴トラブルは種類によって原因が異なります。それぞれの毛穴トラブルに合ったスキンケアで、毛穴の目立たない肌を目指しましょう。

洗顔方法や保湿方法を見直しながら、毛穴トラブルの要因を1つずつ解決していくことが大切です。毛穴トラブルの予防として、季節を問わず日頃から紫外線対策を行ってください。

毛穴の開きやたるみが気になる方は、引き締め効果に期待ができる化粧水や保湿に注力したスキンケアアイテムも活用しながら毛穴の目立たない肌を目指しましょう。


泉医師からのコメント

毛穴悩みの原因には、皮脂の過剰やコラーゲン弾性線維の減少、たるみ、うぶ毛が関係していると言われています。しかし、毛穴から分泌される皮脂は、年齢とともに徐々に分泌量がおだやかになり、毛穴の詰まりは改善していく一方で、肌のハリを保つ線維は加齢により減少していきます。このように、年齢とともに毛穴が目立つ原因も変わっていきます。毛穴悩みの原因は多岐にわたるため、毎日のお手入れなどで限界を感じた場合には、医療機関での治療を視野に入れてみるのもよいでしょう。

泉医師

監修者

医師:泉 さくら

日本皮膚科学会皮膚科専門医。 琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。

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