Column

2023.07.12

乾燥肌・スキンケア

顔の中でも面積が広い頬は、私たちの顔の印象にも関わります。しかし、頬はニキビができる、乾燥して粉吹きが起きるなど肌荒れしやすいパーツでもあります。

頬は皮脂腺が少なく、面積の広さゆえに外部からの刺激も受けやすい特徴があります。

今回は、頬の肌荒れの種類から原因まで徹底的に解説します。繰り返す頬の肌荒れの原因に着目し、生活の中で手軽に対策する方法も紹介していきます。頬の肌荒れが気になっている方、頬の肌荒れを繰り返してしまっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

なぜ頬は肌荒れしやすいの?

頬は皮脂腺が少なく面積が広いため、顔のほかのパーツに比べると乾燥しやすい特徴があります。肌は乾燥すると、紫外線やアレルゲンなどの外部刺激から皮膚を守るバリア機能が低下して、さまざまなトラブルを引き起こす原因になります。

髪の毛や寝具で摩擦される、頬杖をつく、顔を触るクセがある場合も刺激となり、肌荒れにつながりやすくなる傾向にあります。

頬の肌荒れの種類と原因

肌荒れしやすい頬は、乾燥だけでなくニキビや赤みなど、さまざまな肌荒れが起きるパーツです。以下で頬に発生しやすい肌荒れの種類と原因を解説します。

乾燥による肌荒れ

頬は皮脂腺が少なく面積が広いため、乾燥しやすい特徴があります。洗顔後につっぱる、手触りがカサカサする、皮めくれや粉吹きなどの症状は頬が乾燥しているときの症状です。

おでこや鼻がベタつくからといって、洗浄力の高い洗顔料で洗う、頬をゴシゴシ擦って洗顔するなど、間違ったスキンケアをしていると、頬を乾燥させる原因になります。

また、冷暖房や冷たい外気、紫外線などの影響を受けやすいのも特徴です。夏も紫外線や冷房で乾燥が進みますが、とくに外気が乾燥する冬は乾燥による肌荒れが悪化しやすくなります。

ニキビ

思春期ではおでこや鼻にできやすいニキビですが、大人になると頬にできやすくなる傾向があります。

大人の頬にニキビができる原因は、乾燥やホルモンバランスの乱れ、ストレスや生活習慣が関係しているといわれています。

大人の頬は乾燥すると、肌表面の角質が硬くなり、毛穴が詰まりやすくなります。ニキビの原因は、毛穴の詰まりと皮脂の過剰分泌によるアクネ菌の増殖です。肌のうるおい不足も皮脂の過剰分泌につながるので、ニキビができやすくなる原因になります。

肌が乾燥するとバリア機能が低下して、紫外線や雑菌の影響も受けやすくなるため、ニキビができやすい環境を作ってしまいます。

また、頬のニキビは乾燥だけでなく、ホルモンバランスや生活習慣、寝具のこすれやメイクの影響などが原因の場合もあります。

大人の頬ニキビを繰り返さないためには、ご自身の原因を見極め、対策していくことが必要です。睡眠は十分か、寝具は常に清潔に保たれているか、メイクはきちんと落とせているかなどもチェックしてみてください。

赤み

一時的ではない頬の赤みは、バリア機能の低下による皮膚の炎症が原因となっている場合があります。頬のバリア機能が低下する要因として、乾燥だけでなく紫外線や花粉、マスクのこすれなどの外部刺激が考えられます。

また、赤みがあっても炎症がない場合、毛細血管が拡張したまま戻らなくなる「毛細血管拡張症」、毛細血管拡張症によって引き起こされる「酒さ」などの皮膚疾患の可能性があるので、医療機関に相談してください。

湿疹・皮膚炎

顔が赤くなる、かゆみがある、水疱ができている場合、湿疹や皮膚炎の可能性があります。

慢性的ではない場合は、湿疹の原因となる物質と接触したことによる「接触性皮膚炎」かもしれません。接触性皮膚炎の場合は、原因が触れた場所だけ強いかゆみや赤み、小さな水疱が見られます。

ほかにも、症状が繰り返し出る、慢性的に症状が出る場合は「脂漏性湿疹」や「アトピー性皮膚炎」なども考えられます。

湿疹や皮膚炎の可能性がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。また、顔の赤みがある、かゆみがある、水疱ができている場合も医療機関で適切な診断を受けて治療しましょう。

毛穴の開き

頬の毛穴が開いたままになり、目立った状態になるのも肌荒れの1種です。毛穴が開く多くの原因は、皮脂の過剰分泌です。

毛穴に皮脂や古い角質がたまったままになると「角栓」と呼ばれる状態になり、黒くポツポツと目立った状態になります。間違った角栓を取り除くケアをすると、毛穴が開いたままになるのでケアの仕方には注意が必要です。

頬を肌荒れさせないための対策方法

ここまで頬の肌荒れの原因について紹介しました。以下では肌荒れしないための対策方法を紹介していきます。

ただし、肌荒れの症状がひどい、痛みやかゆみがある、湿疹または皮膚炎の可能性が考えられる場合は、セルフケアで改善を目指さずに医療機関に相談するようにしてください。

適切な洗顔をする

肌荒れしない頬を目指すには、汚れや古い角質を取り除き清潔にしなければいけません。そのために、洗顔は朝晩2回、肌タイプに合った洗顔料をしっかり泡立てて行いましょう。

洗顔後に肌がつっぱる感じがする場合は、洗顔料が肌に合っておらず、うるおいを保つために必要な皮脂まで洗い流してしまっている可能性があります。

肌荒れをしているときはとくにデリケートになっているので、低刺激の洗顔料を使い、洗浄力の高いものは避けるようにしてください。

しっかり保湿ケアをする

乾燥を原因とする頬の肌荒れの場合は、高保湿とされるセラミドやヒアルロン酸、ヘパリン類似物質などが入ったスキンケアアイテムでしっかりと保湿しましょう。

ニキビができているとき、スキンケアをしてもいいのか不安になる方も少なくないですが、大人ニキビも乾燥が原因の1つとなっているため、保湿を重視してください。

また、アルコールやエタノール、香料、着色料など、肌に刺激を与える可能性があるものを含むスキンケアアイテムは避け、肌にやさしい低刺激なものを使うようにしましょう。

頬に触れるものを清潔に保つ

頬は寝具やメイク道具が触れるパーツなので、触れるものにも気を付ける必要があります。枕カバーや布団カバーは清潔にして、肌あたりが良いものを選びましょう。肌あたりが悪いものが肌に触れると刺激になり、頬の肌荒れにつながる可能性があります。

メイクで使うスポンジやブラシも、定期的に洗ったり交換したりして、常に清潔なものを使うように心がけてください。

部屋の湿度に気を付ける

部屋が乾燥していると、頬に悪影響を与える場合があります。肌荒れしない頬を目指すなら、部屋の湿度には注意しましょう。

乾燥しやすい秋冬だけでなく、夏も冷房で乾燥するので、部屋の湿度を測り60%を目安にすると良いです。

紫外線対策をする

紫外線は乾燥だけでなく、肌にダメージを与えてバリア機能を低下させる原因になる場合があるため、対策が必要です。

肌荒れしている頬はデリケートなので、低刺激で肌への負担が少ない日焼け止めを塗るようにしてください。

日焼け止めだけでなく、帽子や日傘、UVカット機能のついた衣服を着るのも良いでしょう。

バランスの良い食生活を心がける

肌を作っているのは、食事です。外食が多い、丼物やパスタなどを食べることが多い場合は栄養が偏っている可能性があります。

糖質や脂質を多く摂るとニキビの原因になるといわれています。糖質は美肌を保つために不可欠なビタミンBを消費するといわれているため、控えめにしてください。

肌荒れしない頬を目指すなら、食事は野菜とタンパク質を意識して摂り、1日3食バランスの良い食事を心がけましょう。

生活習慣を見直す

不規則な生活や睡眠不足は、ホルモンバランスや自律神経の乱れを引き起こす可能性があります。

自律神経の乱れは、肌の新陳代謝を低下させて角質を厚くする、皮脂の過剰分泌を招くなど、肌荒れの原因になると考えられています。

まずはなるべく決まった時間に就寝して、早寝早起きを心がけましょう。

頬の肌荒れは乾燥ケアを中心に

頬は顔の中でも面積が広く皮脂腺が少ないため、乾燥しやすく紫外線や外気などの外部刺激の影響も受けやすいパーツです。

乾燥を原因とする肌荒れやニキビなど、さまざまな肌トラブルが起きやすいパーツのため、ご自身の肌荒れの原因をチェックして対策してください。

肌荒れしない頬を目指すにはしっかり保湿ケアと紫外線対策をしながら、生活習慣もあわせて見直しましょう。

ただし、かゆみや痛みがある、湿疹や皮膚炎の可能性がある場合は、早めに医療機関を受診するようにしてください。


泉医師よりコメント

頬は紫外線やマスクのこすれなどの外部刺激を受けることが多く、顔のなかでも皮脂の分泌量が少ないため、水分が蒸発し乾燥することで肌トラブルを起こしやすい部分です。毎日の丁寧なケアと生活習慣により、肌のバリア機能を整え健やかな肌を目指しましょう。

泉医師

監修者

医師:泉 さくら

日本皮膚科学会皮膚科専門医。 琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。

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