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コラム
COLUMN

2020.09.14

乾燥肌・スキンケア

【医師監修】乾燥肌に適したスキンケアとは? 手順からアイテム選びのポイントまで

乾燥肌に悩む女性は多いもの。乾燥肌を改善するには、その原因を理解した上で、適切な手順やアイテムでスキンケアを行うことが肝要です。今回は、乾燥肌のスキンケアのポイントを解説します。

乾燥肌とは

人の体を覆う肌は、大きく分けると一番外側から「表皮」、「真皮」、「皮下組織」という3層で構成されています。「表皮」はさらに4つの層に分けられ、そのうち最も外側にあるのが厚さ約0.02㎜の「角質層」です。肌にはもともと外部からの異物の侵入や、内部からの水分の蒸発を防ぐ「バリア機能」が備わっていますが、その働きにおいて特に重要な役割を担うのが、この角質層といわれています。非常に薄い角質層が適度な水分を保持し、しっかり整っていることで、ウイルスや花粉、紫外線といった外部刺激から肌を守ると同時に、水分の蒸発を防ぎ、肌内部に水分をしっかり蓄えておくことができるのです。

ところが、何らかの要因によって角質層がダメージを受けると、肌のバリア機能も崩れ、肌内部に保持されていた水分が蒸発し、乾燥を招いてしまいます。こうした肌の状態を、「乾燥肌」と呼びますが、乾燥肌になると肌がカサつき、弾力も失われて、硬く、ごわついた手触りになります。特に、皮膚が薄い目元や口元は乾燥が進行しやすいため、白く粉を吹いたように見えたり、シワができやすくなったりするケースもあるようです。また、角質層がダメージを受けていると、肌は外部刺激の影響も受けやすくなってしまいます。紫外線を受けてシミが発生したり、花粉やハウスダストによって、ヒリヒリとした感覚や、かゆみや赤み、吹き出物などの肌荒れも生じやすくなってしまいます。

乾燥肌に悩む女性

乾燥肌の原因

ひとくくりに「乾燥肌」といっても、その原因にはさまざまなものがあると考えられています。代表的なものを紹介しますので、乾燥肌の予防・改善の参考にしましょう。

●食生活の乱れ

健康な肌づくりには、肌の原料となるタンパク質、肌に潤いをもたらすビタミンA、肌の生まれ変わりを促すビタミンB2 やビタミンB6、バリア機能の維持に欠かせない必須脂肪酸などの栄養素が重要です。これらは食事を通して摂取できますが、ダイエットのため肉類や油分を極端に制限したり、即席麺や冷凍食品ばかりを利用して栄養が偏ったりすると、肌のバリア機能が崩れ、乾燥肌になってしまう可能性があります。

●紫外線のダメージ

日光にさらされやすい手の甲と、さらされにくい腕の内側の肌を比較すると、後者の方が肌がしっとり、すべすべしている場合が多いです。これは、日光にさらされる部分が紫外線によってダメージを受けていることを表しています。紫外線を長時間浴びることで、肌は軽い火傷のような状態(日焼け)となり、角質層が炎症を起こすため、肌も乾燥しやすくなるようです。

●睡眠不足やストレス

人間の細胞は新陳代謝によって、古いものが新しいものへと次々に入れ替わることで、正常な状態が保たれるようになっています。肌の細胞も1カ月前後の周期で生まれ変わる(ターンオーバー)ことで、バリア機能を維持しています。ところが、睡眠不足やストレスによって自律神経が乱れると、ターンオーバーも滞り、バリア機能も崩れてしまいます。その結果、水分を保持する力が低下し、肌が乾燥しやすくなってしまうと考えられています。

●加齢

人間の肌は20歳をピークにバリア機能を保つ皮脂などの分泌が減少し始め、さらにターンオーバーも乱れがちになるといわれています。そのため、加齢とともに肌が乾燥しやすくなってしまうのです。

●間違ったスキンケア

洗浄力の高いクレンジングや洗顔料を使っていると、汚れだけでなく、必要な皮脂まで洗い落してしまいます。しかし、適度な皮脂は肌の潤いの維持に欠かせないため、落とし過ぎると肌の乾燥を招いてしまいます。また、少量のクレンジング剤で、肌をこすりつけるように洗ったり、洗顔後にタオルでゴシゴシ拭き取ったりすると、肌に摩擦が生じて角質層にダメージを与え、バリア機能が低下して乾燥肌になってしまうこともあるようです。スキンケアは毎日繰り返し行われるため、間違ったやり方を続けていると、どんどん肌を傷めてしまいます。乾燥肌の予防・改善には、正しいスキンケアの手順とアイテム選びが大切なのです。

【乾燥肌向け】スキンケアのポイント

たっぷりの洗顔泡でスキンケア

乾燥肌になると、肌のつっぱりやヒリヒリ感といった不快な感覚はもちろん、シワっぽさや化粧ノリの悪さなど、見た目にも悪影響が出てしまいます。これらを緩和するには、日々の丁寧なスキンケアが大切です。ポイントは、以下の3点です。

●清潔さを保つ

肌のバリア機能が低下しているため、肌荒れを起こしやすいです。汚れを丁寧に落とし、肌を清潔に保ちましょう。

●十分な保湿

保湿成分を含んだ基礎化粧品を使って、外から潤いを与えましょう。高級品を少量使うよりも、手ごろな価格のものをたっぷり使うのが効果的です。

●外部刺激から守る

肌の潤いを保つには、ダメージを受けたバリア機能を回復させることが大切です。さらなるダメージを受け、回復を遅らせることのないよう、紫外線や摩擦などの外部刺激から肌を守りましょう。

この3点を念頭に、乾燥肌に適した手順でスキンケアを行うことが大切です。続いて、アイテム選びのポイントと手順を紹介するので、日々のお手入れの参考にしてみてください。

1.クレンジング

メイクを落とすクレンジング剤は、洗浄力や使用法によって、さまざまなタイプがあります。例えば、オイルタイプは洗浄力が強く、スッキリと洗い上がるものの、肌に必要な皮脂まで取り除いてしまう可能性があるため、乾燥肌には不向きと考えられています。また、シートで拭き取るタイプも、メイクをこすりとる際に摩擦が生じるため、乾燥肌には刺激が強過ぎてしまいます。乾燥肌の人は、適度な洗浄力を備えつつも肌への負担が少ないミルクタイプ、クリームタイプ、バームタイプから、好みのものを選ぶとよいでしょう。

<クレンジングの手順>

(1) クレンジング剤をたっぷり手に取り、手の平で温めてから、30秒~1分間程度、優しくメイクとなじませる

(2) ぬるま湯で丁寧にすすぐ。シャワーは水流が強いので、直接顔に浴びることはせず、手にお湯をためて洗い流す

※しっかりメイクをした日は、クレンジングの前に顔をホットタオルで温め、メイクを浮かせて落ちやすい状態にする

2.洗顔

乾燥肌は刺激に敏感なため、香料や防腐剤など、余分な成分が配合されていない、シンプルな洗顔料がよいとされています。スッキリ洗い上がるメントール成分入りや、スクラブ入りのものは刺激が強いので避けましょう。汗をあまりかいていなかったり、汚れが気にならない場合は、洗顔料を使わず、ぬるま湯ですすぐだけでも十分です。

<洗顔の手順>

(1) 泡立てネットなどを使い、十分に泡立てる。

(2) 額から鼻にかけてのTゾーンや、顎など、皮脂の分泌が多い部分から泡を乗せ、顔の中心から外側に向かって泡を広げるように洗う。このとき、ゴシゴシとこすらない。

(3) ぬるま湯で丁寧にすすぐ。シャワーは水流が強いので、直接顔に浴びることはせず、手にお湯をためて洗い流す。

(4) 清潔なタオルで、顔全体を包み込むように優しく押さえて水分を拭き取る。上下、左右にゴシゴシこすらない。

3.潤いを与える(化粧水・美容液)

低刺激で、保湿成分が配合された化粧水や美容液で肌に潤いを与えましょう。なるべく香料や着色料、アルコール、防腐剤など、肌に刺激を与える成分が含まれていないものを選びます。また、ヒアルロン酸やセラミド、アミノ酸、コラーゲン、グリセリンなど保湿成分が高配合されたものがオススメです。

<化粧水・美容液をつける手順>

(1) 洗顔後すぐ、化粧水をたっぷり手に取り、手の平で温める。

(2) 両手で顔全体を包み込むようになじませる。

(3) 適量の美容液を手に取り、手の平で温めてからなじませる。目元、口元など、乾燥の気になる箇所は重ね塗りする。

※化粧水の前に導入液(ブースター)を用いたり、ホットタオルで顔を温めたりすると、化粧水がなじみやすくなるのでオススメ

4.保湿(乳液orクリームor白色ワセリン)

化粧水や美容液同様、低刺激で高保湿の乳液やクリームを選びましょう。白色ワセリンは不純物が少なく、肌への刺激が少ないのでオススメです。

<保湿の手順>

(1) 化粧水や美容液で潤いを与えた後、保湿剤を手で温めてから、目じり、口元、小鼻の順に乗せる。

(2) 顔の中心から外側に向かって、優しくなじませる。

まとめ

肌が潤ってみずみずしいと、それだけで気持ちが晴れやかになりますよね。今回紹介した乾燥肌向けのお手入れ方法やアイテム選びのポイントを参考に、自分に合ったスキンケアを実践し、しっとりすべすべの美肌をかなえてくださいね。

木村医師よりコメント

顔と違って、洋服に隠れている部分の肌は、ツルツルスベスベだなと感じている方も多いことでしょう。スキンケアなど、日頃のちょっとした心がけが乾燥肌をまもります。「清潔を保つ」「十分な保湿をする」「刺激から守る」。これら3つのポイントを守ることが、スキンケアのコツです。自身の生活や、肌に合ったスキンケアの方法を探してみてください。

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監修者

医師・木村眞樹子

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科として在勤中。内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。総合内科専門医。循環器内科専門医。日本睡眠学会専門医。ビジョントレーニング指導者1級資格。

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