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コラム
COLUMN

2020.09.14

乾燥肌・スキンケア

【医師監修】乾燥肌にかゆみが伴う理由とは?原因と仕組み、予防法を解説

乾燥肌になると、衣服が肌にこすれたり、髪が肌にかかったりするだけでも、むずむずとしたかゆみを生じることがあります。衝動的に掻いてしまうと、一時的にはすっきりするものの、後から肌がヒリヒリしたり、さらに強いかゆみに悩まされたりすることもあるようです。今回は、乾燥肌によるかゆみの原因と仕組み、さらに、効果的な予防法について解説します。

乾燥肌になると肌がかゆくなるのはなぜ?

●かゆみが起こる仕組み

“かゆみ”とは、体に異物が付着したことを知らせる生体防御反応の一種です。体に異物が付着すると、肌はそれを刺激として察知し、肌内部の細胞から”かゆみ物質”を分泌させます。このかゆみ物質が知覚神経を刺激すると、脳に情報が伝達されます。それにより、脳は刺激を”かゆみ”として認識し、反射的にその箇所を掻くことで、異物を取り除こうと反応するのです。
この時の異物とは、ウイルスや花粉など体に悪影響を与える外敵を指すことが多く、基本的にはわずかな刺激で過剰に反応することはありません。しかし、乾燥肌に悩む人の中には、衣類のこすれや髪がかかるといったわずかな接触で、かゆみを感じることがあるようです。続いて、乾燥肌とかゆみの関係についてみていきましょう。

●乾燥肌とかゆみの関係

一般的に乾燥肌とは、肌に必要な水分や皮脂などが失われ、潤いがなくなっている状態を指します。肌にはもともと、肌内部からの水分の蒸発を防ぐ「バリア機能」が備わっていますが、この働きにおいて重要な役割を担っているのが、肌の最も外側にある「角質層」です。ところが、何らかの要因で角質層がダメージを受けると、このバリア機能は崩れてしまいます。すると、肌内部に保持されていた水分が蒸発し、乾燥肌になってしまうのです。また、肌の水分が失われることで肌の構造が崩れるため、かゆみ物質を脳に伝達する知覚神経は刺激を受けやすくなると考えられています。それにより、わずかな接触でもかゆみを感じてしまうのです。

肌を掻く女性

乾燥肌によるかゆみの予防法

乾燥肌によるかゆみを予防するには、肌のバリア機能を整えて、刺激を受けにくい状態にしておく必要があります。そのためには、以下のような方法が有効です。

●肌のターンオーバーを整える

肌の細胞は新陳代謝によって、古い細胞から新しい細胞へと、一定の周期で生まれ変わります。この仕組みを肌のターンオーバーといいます。ターンオーバーが規則正しく行われていると、肌のバリア機能も整った状態で維持されますが、何らかの影響によって、ターンオーバーが滞ってしまうことがあります。すると、肌のバリア機能も崩れてしまうのです。

ターンオーバーを低下させる要因には、睡眠不足やストレスによる自律神経の乱れがあります。夜更かしをやめて睡眠時間を十分に確保するとともに、運動や趣味を楽しむことで、上手にストレスを解消しましょう。また、栄養補給も大切です。肌のターンオーバーを促すのに有効なのは、ビタミンB2やB6、ビタミンA、ビタミンCです。ビタミンB2やB6はレバーやカツオ、ビタミンAやCは、緑黄色野菜や果物などに豊富に含まれているため、これらを積極的にとりましょう。

●保湿剤が高配合されたアイテムで肌を潤す

バリア機能を維持するには、肌の最も外側にある角質層が適度に水分を保持し、整っていることが大切です。毎日のスキンケアでは、保湿剤が高配合されたアイテムを使って潤いを与えるとよいでしょう。オススメは、保湿効果の高いセラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸などの成分が高配合された化粧水や美容液です。香料やアルコールなどを含まない、低刺激のものを選びましょう。また、与えた潤いを肌に留めるため、仕上げにクリームや乳液、白色ワセリンを使うことも大切です。

●入浴や毎朝の洗顔で、肌をこすらない

石けんを十分に泡立てずに体や顔を洗うと、肌に摩擦が生じて角質層がダメージを受け、バリア機能の低下を招いてしまいます。特に、体を洗う際にナイロンタオルでゴシゴシこすると、角質層を傷つけるだけでなく、肌に必要な皮脂も落とし過ぎてしまうため、乾燥肌が悪化すると考えられています。顔や体を洗う際は石けんを十分に泡立たせ、手の平で優しく洗いましょう。タオルを使う場合は綿などの肌当たりの柔らかい素材がオススメです。

たっぷりの泡で洗顔

●エアコンの使い方に気を付け、肌の潤いを守る

エアコンは、暖房でも冷房でも、室内の空気を乾燥させてしまいます。乾燥した空気にさらされた肌は表面から水分が奪われると考えらえています。夏や冬は、エアコンの効いた室内で過ごす時間が長くなるので、無意識のうちに肌が水分不足となり、乾燥肌を招いてしまう可能性があります。エアコンを使う際は空気の乾燥を最小限に抑えるよう、夏は高めに、冬は低めに温度を設定しましょう。また、濡れタオルをかける、加湿器を使うなどして、適度に加湿するのもオススメです。

かゆくても、掻くのは厳禁! 掻いてはいけない理由

肌にかゆみを感じた際、肌を掻くのは厳禁です。というのも肌を掻くと角質層が傷つき、バリア機能がさらにダメージを受けてしまいます。すると、肌はますます刺激に敏感になってしまうため、「かゆい」→「掻く」→「かゆい」の悪循環に陥ってしまいかねません。特に乾燥肌はわずかな刺激からもかゆみが生じるため、無意識のうちにかゆい箇所に手が伸びてしまいそうですが、掻くことでかえって肌の状態を悪化させてしまう恐れがあります。かゆみが生じた際の正しい対処法は、冷やすことです。氷を包んだタオルや保冷剤で患部を冷やし、肌を傷つけないように対処しましょう。

まとめ

乾燥肌によるかゆみは、バリア機能の低下によって引き起こされます。バリア機能は、日々、肌をどのように扱うのか、どのような環境におくのかによって、大きく左右されます。今回解説した予防法を参考に、毎日のスキンケアや生活習慣を見直し、不快なかゆみに悩まされることのない、健やかな肌を実現してくださいね。

木村医師よりコメント

乾燥は皮膚のバリア機能を損なってしまうため、お肌に大敵です。皮膚が乾燥したまま放っておくとかゆみがでて、その部分をかいてしまうことで傷をつくってしまうこともあります。乾燥する時期やエアコンを使っているときなどはもちろんのこと、一年を通じて皮膚が乾燥しないように意識することが大切です。お風呂上がりなどは肌が潤っているように感じますが、皮膚から水分はどんどん逃げていきます。入浴後には早めに保湿することを心がけるようにしてください。

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監修者

医師・木村眞樹子

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科として在勤中。内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。総合内科専門医。循環器内科専門医。日本睡眠学会専門医。ビジョントレーニング指導者1級資格。

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