ニキビの種類や原因とは？皮膚科への受診や一因となる乾燥肌の治療薬についても解説

大人になってからニキビができ、なかなか治らず悩んでいる方は多いかもしれません。仕事や家事で忙しいと「ただのニキビだから」と、つい後回しにしてしまいがちです。

しかし、ニキビは「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれる皮膚の病気です。放っておくと悪化して痕が残る場合もあります。

なかなか治らないニキビには、皮膚科での治療と日々のセルフケアが必要です。

今回は、ニキビの種類や原因、自宅でできるセルフケアについて解説します。しぶといニキビにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

ニキビの種類と症状

ニキビは、毛穴に皮脂が詰まって発生します。発生段階や炎症の程度によって、4種類に分けられます。

①白ニキビ

毛穴の出口が皮脂で塞がれ、皮脂や角質が毛穴の中に溜まった状態です。白く小さなニキビで触るとざらざらしています。

②黒ニキビ

白ニキビの毛穴の出口が広がると、皮脂が空気に触れて酸化し、黒っぽく変化します。炎症は起きていないので、痛みやかゆみなどの症状はありません。放置すると悪化しやすいニキビです。

③赤ニキビ

黒ニキビが悪化して炎症を起こすと、赤く腫れて痛みを伴う赤ニキビになります。触ったり潰したりすると悪化につながります。

④黄ニキビ

赤ニキビの炎症がさらに進み、毛穴の中に膿が溜まった状態です。触ると痛みを伴うことが多いです。皮膚の奥まで炎症が広がると、ニキビ痕や色素沈着が残る場合もあるため注意が必要です。

同じニキビでも、進行の度合いや炎症の強さは異なります。鏡で肌をチェックし、どのニキビに当てはまるのか確認しましょう。

ニキビの原因

ニキビの原因は生活習慣やホルモンバランスなどさまざまです。原因が複数重なっている場合もあります。以下で、ニキビの原因を紹介するので、自身に当てはまる部分がないかチェックしましょう。

・栄養バランスの偏り

肌の健康を保つために、バランスの良い食事は欠かせません。ビタミン類や食物繊維など、肌をサポートする栄養素が不足するとニキビにつながってしまうこともあるため、注意しましょう。

・睡眠不足・ストレス・ホルモンバランスの乱れ

睡眠不足やストレスは、ホルモンバランスの乱れにつながります。ホルモンバランスが乱れると皮脂の分泌が増え、ニキビの原因になりかねません。

・紫外線や摩擦

頬やあご、首まわりはマスク、髪、衣類などの摩擦で刺激を受けやすく、炎症のきっかけになる場合があります。紫外線はニキビの炎症を悪化させるため、気をつけましょう。

・シャンプーや洗顔料のすすぎ残し

シャンプーやトリートメント、洗顔料が肌に残ると毛穴詰まりの原因になります。すすぎ残しがないように注意してください。

・毛穴の壁が破壊される

炎症が広がると毛穴の壁が破壊され、痕になってしまいます。痕には皮脂やアクネ菌が溜まりやすく、ニキビの再発につながってしまいます。

・肌の乾燥

乾燥によって肌のバリア機能が低下すると、皮脂の分泌が増えて毛穴が詰まりやすい状態になります。過度な洗顔も乾燥につながるので注意が必要です。

乾燥とニキビの関係については、以下のコラムをご参照ください。

「乾燥肌でもニキビはできる?　”乾燥肌ニキビ”の原因と対処法」

ニキビがなかなか治らない場合は皮膚科を受診する

ニキビがなかなか治らない場合だけでなく、気になる場合は、皮膚科を受診しましょう。皮膚科では、ニキビの状態に適した治療を受けられます。

セルフケアを行うよりも、皮膚科で処方される薬や治療を利用したほうが改善しやすいです。早めに治療を受けることで治療期間が短くなり、ニキビ痕も残りにくくなるでしょう。

ニキビを予防する方法

ニキビは、日常生活のちょっとした工夫で予防することができます。

皮膚科での治療とあわせて、毎日の習慣を見直すことが、綺麗な肌を保つための第一歩です。以下で、ニキビの予防につながる生活のポイントを紹介します。

生活習慣を整える

毎日の生活習慣は、肌の健康に大きな影響を与えます。睡眠・食事・ストレスケアの3つを意識して整え、ニキビを予防しましょう。

睡眠のリズムを整えることは肌の健康につながります。できるだけ毎日同じ時間に寝て起きるリズムを保ち、十分な睡眠時間を確保してください。十分な睡眠によってホルモンバランスが安定すると、皮脂分泌が抑えられ、ニキビ予防につながります。

また、毎日の食事も肌の健康に関わっています。食物繊維やビタミン類を含む野菜や果物を意識して摂りましょう。ビタミンAは肌の健康を維持する働きがあります。ビタミンCはコラーゲンの生成をサポートし、ビタミンEは血行を促進するため、肌の回復力の向上が期待できます。

強いストレスは、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、皮脂分泌を増加させるため、ニキビにつながってしまいます。

入浴や軽い運動、好きな音楽や香りを楽しむなど、心を休める時間を意識的にとり、ストレスを溜め過ぎないようにすることも大切です。

生活習慣の改善については、以下のコラムをご参照ください。

「【医師監修】ニキビに効く食べ物は？おすすめの食材を紹介」

適切なスキンケアをする

ニキビを予防するためには、毎日のスキンケアが大切です。

洗顔は、朝と夜の1日2回行うのが良いとされています。肌のうるおいを守りつつ、汚れや余分な皮脂を落とすため、きめ細かい泡で優しく洗いましょう。洗顔後は泡が残らないよう、しっかり洗い流してください。

洗顔後は、なるべく時間をあけずに保湿をします。肌の状態を見ながら、口周りやあごなど乾燥しやすい部分には追加で保湿剤を使用すると良いでしょう。外出時は、日焼け止めを使用し、紫外線による肌のダメージを防いでください。

枕カバーやシーツ、フェイスタオルなど、肌に直接触れるものは常に清潔に保ち、雑菌による肌トラブルを防ぐことが大切です。

スキンケアについては、以下のコラムをご参照ください。

「スキンケアとは？基礎知識やケア方法について解説」

肌の乾燥が改善されない方はヘパリン類似物質配合の治療薬も検討してみる

肌の乾燥が原因でできるニキビの場合は、スキンケアとあわせて、乾燥肌治療薬を試してみるのも1つの方法です。乾燥肌治療薬にもさまざまありますが、ヘパリン類似物質が配合された治療薬がおすすめです。

ヘパリン類似物質は、人の肝臓で生成される糖類の一種「ヘパリン」に似た成分で、水分を引き寄せて保持する特性があります。保湿・血行促進・抗炎症の3つの作用があります。

ヘパリン類似物質が配合された製品には医薬品と医薬部外品があります。医薬品の場合は、保湿に加え乾燥肌の治療にも役立ち、医薬部外品はうるおいを保つために日頃のスキンケアとして使用可能です。

ただし、刺激感やかゆみ、湿疹、かぶれなどの症状が現れた場合には、使用を中止して皮膚科に相談しましょう。

また、ニキビ治療のためにすでに皮膚科で薬を処方されている方は、事前に相談してから使用することをおすすめします。

ヘパリン類似物質が配合された製品は、ドラッグストアのほか、健栄製薬のオンラインショップでも購入することができます。

健栄製薬のオンラインショップには、ローションタイプやクリームタイプなど、さまざまな形状の製品がそろっています。乾燥肌が気になる方は、ぜひ購入を検討してみてください。

健栄オンラインショップ[公式]はこちら

早めの皮膚科受診とセルフケアで、ニキビのない肌を目指そう

ニキビがなかなか治らない原因は、ホルモンバランスの乱れや乾燥、生活習慣などさまざまです。放置してしまうと炎症が悪化し、ニキビ痕として残ってしまうこともあるため、早めに皮膚科を受診して適切な治療を受けることが大切です。

皮膚科では、肌の状態に合わせて治療薬を処方してもらえるため、自己判断のスキンケアで悪化させるリスクを防ぐことができます。

専門医による治療や指導を受けつつ、洗顔や保湿、生活習慣や食生活を見直せば、より効果的にニキビの改善・予防ができます。

早めの皮膚科受診と毎日のセルフケアで、繰り返すニキビを防ぎ、健やかな肌を目指しましょう。