コラム
COLUMN
肌の乾燥が気になるものの、保湿クリームの種類が多く、どれが肌に合うかわからないと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
今回は保湿クリームの選び方、適切な塗り方を紹介します。肌質別でおすすめの成分も紹介するので、ご自身の肌質を確認しながら、ぜひ参考にしてください。
保湿クリームとは?
保湿クリームというのは油分を多く含んだ保湿ケアアイテムをさします。乾燥しやすい肌に与えたうるおいが逃げないように、肌表面を保護したり、肌を刺激から守ったりする役割があります。
また、保湿クリームは乳液に比べて油分が多い特徴があります。
一般的には、化粧水や美容液、乳液などで整えた後に使用します。化粧水や美容液で水分や栄養分を与え、それらが蒸発しないように保湿クリームを塗ります。
保湿クリームは、もともと皮脂量が少ない乾燥肌の方に向いているスキンケアアイテムです。反対に、皮脂量が多い脂性肌の方はベタつきやすいため、無理に使用する必要はなく、乳液などさっぱり仕上がるものが良い場合があります。
また、乾燥しやすい冬場だけ使用するという方法もおすすめです。
保湿クリームのおすすめの選び方
肌の悩みは肌質によって異なります。ご自身の肌質がどんなタイプなのかを踏まえて、保湿クリームは選ぶようにしましょう。
肌トラブルの改善は肌質に合った保湿クリーム選びが大切です。ここでは、3つの肌タイプ別におすすめの選び方を紹介します。
乾燥肌の方におすすめの保湿クリーム
乾燥肌は水分量と皮脂量が少ない傾向があります。スキンケアとしては、肌の内部の角質層に浸透し、保湿するはたらきのあるヘパリン類似物質が入ったタイプがおすすめです。
ヘパリン類似物質という成分は、医薬品の場合、保湿のほかにも血行促進や抗炎症の作用があります。医薬部外品の場合、高い保湿効果が期待でき、毎日のスキンケアにも使える製品があります。
乾燥肌は、肌を守るバリア機能が低下していることも多く、紫外線や摩擦などの刺激をより受けやすくなっています。外部から刺激を受けると、肌荒れにつながるため十分な保湿ケアで肌を守ることが重要です。
脂性肌の方におすすめの保湿クリーム
脂性肌の方はベタつきが気になることが多いので、さっぱり感があり、肌を清潔に保つ成分がおすすめです。
例えば、ビタミンC、ビタミンA(レチノール)、アゼライン酸、ナイアシンアミドなどの成分は皮脂の過剰分泌を抑える作用があるといわれている成分です。このような成分が含まれているケア製品を選んでみると良いかもしれません。
また、皮脂の量が多い肌の方は、油分の多いクリームを使うことで、余計なベタつきやテカリの原因になってしまいます。
ベタつき、テカリなどの皮脂が過剰な状態はニキビや肌トラブルにつながる可能性があるので注意が必要です。油分を必要以上に追加するスキンケアは控えましょう。
混合肌の方におすすめの保湿クリーム
混合肌は、皮脂量が多いものの、肌表面の水分量が不足している状態です。
水分量が少ないと、さらなる乾燥を防ぐために皮脂が過剰分泌し、結果として皮脂がたくさん分泌されてしまいます。
混合肌の方は、肌の水分を保つ必要があるので、保湿成分のセラミドなどが入っているタイプがおすすめです。肌表面の水分を保つことで皮脂の過剰分泌を抑えることができます。
保湿クリームの適切な塗り方
保湿クリームは、塗り方によって効果を高められる可能性があります。適切な保湿クリームの塗り方を紹介します。
人肌に温めてから塗る
保湿クリームは、肌に塗る前に手のひらで温めてから塗ると良いです。人肌程度に温めると肌馴染みが良くなるので、一度手のひらで包み込む時間を取ってみましょう。
製品に記載の保管方法に従うことが前提ですが、冷蔵庫での保管は基本的に不要で、常温で保管できる保湿クリームが多いです。
保湿クリームの塗りすぎに注意する
先述のとおり、保湿クリームは油分を多く含んでいるため、塗りすぎはベタつきやテカリの原因になります。
保湿クリームの使用目安は、パール粒大程度です。一般的に、塗った後に肌がベタついていない状態が適切な量といわれています。
回数としても使い過ぎは良くなく、1日2回のスキンケア時のみにしましょう。
また、過度な保湿のし過ぎは余分な油により、かえって肌トラブルの原因になる可能性があるので注意しましょう。
やさしく顔全体に塗り広げる
力を加えてクリームを塗ると、摩擦が起こって肌へ負担がかかり、肌がダメージを受けて乾燥につながることがあります。
塗り広げる際は、清潔な手で保湿クリームを手に取り、鼻を中心としておでこ・頬・あごなど数ヶ所につけてから顔全体に優しく広げましょう。
保湿クリーム以外のスキンケアのポイント
乾燥しやすい肌には保湿クリーム以外のスキンケアも大切です。間違ったスキンケアは乾燥や肌荒れなどの肌トラブルを悪化させるので、ご自身に合った保湿剤の使用や、正しいケア方法を意識しましょう。
以下では、注目すべきスキンケアのポイントを3つ紹介します。
洗顔方法
洗顔する際に注目すべきポイントは以下のとおりです。
・ぬるま湯で洗う
熱すぎるお湯は皮脂を過剰に除去してしまい、乾燥肌につながります。一方、水が冷たすぎると肌が急激に冷やされて刺激を受け、毛細血管が拡張されるなどの影響で顔が赤っぽくなることがあります。
洗顔時は32~35度のぬるま湯を使うと良いでしょう。
・洗顔料をしっかり泡立てる
泡立てネットなどを使ってしっかり泡立てましょう。そして、泡で顔を包むようにやさしく洗います。
汚れを落とそうと必死にゴシゴシすると摩擦が生じ、肌はダメージを受けるので乾燥につながる恐れがあります。手でむやみに擦らない洗顔方法がポイントです。
・ぬるま湯で洗顔料をしっかり洗い流す
洗顔料などの洗い残しはニキビの原因になるため丁寧にしっかり洗い流しましょう。洗顔後は清潔なタオルで水分をやさしく拭き取ってください。この際もこすらないように注意しましょう。
化粧水
化粧水はたっぷりつけたほうが良いと思われがちですが、たくさん肌に与えても水分が肌の角質層に浸透してそのまま残るわけではなく、肌に収まりきらない水分量を超えてしまうと残りの水分は蒸発してしまいます。
化粧水は水溶性の保湿成分を肌に与える目的で、適切な量を使用することが大切です。化粧水をつける際は、手で丁寧に1〜2回馴染ませましょう。
コットンや手で何度も強く叩くようにつけるのは、摩擦の原因になるため注意してください。
とくに、乾燥肌や敏感肌の方は、拭き取り系化粧水やエタノール含有量が多いものなど、刺激の強い製品を避けたほうが良いでしょう。
美容液
美容液は肌のトーンアップや年齢に応じたお手入れなど、肌の悩みにあわせた成分を取り入れてください。
美容液で使用される成分の一例として、セラミドやレチノールなどがよくあがります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
セラミド:肌の乾燥やほこり、外的な刺激から守るバリア機能につながる
レチノール:ビタミンA誘導体の一種 コラーゲンやヒアルロン酸に関係し、ハリや保湿作用がある
目元や口元などピンポイントで使用するよりも、顔全体に使用して肌の状態を整えることが大切です。
体の内側から肌の乾燥をケアする方法
肌の外側からスキンケアを行うだけでなく、体の内側からのケアも重要です。以下では、スキンケアとあわせて行うべき、体の内側から肌の乾燥をケアする方法を紹介します。
水分補給をする
肌の乾燥予防は、スキンケアによる保湿だけでは不十分な場合があります。こまめに水を飲んで、体に水分を保ちましょう。
体重や体格によりますが、食事で摂取する水分を約1リットルとすると、1日に約2リットルの水を飲むことが望ましいです。
水分摂取の方法にも工夫が必要で、1度にたくさん水を飲むのではなく、こまめに水分補給をするようにしましょう。
栄養バランスの良い食事を心がける
栄養バランスの偏りは肌の乾燥だけでなく、さまざまな肌トラブルを引き起こすことがあります。
タンパク質やビタミンなどを取り入れた栄養バランスの良い食事が大切です。とくに、肌のターンオーバーを正常化する働きを持つビタミン類は意識的に摂取しましょう。
摂取すべき栄養素は以下があげられます。
- ビタミンA
- ビタミンB群
- ビタミンE
- ビタミンC
これらは、緑黄色野菜、大豆、果物類から摂取できます。
炭水化物が多く、栄養バランスの偏りがあるファーストフードやインスタント食品はなるべく控えめにしましょう。
規則正しい生活を心がける
生活習慣の乱れは肌のターンオーバーに影響を及ぼし、乾燥や肌荒れなどのトラブルを招く恐れがあります。
規則正しい生活として、十分な睡眠時間の確保や適度な運動を心がけましょう。例えば、睡眠不足は自律神経の乱れを招き、肌のターンオーバーへ悪影響を及ぼします。
また、適度に運動を続ければ、血行促進につながり、代謝があがることで肌のターンオーバーが改善する可能性があります。
肌質に合った保湿クリームと内側からのケアで乾燥を防ごう
保湿クリームは比較的油分を多く含むクリームなので、肌質に合わせた製品の使い分けが必要です。
乾燥肌や脂性肌、混合肌など、ご自身の肌質を見極めてスキンケアアイテムを選びましょう。
とくに、乾燥肌の場合は摩擦などの外部刺激によるダメージが大きく出やすいため、こすらず優しくクリームを塗ることが大切です。
外側のケアだけでなく、飲食や生活習慣など体の内側からのケアも意識しましょう。万が一、肌の乾燥が悪化して状態がひどく続く場合は、医療機関を受診してください。
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