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コラム
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2024.09.30

乾燥肌・スキンケア

【医師監修】保湿剤の種類や役割とは?肌質別の選び方や適切な使い方を紹介

肌の美容や健康維持には、日頃から保湿を欠かさないことが重要です。十分な保湿効果を得るには、保湿剤の適切な使い方や選び方を知っておく必要があります。

今回は、保湿剤の種類や役割をはじめ、適切な使い方や肌質に適した選び方を説明します。さらに、肌の保湿とともに生活の中で行いたいことも紹介します。保湿剤を活用しながら生活面での工夫も行い、肌の美容や健康を守りましょう。

保湿剤はなぜ必要?

保湿を行わないと、肌が乾燥してバリア機能が低下してしまいます。バリア機能は、水分の蒸発や外部からの刺激を防ぐ役割をし、肌の健康維持に欠かせないものです。

バリア機能が低下すると刺激に敏感になり、乾燥肌に加えてかゆみや赤みなどの肌トラブルも起こりやすくなります。とくに、洗顔後や入浴後は肌の水分が失われやすいため、保湿剤を用いたケアが重要です。

保湿剤の種類と役割

保湿剤には多様な分類の仕方がありますが、「エモリエント」と「モイスチャライザー」の2種類に大別できます。効果をあらわすメカニズムがそれぞれ異なります。2種類の特徴や役割を詳しく見ていきましょう。

エモリエント

膜を張る役割により皮脂膜を強化し、水分の蒸発を防ぐ効果がある保湿剤で、肌を保護する役割が強いです。肌の水分を保持し、表面の角質をやわらかくする作用もあります。

油分(脂質)として働くため、べたつきのある質感が特徴です。代表的なエモリエントには、天然油脂や長鎖脂肪酸、脂肪酸エステル、リン脂質、ワセリンなどがあげられます。

モイスチャライザー

肌を保護しながら角質層の水分を保持する役割がある、吸水性と保水性に優れた保湿剤です。吸湿性の高い水溶性の成分により、肌に水分を与えることで乾燥を防ぎます。

エモリエントに保湿成分が追加されたもので、直接的な保湿に役立ちます。ヘパリン類似物質やヒアルロン酸、セラミド、コラーゲン、乳酸、アミノ酸、尿素などが代表的なモイスチャライザーです。

エモリエントよりも高い保湿効果が期待でき、使用感が良いのが特徴で、ローションタイプやクリームタイプがあります。

保湿剤の適切な使い方

前述のとおり、エモリエントとモイスチャライザーは役割が異なるため、用途によって使い分けることが望ましいです。日常的な保湿剤にはモイスチャライザーが適していますが、肌荒れの部分を保護するにはエモリエントを使用すると良いでしょう。

一般的なスキンケアでは、化粧水、美容液、乳液、クリームの4種類が保湿に使われます。保湿効果を得るには、エモリエントやモイスチャライザーが含まれたものを選ぶ必要があります。

以下で、4種類のスキンケアアイテムを組み合わせて保湿を行う場合の手順を説明します。

1.化粧水を伸ばし、必要に応じて美容液を使う

洗顔後、速やかに化粧水で水分を補いましょう。適量(500円玉より大きめが目安)を手に取り、手のひらで軽く温めてから、おでこ、頬、鼻、あごを中心に、顔全体に優しく伸ばします。

手のひらで顔の中心から外側に向かって包み込むように密着させながらなじませるのがポイントです。ゆっくりまんべんなく伸ばすことで、なじみが良くなり保湿効果が高まります。乾燥が気になる部分には重ね付けするのも良いでしょう。

美容液は、気になる部分にピンポイントで塗ると効果が期待できます。化粧水、美容液の順で塗るのが一般的ですが、製品によって異なるため使用前に必ず確認しましょう。

2.乳液やクリームを塗って水分を閉じ込める

化粧水で水分を補ったら、乳液やクリームで蓋をすることで乾燥を防ぎます。化粧水や美容液が肌になじんでから塗りましょう。乳液は化粧水と同様の手順で、顔全体に優しく伸ばすように塗ります。

べたつきを防ぐには、顔の部分によって量を調整すると良いでしょう。目元や口元は乾燥しやすいため重ね付けする、鼻は皮脂が多いため少量にするなどの工夫で、効果がより引き出され使用感の問題もカバーできます。

【肌質別】おすすめの保湿剤

肌質によって合う保湿剤や保湿方法は異なるため、肌質に適した選び方、使い方を意識することが望ましいです。

乾燥肌、脂性肌、混合肌、敏感肌の4タイプの肌質に分けて、おすすめの保湿剤タイプや成分を紹介します。

乾燥肌

肌のバリア機能が低下している乾燥肌には、十分な保湿と保護が必要です。化粧水に加えて、油分を含む乳液やクリームを使用して水分を閉じ込めましょう。とくに乾燥の気になる部分には、乳液やクリームの重ね付けをすると良いでしょう。

乾燥肌の保湿には、モイスチャライザーのひとつである「ヘパリン類似物質」がおすすめです。ヘパリン類似物質が含まれた医薬品は、保湿に役立つだけでなく、血行促進作用や抗炎症作用もあるため、乾燥肌以外の肌荒れの改善にも使えます。

ただし、肌荒れがひどい場合はまず医療機関を受診しましょう。

脂性肌

皮脂量が多い脂性肌には、べたつかないタイプやオイルフリーの化粧水・乳液が適しています。油分は控え、モイスチャライザーによる十分な保湿を行うことが望ましいです。セラミドやアミノ酸などが含まれた保湿剤を使うと良いでしょう。

脂性肌の方はニキビができやすいですが、ニキビの改善や予防のために皮脂分泌を抑えるケアのみを行うと、肌が乾燥してしまうため注意が必要です。脂性肌で保湿ケアを怠ると、皮脂の過剰分泌を招く場合もあります。保湿は欠かさないようにしましょう。

混合肌

Tゾーンが脂性肌で、頬や目元が乾燥肌なのが一般的な混合肌です。脂性肌部分にはオイルフリーなどさっぱりとしたタイプ、乾燥肌部分には保湿力の高いタイプのアイテムが適しています。

肌の状態に合わせてスキンケアアイテムを部分的に使い分けることが望ましいですが、使い分けを継続するのが難しい場合は、保湿に重点を置きましょう。

ヘパリン類似物質やセラミドなど、保湿性に優れた成分を含むべたつきの少ないタイプの保湿剤でケアすると良いでしょう。

敏感肌

敏感肌は外部刺激に敏感で、かゆみや炎症などの肌トラブルが起こりやすい状態のため、肌になるべく負担をかけないよう低刺激なスキンケアアイテムを選ぶことが大切です。

初めて使用するアイテムは肌に合わない可能性もあるため、顔に使う前に腕の内側などで試して、赤みやかゆみがあらわれなければ顔に使うようにしましょう。敏感肌にも保湿が重要なため、ヘパリン類似物質やセラミドなど、保湿性の高い成分の使用が望ましいです。

保湿剤によるケアとあわせて心がけたいこと

保湿剤を用いたスキンケアに加えて、肌のうるおいを守るために日常でできることがあります。スキンケアとあわせて日頃から心がけたいことを紹介します。

こまめな水分補給

体の内側から水分補給をすることも、肌のうるおいを保つには重要です。水を飲むことで肌の内側から水分が補われます。

必要な水分量は活動量などによっても異なりますが、1日あたり2リットルが水分摂取量の目安とされています。1度に大量に飲むのではなく、こまめに摂取しましょう。

栄養バランスの良い食事

肌の健康維持には、栄養バランスの良い食事を摂ることも大切です。とくに、タンパク質やビタミン類を中心に摂取しましょう。

タンパク質は、肌のうるおいの素となる天然保湿因子の生成に欠かせません。肉類、魚類、卵、大豆製品、乳製品に含まれるため、食事に取り入れましょう。

ビタミン類には多様な種類があります。肌のうるおい維持に役立つビタミンAをはじめ、さまざまなビタミン類のこまめな摂取が望ましいです。

適度な運動と睡眠時間の確保

適度な運動を取り入れると血行が良くなり、肌が健やかに保たれます。肌のうるおいを維持するのに欠かせないターンオーバー機能(肌の新陳代謝)が、正常に働きやすくなるためです。

ストレッチやウォーキングなど、継続しやすい運動を無理なく行うと良いでしょう。運動はストレス解消にも役立ちます。ストレスを溜めないことも肌の健康維持に重要です。

また、十分な睡眠時間を確保すると、成長ホルモンが分泌されターンオーバー機能が整いやすくなります。就寝前の食事、スマートフォンやテレビの視聴を控え、入眠環境を整えることが睡眠の充実につながります。

部屋の加湿

空気が乾燥すると肌も乾燥しやすくなります。湿度の低い冬季や夏場のエアコンが効いた部屋に長時間いる場合は、とくに注意が必要です。

部屋の湿度が低いときは加湿を心がけましょう。湿度50~60%を維持するのが望ましいです。加湿器の使用、濡れタオルを干すなどの工夫で湿度を調整できます。

また、外出先などで部屋の加湿が難しい場合は、肌の乾燥を防ぐために保湿剤を携帯しておくのがおすすめです。

肌質に適した保湿剤を選び肌の健康を守ろう

保湿剤には多様なものがあり、役割の違いによりエモリエントとモイスチャライザーの2種類に分けられます。より保湿効果が高いのはモイスチャライザーで、ヘパリン類似物質が代表的な成分の一例です。

化粧水、美容液、乳液、クリームが日常的に保湿に使用されるスキンケアアイテムですが、いずれもエモリエントやモイスチャライザーを含むものを選ぶことが望ましいです。

どんな肌質でも保湿が重要な点は共通していますが、保湿剤の役割を生かすには肌に適したタイプのアイテムを選ぶ必要があります。保湿剤の使用に加えて、日常生活でも肌の健康を守るためにできることを続けましょう。

赤須医師よりコメント

肌が乾燥してバリア機能が低下すると、かゆみや赤みなどの肌トラブルが発生します。そのため、肌を健康に保つには保湿が大事になります。保湿剤は肌質のタイプで選び、同時にバランスの良い食生活や適度な睡眠、適度な運動を心がけましょう。

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監修者

医師:赤須 玲子

赤須医院院長
山梨大学皮膚科、トロント大学病理学教室を経て、1998年六本木に赤須医院を開設。確かな臨床経験と美容に精通したきめ細やかな診療が定評。専門はニキビ、シミ、ホクロ、スキンケア全般。著書に「顔そりスキンケア」「2週間でつるつる美肌になる本」(マキノ出版)などがある。
○医学博士○日本皮膚科学会専門医○美容皮膚科学会会員○アメリカ皮膚病理認定医

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