2026.07.27

RSウイルス感染症とは?注意が必要なこどもの年齢や症状、予防方法を解説

感染症・消毒
感染症・消毒

「RSウイルス」という名前は、とくに小さいお子さんがいらっしゃるご家庭では、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、RSウイルス感染症の特徴や症状について、詳しく知らない方も多いかもしれません。

今回は、RSウイルス感染症とはどのような病気なのか、特徴や症状のほか、予防方法について解説します。

RSウイルス感染症とは?

RSウイルスは、呼吸器の疾患を引き起こすウイルスです。とくに幼稚園や保育園などの施設内や家庭内で拡がりやすいため、適切な感染対策が求められます。

生後1歳までに半数以上、2歳になるまでに大多数の方が1度はRSウイルスに感染するといわれています。しかし、1度感染し回復しても何度もかかることがあるため、予防が必要です。

RSウイルスの感染経路

RSウイルスの感染経路には、飛沫感染と接触感染があります。

飛沫感染とは、感染者の咳やくしゃみで飛び散る飛沫を吸い込んで感染することをいいます。

家族に感染者が出た場合は家庭内でもマスクを着用する、至近距離での会話を慎むなど、飛沫に注意しながら生活しましょう。

一方、接触感染とは、感染者の鼻水や唾液などに触れることによる感染のことです。

ウイルスが含まれる体液が付着しているドアノブや手すりなどに触れることで感染します。また、RSウイルスに感染した乳幼児のおむつ替えの際に感染するケースもあります。

RSウイルスの流行期

2021年(令和3年)以降は、春から初夏にかけて増加し、夏にピークを迎える傾向があります。なお、以前は夏から増加し、秋にピークが見られていました。

今後も流行期が変化する可能性があるため、毎年の発生動向のチェックが必要です。また、年度だけでなく地域によっても流行期が異なります。

自身の地域の流行期を把握することは予防方法の1つとなります。情報をこまめに確認し、とくに流行期には適切な予防方法を実践できるようにしましょう。

RSウイルス感染症の主な症状

RSウイルスに感染した場合、主に発熱、鼻汁、咳、喘息、呼吸困難などの症状が出ます。RSウイルスには2~8日の潜伏期間があり、感染してから4~6日で発症するケースが多い傾向です。

症状は数日のうちに軽快することもあれば、咳が悪化して重症化するケースもみられます。

重症化すると、咳の悪化により息苦しさやぜーぜーという喘鳴が生じ、食事や水分摂取が困難になる場合もあります。さらに、細気管支炎や肺炎に進行する可能性があるため注意が必要です。

また、1歳以下の乳児が感染した場合、中耳炎の合併症がよく見られます。重症化により無呼吸発作や急性脳症などが引き起こされるケースもあるため、早めに医療機関を受診しましょう。

とくに1歳未満の乳児は注意が必要

1歳未満の乳児(とくに生後6ヶ月未満)、早産・低出生体重児は、RSウイルス感染症の徹底した予防が求められます。感染した場合、症状が強くなり重症化するリスクが高いためです。

1歳未満の乳児がいるご家庭では、RSウイルスの感染を防ぐために十分な対策を心がけましょう。

RSウイルスの検査方法は?

RSウイルス感染症は、症状から診断するのが一般的ですが、抗原検査を行って診断する場合もあります。

抗原検査は、鼻咽頭ぬぐい液(迅速検査キット)などを使用して行われます。鼻の奥の粘膜を綿棒でぬぐい、ウイルスの一部分(抗原)を検出する方法です。院内で検査でき、10~15分程度で結果が出ます。

RSウイルスの検査は、医師が必要と判断した場合に保険適用の範囲で行われます。ただし、迅速検査の保険適用は1歳未満です。

なお、ほかの感染症と区別するために、同時抗原検査やPCR検査を行う医療機関もあります。医療機関によって対応が異なるため、まずはかかりつけ医に相談してみると良いでしょう。

RSウイルスに効く薬や治療方法は?

RSウイルス感染症には特効薬がありません。そのため、治療の基本は対症療法です。軽症の場合は、風邪と同様の治療が行われます。発熱している場合は解熱剤の処方などが行われることが一般的です。

重症化した場合は、症状に合わせて酸素投与や点滴、呼吸管理などを行うこともあります。ウイルスそのものへの特効薬がないため、まずは感染を予防することが重要です。

RSウイルスは大人にも感染する?

RSウイルス感染症はこどもへの感染が多くみられますが、大人が感染することもあります。大人は軽い風邪のような症状で済むことが多いため、感染に気づいていないケースもあります。

しかし、大人でも、高齢者や慢性の心臓または肺の疾患を持つ方、基礎疾患や治療で免疫が低下している方においては、重症化する危険性が高い傾向です。

なお、大人や乳幼児以外のこどもでも、乳幼児と同じく繰り返し感染することがあります。こどもがRSウイルスに感染した場合には、周囲の大人もきちんと感染予防を行いましょう。

RSウイルス感染症の予防方法

感染予防の基本的な方法は、手洗いや手指の消毒を徹底することです。

接触感染を防ぐために、手指の消毒を行うとともに、アルコール消毒薬で手すりやドアノブなど、人の手が触れる場所を消毒しましょう。また、家族間であってもタオルや洗面器などの共用を避けることが望ましいです。

飛沫感染対策としては、マスクを着用するほか、こまめに室内を換気することが大切です。

また、2026年4月から、妊婦を対象としたRSウイルスワクチンが公費による定期接種となっています。母体がウイルスに対する免疫を作ることで、生まれてくる赤ちゃんも免疫を獲得できる仕組みです。

該当する妊婦の方は、お住まいの自治体にご相談の上、接種を検討してください。

日頃から感染対策をしてRSウイルスの感染を防ごう

RSウイルス感染症は、風邪のような症状で済むケースが大半を占めます。しかし、RSウイルス感染症には特効薬がなく、治療は基本的に対症療法です。重症化する場合もあり、とくに1歳未満の乳児はリスクが高いといわれています。そのため、日頃から感染対策を行うことが大切です。

RSウイルス感染症を予防するには、飛沫感染と接触感染のどちらも防ぐ必要があります。流行期は年度や地域によって変動するため、日頃から情報をチェックし、手洗いと手指の消毒、換気をこまめに行いましょう。

もし、自身や家族にRSウイルス感染症が疑われるような症状が見られたら、重症化する前に医療機関に相談しましょう。

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