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コラム
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2023.08.22

乾燥肌・スキンケア

【医師監修】ヘパリン類似物質はやけど痕に効果がある?適切な対処法も解説

「熱い調理器具を触ってしまった」「ヘアアイロンが当たってしまった」など、やけどは私たちの生活の中で頻繁に起きやすい外傷です。

しかし、やけどは初期対応を間違えると痕になってしまうことがあります。やけどを痕にしないためには、やけどをしてすぐに冷やすことが大切ですが、冷やし方にも注意しなければいけません。

今回は、やけどをしたときの適切な対処法、やけどのセルフケアややけど痕をケアする方法などを詳しく紹介します。

やけどをしてしまったときの対応を知りたい方、やけど痕に悩んでいる方はぜひチェックしてみてください。

やけどをした際の適切な対処法

やけどは頻繁に起きやすい外傷ですが、対処法を間違えると痕になりやすいです。やけどをしたときはすぐに対処することが大切なので、まずは適切な初期対応を紹介します。

ただし、やけどは程度や深さによって対処法が異なるので、以下で紹介するのは軽傷のやけどの対処法になります。

やけどをしたのに痛みを感じない場合や、皮膚が白っぽくなっている場合はやけどが深い可能性があるため、すぐに医療機関を受診するようにしてください。

流水で冷やす

やけどをしたときは、とにかくすぐに冷やすことが大切です。まずはやけどをした部分を流水で15~30分程度冷やしましょう。

指や脚をやけどしたときは1時間程度冷やすことで、軽傷であれば痛みが軽減される場合もあります。やけどは冷やすことで痛みを軽減し、症状の進行を防げます。ただし、冷やしても痛みが引かない場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

また、もっと冷やしたいからといって、氷のうや凍った保冷剤で冷やすと、冷たすぎて凍傷になる可能性があるので控えましょう。

ほかの注意事項としては、やけどを負ったのが子どもや高齢者のとき、広範囲を冷やすと低体温になる可能性があることが挙げられます。

衣服を着ている場合は服の上から冷やす

衣服の下をやけどした場合は、無理に脱がさずに衣服の上から流水で冷やしましょう。やけどが深い場合、衣服と皮膚がくっついていると、服を脱がしたときに皮膚まで一緒に剝がれてしまう場合があります。

やけどが軽い場合でも、水ぶくれが破れて痛みが強くなり、治りが遅くなる可能性もあります。

また、子どもがやけどした場合は衣服の下のやけどを見落とす恐れがあるので、よく観察するようにしましょう。どこが痛いのかをしっかり確認し、やけどした場所を全て冷やすようにしてください。

やけどのセルフケア

やけどは見た目に変化がない軽傷の場合は、セルフケアで対応できるものもあります。しかし、冷やしても痛みが引かない、水ぶくれがある、冷やしていないと痛みが続く場合は医療機関を受診するようにしてください。

やけどは一般的に空気を通さないもので覆うと、軽快するケースが多いといわれています。やけどをした部分に高い保湿効果のあるワセリンを塗って、食品を保存するときに使うラップを巻くのも良いでしょう。

ただし、傷やただれになっている場合や、やけどした部分が変色してきた場合は医療機関を受診してください。

やけど痕を消す方法は?市販薬のヘパリン類似物質について

やけどは治ってから痕になるケースも多く、ときには茶色い色素沈着になる場合もあります。やけどが痕になってしまい、何とか消す方法はないかと考える方も少なくないでしょう。

そんなやけど痕には、市販されているヘパリン類似物質を含んだ医薬品が適しているといわれています。

以下で、ヘパリン物質がやけどに適しているといわれる理由を説明します。

ヘパリン類似物質とは?

「ヘパリン類似物質」とは、乾燥肌を改善する目的でも使われている治癒成分です。肝臓で生成されるヘパリンに似た成分で、保湿、血行促進、抗炎症の3つの作用があるといわれています。

近年、ヘパリン類似物質を含んだ医薬品や医薬部外品の化粧品なども市販されているので、見たことがある方もいるのではないでしょうか。

ヘパリン類似物質を含んだ化粧水や乳液などのスキンケアアイテムは治癒薬ではない医薬部外品なので、医薬品に比べて人体への影響も穏やかです。そのため、ヘパリン類似物質を含んだ化粧品に期待できるのは保湿効果であって、やけど痕を改善させるような効果は期待できません。

ヘパリン類似物質がやけど痕に適している理由

やけどをすると、私たちの体の中では「線維芽細胞」が傷を治そうとコラーゲンを生成します。しかし、痕になるような深さのやけどの場合、炎症がひどく過剰にコラーゲンが生成されてしまい、やけど痕の原因になってしまいます。

ヘパリン類似物質には、この線維芽細胞の働きを抑制する作用があることが、やけど痕のケアに適しているといわれる理由です。

ヘパリン類似物質以外でやけど痕をセルフケアするなら?

ヘパリン類似物質以外でやけど痕をセルフケアするなら、保湿と紫外線対策が大切です。少し赤みが残る程度のやけど痕の場合、しっかりと保湿をして、肌に優しい日焼け止めやUVカット生地の羽織ものなどで対策しましょう。

以下では、保湿ケアにおすすめの保湿成分を紹介します。

  • ヒアルロン酸:私たちの体の中にも存在する成分で、1gで水6リットル分に匹敵する保湿力を持つといわれています。
  • セラミド:角質細胞間脂質と呼ばれるもので、角質層に水分と油分を蓄え、うるおいをキープするためには必須とされる成分です。
  • グリセリン:化粧品によく使われる高保湿成分で、吸水性に優れています。
  • コラーゲン:化粧水に含まれている高保湿成分で、肌にうるおいや弾力を与える効果が期待できます。

やけどをしてしまったら適切な初期対応を!

やけどは痕にしないためにも、症状を緩和させるためにも、とにかく初期対応が大切です。やけどをしてしまったら、まず流水で15~30分程度冷やし、痛みが引かない場合は医療機関を受診しましょう。

また、水ぶくれができた、やけどが深い、または広範囲に及んでいる場合もすぐに医療機関を受診するようにしてください。

もし、やけどが痕になってしまった場合は、ヘパリン類似物質を含んだ保湿剤でケアをする方法もあります。高保湿とされる成分を含んだスキンケアと紫外線対策をしながら、やけど痕をしっかりケアしていきましょう。

泉医師からのコメント

やけどの場合、傷の深さによっては、自己判断によるケアが危険なことがあります。誤ったケアは傷の治りを遅らせ、傷跡が残りやすくなる可能性があります。火傷を負ったら、前述した適切な応急処置を施して、医療機関で医師による診察を受けるようにしましょう。

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監修者

医師:泉 さくら

日本皮膚科学会皮膚科専門医。
琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。

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